【2018年3月最新】銀行カードローンはまだ総量規制対象外?審査難易度の変化は?金融庁発表を紐解いてみた

【2018年3月最新】銀行カードローンはまだ総量規制対象外?審査難易度の変化は?金融庁発表を紐解いてみた

かねてから「貸しすぎ」を理由に、各方面から強い批判を受けて来た銀行カードローン。
今回はその後の中間発表として、金融庁から公式に「現在の銀行カードローン体制」についての調査結果が発表されました。

参考金融庁公式HP「銀行カードローン検査 中間とりまとめ」(PDF)

ただし、全文を読もうとすると長くて分かりにくいこの調査結果。
今回は「利用者の立場から見た」金融庁の公式発表と銀行カードローンの今後について、できる限り分かりやすくまとめてみました。

そもそも金融庁や全国銀行協会が銀行カードローンに求めていることって?

そもそも金融庁や全国銀行協会が銀行カードローンに求めていることって?

そもそも、銀行カードローンはなぜ・どのように改革を求められているのでしょうか?

「貸しすぎ」が問題視される理由を簡単に言うと、「お金を貸しすぎることによって自己破産者が増えるなど、社会問題となった」から。
また、全国銀行協会(銀行を取りまとめる組織)が2017年3月、各銀行に求めた「申し合わせ」は以下のものでありました。

i 配慮に欠けた広告・宣伝を抑制
ii 収入証明書不要限度額の引下げ等により、返済能力を正確に把握
iii 自行・他行・貸金業者貸付けを勘案して返済能力を確認
ⅳ 年収に対する借入額の比率を意識した代弁率のコントロールを行い、多重債務者の増加を 抑止。審査目線に関し保証会社と深度ある協議を実施
ⅴ 貸付実施後における顧客の信用状況の変動を把握

(金融庁「銀行カードローン検査 中間とりまとめ」より)

分かりやすく言い換えると、以下のようになるでしょうか。

  • 気軽に借りられそうな宣伝(30分で審査完了など)は控える
  • 収入チェックは厳格に
  • 他社の借入も踏まえてちゃんと審査する
  • 貸付後も支払い能力に陰りがないかチェックする

反対に言うと、それまで銀行カードローンは以上の取り決めが守られていない状況だったということですね。
以上の「申し合わせ」を受け、2017年4月より各銀行はカードローン商品の改正に努めてきました。現在、大手銀行で「○○円まで収入証明書不要!」「最短30分審査!」といったPRを見かけることはまず無いかと思います。
(そもそも別件で、銀行カードローンの即日融資・即日審査は完全に撤廃されているのですが……)

さて、「申し合わせ」からある程度時間がたった現在、銀行カードローンはどのように変わったのでしょうか?
それを調査したのが、今回の金融庁発表だというわけです。

「申し合わせ」後の銀行カードローン・融資体制の変化と、今後の展望

「申し合わせ」後の銀行カードローン・融資体制の変化と、今後の展望

今回、調査の対象となったのは「とくに残高の多い銀行を中心とした12行」。なんとこの12行の融資残高合計で、すべての銀行カードローン貸付額の6割を占めるとのことでした。
ただし「12行すべてが、以前は200万円~500万円まで収入証明書不要としていた」という点から、「100万円まで収入証明書不要」をうたっていた新生銀行レイクは含まれないようですね。

それでは、調査結果を詳しく見ていきましょう!

★利用者にとって特に関係のあるもののみを抜粋して掲載しています。

①保証会社主体から銀行主体の審査に移ることで、審査基準が大幅に変わる?

以前から挙げられていた、「審査を保証会社に任せすぎ問題」。
この場合の保証会社とは、簡単に言うと審査の一部を外注されている会社のことを言います。
詳細銀行カードローンと保証会社

2017年3月以前において、多くの銀行カードローン審査は「反社会的勢力の該当性等など顧客属性の確認に留まっていた」とのことですが……。
今回、12行中9行で銀行独自の審査基準を設けるなどの改善がみられたとのこと。また、残りの3行にもそれぞれ改善を求めたとのことでした。

ただし「改善」というのはあくまで金融庁や全国銀行協会にとっての視点であり、少しでも審査に通りたいユーザー側にとっては「改悪」と言えるかもしれませんね。
実際、一部の金融機関では「明らかに審査が厳しくなった」「大きなお金を借りられなくなった」という声も出ているようです。(静岡銀行など)

申し合わせ

……とは言えカードローン商品は、もともと利用額の幅が広いもの。
必要最低限の枠で審査に通過するための条件であれば、今後もやたらと厳しくなることはないと考えられます。

銀行カードローンの審査は、保証会社任せのものから「保証会社と銀行の二段構え」体制に移行していく動きにあります。
ただし「収入が不安定である」「他社借入が大きい」などのマイナスポイントが無い限り、今後の審査が目に見えて厳しくなるとは考えにくいでしょう。(とくにはじめてキャッシングを利用する場合)

②現在の貸付上限額は「年金の2分の1まで」が主力か

ここからが本題となる、銀行の「貸付上限額」についてですが……。
申し合わせ後の、12行の融資体制は以下のようになりました。

検査対象行における融資上限枠の設定状況

分かりやすくまとめると、以下のようになるでしょうか。

(1)自社、他社すべての貸付額合計が年収の2分の1までとする……7/12行
(2)自社と消費者金融会社での貸付額合計が年収の3分の1までとする……4/12行
(3)自社での貸付額合計が年収の2分の1までとする……1/12行
(4)自社での貸付額合計が年収と同額までとする……1/12行
(5)とくに取り決めなし……1/12行

おそらく(4)か(5)に該当するのは、地銀トップの預金残高を誇る「横浜銀行カードローン」ではないかと思われます。
というのも、2017年の「申し合わせ」後に同銀行へ問い合わせを行ったところ「特に貸付額に取り決めはなく、年収以下ならOK」という回答をいただけたんですね。

CHECK横浜銀行カードローン:2017年9月の問い合わせ結果

(1)のうち1行は、同内容を公式HPに明記している「みずほ銀行カードローン」でしょうか。
こちらは「申し合わせ」以前、年収の2分の1を上限とした貸付を行っていたため、最も分かりやすく「改正」した銀行の一つだと言えます。

(3)~(5)の銀行は「とにかく大きなお金を借りたい!」もしくは「大きな限度額をもらって金利を下げたい」という利用者にとって嬉しい存在でしたが……。
金融機関発表によると「改善を促した」「これらの銀行は、 他行融資を勘案した融資上限枠や年収債務比率を基準とする融資上限枠の設定に向けて検討 を進めている」とのことですので、今後大口融資に積極的な銀行はどんどん減っていきそうです。

と言うと、利用者にとっては悪いことばかりのようにも思えますが……。
実は各銀行の、貸付残高ごとの代弁率(支払いが滞り、保証会社が立て替えを行った割合)も明確に掲載されていました。

利用者の契約締結後1年間の代弁率

こちらは収入別に分けられた利用者の、契約締結後1年間の代弁率。
なんとB銀行において、年収200万円~400万円の利用者のうち合計約12%の人が支払い不能に陥ってしまったことがわかります。

銀行ごとに代弁率に差があるのは「返済能力に応じた審査を的確に実施できているか」、端的に言うと「審査が上手かどうか」によるのでしょう。残念ながらB銀行はE銀行・F銀行に比べ、あまり審査が上手でなかったようですね……。
言い換えると、それだけ審査が甘かったということでもあります。

このように、「やたら審査が甘い」「やたら大きなお金を借りやすい」銀行では、その分お金を借りすぎて返済不能に陥る可能性も高いもの。
「大きなお金を貸さない」のには、利用者を守る意味もあるわけですね。

ちなみに上のデータに関する、気になる情報も載せられていました。

融資上限枠を年収の2分の1以下とする7行のうち1行は、一部の契約において、年収の3分の1を超える契約の代弁率がより高くなっていることから、審査基準や融資上限枠の適切性を検証し、審査基準の厳格化などの対応を検討している。

よく見ると「年収の3分の1以下しか借りていない人の方が代弁率が高い」という例も複数存在することから、今後収入に対して大きなお金を借りることはますます難しくなっていきそうです。

③今後は「途上与信」が厳しくチェックされることになりそう

すでに銀行の審査に通っている、あるいは2017年3月以前に契約を済ませ、大きな限度額をもらっているという場合にも油断はできません。

過剰な貸付けを抑制する観点から、融資実行後の顧客の属性(職業、収入、家族構成、住居 費等)を定期的に確認することが重要である。

(金融庁「銀行カードローン検査 中間とりまとめ」より)

と記載のある通り、今後は契約後の審査、いわゆる「途上与信」も厳格化されていくと考えられるからです。
その具体的な内容については、以下の内容が掲載されていました。

途上管理については、例えば、貸金業法が定めるような定期的な(3年毎の)年収証明書の取 得は行われていないが、7行において、検査での対話を踏まえ、顧客の返済状況等に応じた年 収証明書の取得を検討する動きが進んでいる。

あくまで検討段階ではあるようですが、今後は消費者金融会社と同じく数年ごとに収入証明書の提出を求められるようになる可能性もあるようですね。
また、具体的な途上与信の内容は以下のようになります。

申し合わせ後は、1行において、銀行から顧客に対して能動的に収入・勤務先の変動を確認する取組みや、2行において、保証会社における日本信用情報機構、シー・アイ・シーからの情報活用に加えて、新たに銀行自らが全国銀行個人信用情報センター情報を活用する取組みが見られた。
もっとも、こうした取組みは限定的であることから、12 行すべてに対して、途上管理を強化する よう促した

こちらは分かりやすく言うと、「契約後も他社の利用状況や信用情報(クレヒス)を確かめよう」というもの。
個人信用情報機関への照会が強化されれば他社で新しくお金を借りたために、限度額が引き下げられてしまうなどの事例も増えることでしょう。いわゆる「自転車操業」はこれからどんどん困難になりそうですね。

契約後の審査について詳しくは、詳しくは「途上与信について」のページをご覧ください。

④「抜け道」だったフリーローンの基準も厳しくなりそう

その他、カードローンと直接関係は無いものの、今まで「抜け道」としての側面が強かったフリーローン
こちらはカードローンと同じく使い道が自由ながら、「一度借りたら返済だけを分割で行う」タイプのローンを言います。

実はこのフリーローン、「申し合わせ」の対象外と見た銀行が多かったのか、2017年の秋くらいまでは大手地銀(例えば横浜銀行)においても「年収300万円まで収入証明書不要」といった文字を見られたのですが……。
結局無担保ローンであることに変わりはないため、金融庁から注意が出てしまったようですね。

カードローン以外にも、「フリーローン」などの商品名で消費者向け無担保貸付に取り組んでい る銀行がみられる中、3行において、カードローンでは融資審査態勢や広告・宣伝の改善に向け た措置を講じる一方、同じく消費者向け無担保貸付である融資商品について同様の措置を講じ ていないことから、改善を促した
その結果、これらの銀行は、カードローン以外の消費者向け無 担保貸付についても、カードローンと同様に年収証明書の取得基準や広告・宣伝の見直しに向 けて検討を進めている。

今までは「大口融資の抜け道」として使われることの多かったフリーローンではありますが……。
今後はカードローンと同様、大きなお金を借りることは難しくなっていきそうですね。

★ただし現在でも、小さな地銀のフリーローンは収入証明書に関する規約が甘いことは多いです。

相談窓口が設置されるなどの「100%改善」点も

相談窓口が設置されるなどの「100%改善」点も

これまで解説してきたように、金融庁や全国銀行協会が求めた「改正」「改善」は、利用者にとって必ずしもそう言い切れないものが多かったのですが……。
一方で、利用者にとって「100%改善」と言える方針も、無いではありません。

申し合わせ前は、5行が顧客からの相談窓口で返済期間の猶予などに応じていたが、検査での対話を踏まえ、うち2行において、カードロ ーン専用相談窓口の新設とともに金利減免など救済措置の拡充を検討する動きが進んでいる。

このように「どうしても支払えなくなってしまった」という場合、専用の相談窓口を使って返済期間の延長、そして金利のカットなどの措置を受けられる銀行も増えてきている模様。
返済が難しくなってしまっても、問答無用で「延滞」扱い&金融ブラック入りとなる可能性を大分下げられるようになりました。

つまり、支払いに行き詰まったらまずは「銀行の窓口に相談」することが重要だということ。
金融庁の指示を受け、今後ますます多くの銀行が同様のサポート体制を敷いていくことが期待されます。

まとめ

★最新の金融庁発表によると、大手12銀行カードローンの各融資・審査傾向は以下の通り。

  • 審査を保証会社に任せきりにせず、銀行も積極的にかかわるようにする
  • 他社の借入額をよく考えて、利用限度額を算出する(目安は他社も含めて年収の2分の1まで)
  • 契約後も定期的に信用情報の照会や、収入証明書の確認を行う
  • フリーローンもカードローンと同じく、「貸しすぎ」が起こらないよう努める

★利用者にとっては「大きなお金を借りにくくなる」「低い金利で借りにくくなる」といったデメリットが多いが、相談窓口の充実などにより支払い不能に陥った際のサポートはより手厚くなっていく動きもある

以上のように、大手銀行カードローンにおいては2017年3月から大幅な仕様変更が見られましたが……。
実は地方の小さな銀行(や信用金庫)では、いまだ「原則収入証明書不要」といった文面が見られることも珍しくありません。
個人的には、こういった「銀行間の融資体制の格差」も気になるところです。

ただし、少なくともお金を借りすぎる人や自己破産者が減るのは「社会的に」喜ばしいこと。
納得いかないカードローンユーザーも多いもしれませんが、利用者の意見で業界の方針を変えることは難しいため、大手銀行カードローンを利用するのなら変化を受け入れていく必要があるでしょう。

引用・参考金融庁公式HP「銀行カードローン検査 中間とりまとめ」(PDF)



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