地方銀行カードローン、「自主的な総量規制」へ:大手銀行ほど強い自粛傾向
9月26日付けの日本経済新聞電子版において、一部の地方銀行が自主的に総量規制を導入したことがわかりました。
現在、銀行カードローンは「貸しすぎ」を理由に各方面から批判を浴びています。
総量規制(年収に対する融資上限額の設定)の導入が、この批判への返答であることは言うまでもありませんね。
ですが、総量規制を導入した銀行の中でも融資自粛の足並みにはバラつきがあるようで、いまだカードローン事業は「銀行の良心と自己判断」に任されていることは否定できません。実際、小規模な第二地方銀行となると以前のように「300万円まで収入証明書不要」を名言していることも珍しくないんです。
そして、各銀行へ問い合わせを行ったところ……。
なんと同じ銀行内においても、融資自粛に関する方針がまったく定まっていないことが判明しました。
今回は、この日本経済新聞の調査を元に「総量規制を導入した地方銀行はどこなのか」、またその貸付自粛の内容はどのようになっているのか、実際に各銀行へ問い合わせながら詳しくまとめてみました。
明確な貸付制限を導入した地方銀行は、全国7行
今回の日経新聞の調査によると、明確な貸付制限を導入した地方銀行は全7行。
それぞれの詳細は以下のようになっています。
★明確な貸付制限を導入した地方銀行(・第二地方銀行)とその内容
広島銀行 | 他社借入を含め、年収の3分の1を融資上限とする ただし問い合わせの結果、そのような制限は設けていないとのこと |
京都銀行 | 年収の3分の1を融資上限とする その他、収入・職業に応じた限度額の制限あり |
七十七銀行 | 用途自由な2つのカードローンのうち、「77カードローン」のみ年収の3分の1を融資上限とする |
大光銀行 | 他社借入を含め、年収の3分の1を融資上限とする ただし問い合わせの結果、そのような制限は設けていないとのこと |
秋田銀行 | 2つのカードローンのうち、「プライムカード」のみ他社借入を含め、年収の2分の1を融資上限とする |
百五銀行 | 他社借入を含め、年収の2分の1を融資上限とする ただし問い合わせの結果、そのような制限は設けていないとのこと |
琉球銀行 | 他社借入を含め、年収の2分の1を融資上限とする |
この時点で、なんだか同じ銀行内でも認識にバラつきがあることがわかりますね……。
それでは、一つ一つの銀行について詳しく解説していきます!
①うち4行は「年収の3分の1まで」という消費者金融と同様の制限を導入
まずは「原則、借入限度額は年収の3分の1まで」という比較的厳しい貸付制限を設けた銀行について見ていきましょう。
該当するのは、「広島銀行」「京都銀行」「七十七銀行」「大光銀行」の4行となります。
(1)広島銀行は「他社借入を含め」年収の3分の1以下と規定……予定?
「他社からの借入を含め、年収の3分の1までを融資上限とする」というのは、消費者金融各社が縛られる「貸金業法」の基準とまったく同じものとなります。
今回のニュースにより、最も厳格な制限を設けていると考えられるのが広島銀行となった、はずなのですが……。
公式HPにいまだその旨の記載がないため実際に広島銀行の窓口へ電話を掛けてみたところ、
「年収の3分の1まで、というのは貸金業者さんの制限になりますので、私どもの場合はとくにそういった制限は設けておりません。」という回答を頂きました。早くもニュース内容と結果が食い違っています。
広島銀行のカードローンは、借入限度額が50万円を超えるときに収入証明書の提出が必須になるなど、決して「貸しすぎ」対策を行っていないわけではないのですが……。
少なくとも現在、広島銀行全体で「総量規制を導入する」という意識は浸透していないようですね。(2017年9月29日)
ただ、このようなニュース結果が出たことから、順次貸付の方針は変わっていくものと予測されます。
CHECK広島銀行カードローン、利用の流れと選び方
(2)京都銀行は年収に応じ、利用できる限度額を制限
平均を大きく下回る低金利(上限11.95%)が魅力の京都銀行「カードローンW」。
こちらは以前から、収入・職業に応じてやや厳しい限度額制限を設けている銀行でした。
★京都銀行「カードローンW」の限度額制限
限度額30万円 |
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限度額50万円 |
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限度額100万円 |
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限度額300万円 |
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限度額500万円 |
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銀行が定める収入制限に則って申し込みを行えば、自動的に最大限度額は年収の3分の1となるわけですね。
ここで気になるのが、他社借入の取扱い。実際に京都銀行へ問い合わせてみました。
他社での借入がある場合にも、限度額50万円への申し込みは可能でしょうか?
やや分かりづらいですが、言い換えると「他社借入がある場合でも、収入制限さえ満たしており、審査に通過できれば問題ナシ」ということでしょう。
「年収の3分の1を超える限度額を与えることはない」ものの、他社借入と合計することで借入額が年収の3分の1を超えることは十分考えられるようですね。
CHECK京都銀行「カードローンW」利用の流れとメリット・デメリット
(3)七十七銀行は一部ローンのみの貸付自粛へ
七十七銀行が取り扱うカードローンのうち、資金使途が制限されないものは「77カードローン」と「77スマートネクスト」の2種類。
2017年6月までには「77ミニカードローン」という商品もありましたが、現在取扱いは終了しているようですね。
「77カードローン」の公式HPを見てみると、限度額の項目にはこれまで存在しなかった記載が加わっていました。
▲七十七銀行公式HPより
このカードローンも京都銀行と同じく、他社借入はさほど考慮せずに融資上限額のみを設定しているようです。他社で借入がある状態であれば、結果的に借入額が年収の3分の1を超えることもあるでしょう。
ただ、七十七銀行が取り扱うもう一つのカードローン、「77スマートネクスト」には限度額についてとくに追加の記載がありません。
そこで、実際に同ローンの窓口へ問い合わせを行いました。
お客様の収入などを総合的に判断した上で、限度額を決定させて頂いております。
同じ七十七銀行のローンでありながら、融資の体勢は統一されていない模様。
少なくとも、現在は「77スマートネクスト」であれば、年収の3分の1を超える借入が可能なようですね。
(4)大光銀行は第二地方銀行の中、唯一明確な制限の導入へ
今回、明確な貸付自粛方針が公表された(実際に自粛しているかはともかく)銀行のうち、唯一の「第二地方銀行」が大光銀行(新潟県)。
第二銀行とは主に旧「相互銀行」、一般に歴史の比較的浅い銀行を言います。そのため、利用者数なども通常の地方銀行(第一地方銀行)に比べると少ない傾向にあるのですが……。
どうやらこの銀行の融資規制の原因は、昨今の銀行カードローンの動きよりも過去の失敗にある模様。
経営危機の中、都銀・地元地銀・全相互銀行等88機関から540億円の低利融資を受け再建を図り、1988年(昭和63年)9月に融資返済により再建を完了した。以後、小口融資を中心とした堅実経営を行っている。
「貸付自粛の批判を受けて」というよりは「過去の失敗を繰り返さないために」、自主的な小口融資を行っているようですね。
そのため、これまでに紹介した大手地方銀行に比べると、やや性質が異なります。
とは言え……。
実際に問い合わせを行ったところ、こちらも「収入に応じて特に限度額の制限は設けていない」とのこと。
②うち3行は「年収の2分の1まで」を貸付上限へ
日経の報道によると、「秋田銀行」「百五銀行」「琉球銀行」の3行は、「年収の2分の1」を融資上限とした貸付を行うとのこと。
「年収の3分の1」を制限としている銀行の姿勢にはバラつきがあるようですが……。
こちらの方針を取っている銀行ではどうでしょうか?実際に問い合わせを行い、まとめてみました。
(1)秋田銀行は「プライムカード」のみ公式HPで融資上限を名言
今回の調査のうち、唯一「他社借入を踏まえた貸付制限」を公式HP上に記載しているのが秋田銀行「プライムカード」。
こちらは秋田銀行が取り扱う2つのカードローンのうち、より低金利な商品となっています。
▲秋田銀行公式HPより
ただし、もう一つのカードローン「あきぎんスマートネクスト」の窓口へ問い合わせを行ったところ、「七十七銀行」と同じくとくに融資制限は設けていないとの回答。
他社借入をしっかり踏まえた上で限度額に制限を設けているのは、「プライムカード」だけとなっているようですね……。
CHECK秋田銀行カードローンの選び方と利用の流れ
(2)百五銀行は「他社借入を踏まえて限度額に上限を設ける」……予定?
三重県を中心に展開する「百五銀行」。
日経の発表には以下のような記載が見られましたが……。
百五銀行の中でも申し込みやすい、「マイカードDREAM」の窓口へ問い合わせを行ったところ、「とくに収入ごとに限度額上限は設けておらず、多額のおまとめ利用もOK」とのことでした。
広島銀行と同じく、今後調整していく予定なのかもしれませんが……。
少なくとも現在、百五銀行すべてに融資自粛の動きはないようです。
(3)琉球銀行はどのカードローンも「他社借入をひっくるめて年収の2分の1が貸付上限」
ここまで、報道と異なる回答ばかりをもらうことになってしまったわけですが……。
琉球銀行へ問い合わせを行ってみたところ、この銀行が取り扱う2つのカードローンどちらにおいても「他社借入を含め、年収の2分の1までを融資上限とする」という答えをいただくことができました。
つまり、年収400万円の人が他の銀行、消費者金融ですでに150万円を借りていた場合、琉球銀行では50万円までしか借りられない、というわけですね。
フリーローンはこの制限の対象外になるとのことでしたが、他行に比べるとダントツで明確な基準が設けられているようです。
③同じ銀行でも、商品によって姿勢にバラつきあり&そもそも貸付自粛が浸透していないことも……。
今回の報道内容と、実際に問い合わせた結果をまとめると以下のようになりました。
★報道内容と問い合わせ内容の比較
報道内容 | オペレーターの回答 または公式HPの記載 |
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広島銀行 | 他社借入を含め、年収の3分の1を融資上限とする | そのような制限はない | |
京都銀行 | 年収の3分の1を融資上限とする (従来の申し込み規定通り) |
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七十七銀行 | 77カードローン | 年収の3分の1を融資上限とする | |
77スマートネクスト | 年収の3分の1を融資上限とする | そのような制限はない | |
大光銀行 | 他社借入を含め、年収の3分の1を融資上限とする | そのような制限はない | |
秋田銀行 | プライムカード | 他社借入を含め、年収の2分の1を融資上限とする | |
あきぎんスマートネクスト | 他社借入を含め、年収の2分の1を融資上限とする | そのような制限はない | |
百五銀行 | 他社借入を含め、年収の2分の1を融資上限とする | そのような制限はない | |
琉球銀行 | 他社借入を含め、年収の2分の1を融資上限とする |
まとめてみたところ、いろいろな問題が透けて見える結果となってしまいました……。報道内容が正しいものだったとするならば、日本経済新聞の回答に応じた上層部と、窓口応対を行う人々に大きな隔たりがあるのでしょうか?
とにかく、貸付上限額に対する制限は「琉球銀行」を除き、銀行内でさえも一貫していないようですね……。
もちろん、日経の取材に対しこのような回答を行ったからには、今後「広島銀行」「大光銀行」や「スマートネクスト」の名前の付くカードローンについても、報道通りの規制が設けられるのではないかと予測されますが……。
今のところ、大口融資自粛の方針は銀行間どころか、銀行内でもバラつきがあるようです。
貸付自粛に踏み切った地方銀行の傾向は?
各銀行の取り組みが分かったところで気になるのが、貸付自粛に踏み切った(と報道された)銀行の傾向。
公的なデータをもとに、実際に分析してみました!
①貸付自粛を決定した銀行の区分・店舗数・預金高の一覧
やはり大規模な地方銀行ほど、貸付自粛への圧力は強くなっているのでしょうか?金融庁の発表データをまとめてみたところ、以下のような結果を得ることができました。
★平成28年3月時点(ランキングを除く)、金融庁発表による各銀行データ
区分 | 店舗数 | 預金(億円) | 2014年時点での預金高ランキング順位※ | |
広島銀行 | 地方銀行 | 167店舗 | 67,975億円 | 11位/106行 |
京都銀行 | 地方銀行 | 169店舗 | 64,107億円 | 10位/106行 |
七十七銀行 (宮城県) |
地方銀行 | 142店舗 | 73,259億円 | 8位/106行 |
大光銀行 (新潟県) |
第二地方銀行 | 70店舗 | 12,604億円 | 75位/106行 |
秋田銀行 | 地方銀行 | 97店舗 | 24,255億円 | 50位/106行 |
百五銀行 (三重県) |
地方銀行 | 134店舗 | 44,529億円 | 23位/106行 |
琉球銀行 | 地方銀行 | 76店舗 | 20,384億円 | 63位/106行 |
「地方銀行」(たまに「第一地方銀行」とも)と「第二地方銀行」の違いは、主にその歴史の長さ。
そのためか、基本的には「地方銀行」の方が預金残高や店舗数が多い傾向にあります。(北洋銀行などの例外あり)
預金高ランキングを見る限り、「年収の3分の1を上限」とする厳しい自粛を始めた銀行は地方銀行の中でも、とくに大規模なものが多いですね。やはり大規模な運営を行っている銀行ほど、行政などからの目も厳しいのでしょう。
★大光銀行は、上の項目で記載したとおり融資自粛の波を受けて、というよりは「過去の<貸しすぎ>を踏まえて」貸付を制限していると考えられますのでやや性質が異なります。
②貸付自粛の波は「第二地方銀行」には届いていない?
過去に大口融資で失敗した経験のある「大光銀行」以外、明確な貸付自粛基準を提唱した銀行はすべて「(第一)地方銀行」であることがわかりました。
気になるのが、「第二地方銀行には、貸付自粛の波は届いていないのか?」という点。
現在、すべての都市銀行は「借入限度額が50万円を超えた場合、収入証明書の提出を必須」と明言しています。
これは消費者金融が貸金業法で縛られている制限とまったく同じもの。
以前は「300万円まで収入証明書不要」などをうたっていた銀行がほとんどだったのですが、銀行カードローンの過剰融資問題を受けて、このように厳格な姿勢を取ることになりました。
そのため、同様の文面を設けているのなら「返済能力を確認した上で、大口融資を行っている」というポーズを取る必要があることとなるでしょう。(実際、自粛を行うかは別問題ですが……。)
同様に、「50万円まで」と明記はしないまでも「審査の結果、必要書類が増えることがある」という記載を追加する銀行も増加しています。
そこで、実際に地方銀行・第二地方銀行計106行のカードローン商品について、収入証明書に関する記載を公式HPから調査してみました。
★収入証明書に関する記載の統計
(第一)地方銀行 | 第二地方銀行 | |
限度額に関わらず必須 | 該当なし |
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限度額が50万円を超える場合、収入証明書を提出 |
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限度額が100万円以上(または超過する)場合、収入証明書を提出 |
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限度額が200万円を超える場合、収入証明書を提出 | 該当なし |
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限度額が300万円を超える場合、収入証明書を提出 |
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限度額が500万円を超える場合、収入証明書を提出 または原則不要 |
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明確な記載なし もしくは「別途他の書類が必要になることがある」との記載あり (銀行の判断に応じ提出) |
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上のグラフ中、グレーで塗られた部分が「貸付自粛の動きを受けた銀行」だと考えられます。
たしかに(第一地方銀行)の方がグレーの割合は大きいですが、意外と4分の1ほどの銀行は以前と変わらず、「原則収入証明書不要」で借入が可能なようですね。
また、第二地方銀行においても「まったく貸付自粛の動きを受けていない」わけではないようです。
これでは、「(第一)地方銀行ほど、大口融資への圧力が強い」とは言い切れません。
そこで、今度は2014年時点での預金残高ランキングから、各金融機関の傾向をまとめてみました。
★2014年時点での預金残高ランキング(地方銀行+第二地方銀行)上位15行と収入証明書類の提出基準
金融機関名 | 収入証明書原則不要のライン | |
1 | 横浜銀行 | 限度額50万円以下 |
2 | 埼玉りそな銀行 | 限度額50万円以下 |
3 | 千葉銀行 | 審査結果に応じ決定 |
4 | 福岡銀行 | 限度額50万円以下 |
5 | 静岡銀行 | 限度額50万円以下 |
6 | 常陽銀行 | 限度額50万円以下 |
7 | 北洋銀行 | 限度額に関わらず必須 |
8 | 七十七銀行◆ | 審査結果に応じ決定 |
9 | 西日本シティ銀行 | 審査結果に応じ決定 |
10 | 京都銀行◆ | 限度額50万円以下 |
11 | 広島銀行◆ | 限度額50万円以下 |
12 | 八十二銀行 | 審査結果に応じ決定 |
13 | 群馬銀行 | 明確な記載なし |
14 | 北陸銀行 | 限度額50万円以下 |
15 | 中国銀行 | 限度額100万円以下 |
さて、こう見ると以前と変わらない状況で融資を行っていると考えられるのは、15行中「中国銀行」のみとなっていますね。
反対に、第二地方銀行を中心とする比較的利用者数の少ない銀行は、今でも変わらず「300万円以下収入証明書不要」といった体制で融資を行っているようですね。
「貸付自粛」の面で第二地方銀行が目立たないのは、単に利用者が少なく監視の目が届きにくいから、といったところでしょうか。
実際、2014年時点で預金残高ワースト10となっている銀行のカードローンを調べてみたところ、「限度額が50万円を超える場合、収入証明書必須」と定めている銀行は1つもありませんでした。
比較的小規模な銀行カードローンの融資体制が変わるまでには、まだ時間が掛かりそうですね。
★こちらの統計はあくまで「収入証明書の提出基準」を調査したものであり、収入証明書の提出基準が甘いからといって審査が甘い、もしくは過剰融資を行っていると判断することはできません。お気をつけください。
大手銀行であっても、フリーローンが貸付自粛の「抜け道」に
限度額の範囲内で何度でも借入・返済のできるカードローンとは異なり、一度借入を行ったら返済のみを行うローンのことを「フリーローン」といいます。お金の使い道は、カードローンと同じくとくに指定されません。
そしてどうやら、フリーローンは現在の批判の対象外となっている模様。これは、いまだ「300万円まで収入証明書不要」といった大口融資をおすすめする文面を残している銀行が、カードローンに比べ非常に多いことからも分かります。


静岡銀行のように、カードローンとフリーローンの収入証明書提出基準が異なることも珍しくありません。
このことから、今後カードローンで大口融資を受けることが難しくなっても、フリーローンを使えば新しく借入ができる可能性は十分残っているわけですね。
実際、カードローンについては明確な貸付制限を設けた「琉球銀行」に問い合わせを行ったところ、「年収の2分の1以上の借入があっても、フリーローンなら利用できます」との回答をもらうことができました。
フリーローンはおまとめローン、つまり「利用者の生活を立て直すという大義名分のあるローン」として利用できることからも、規制は困難だと考えられます。
(実際、消費者金融が取り扱うおまとめローンは総量規制の例外と設定されています。)
今後銀行カードローンの融資自粛が進んだとしても、「借りようと思えばフリーローンで借りられる」ことも多くなってしまいそうですね。
<信用金庫や労働金庫には、融資自粛の気配なし>
フリーローン以外の「抜け道」としては、信用金庫や労働金庫など、「銀行でも消費者金融でもない金融機関のカードローン」が挙げられます。
実際に、今でも各信用金庫の公式HPを見てみると「300万円まで収入証明書不要」のような文字を見かけることは珍しくありません。
銀行カードローンにおいても、「大規模なものほど監視の目が厳しく、小規模なものほど貸付自粛の波が届いていない」現在、第二地方銀行よりもさらに小規模な信用金庫などのカードローンに貸付自粛の姿勢が見られないのは当然のこととも言えるでしょう。
もしも今後、第二地方銀行にまで貸付自粛が浸透した場合……。
「絶対にカードローンで大きなお金を借りたい」という場合には、「銀行でも消費者金融でもない」金融機関を検討することが現実的となりそうです。
まとめ
★貸付自粛について回答を出した銀行・厳しめな収入証明書提出基準を設けている銀行のほとんどが、利用者・預金残高ともに上位の銀行。
よって利用者数・預金残高が大きい銀行ほど、「貸付自粛」に積極的(あるいはそうせざるを得ない)であることがわかる
★反対に、利用者数の比較的少ない一部の第二地方銀行などに、貸付自粛の波は及んでいない模様
★「フリーローン」はカードローンほどの批判を受けていないため、現在でも収入証明書不要で大口借入が可能なことも多い
全国の銀行どころか、同じ銀行内でも大きな隔たりの見られる「大口融資」問題。
今後はある程度、大手銀行を中心に画一化が図られる……とは考えられるものの、各銀行のオペレーターさんの回答を見るにやや疑問も残りますね。
CHECK銀行カードローンの即日融資、停止へ!その理由と今後の展望
CHECK金利、限度額、審査難易度、融資スピードから見る銀行カードローンの総まとめ