質屋でお金を借りる方法とは?質屋で高く預けられるものの特徴や利息について解説

質屋でお金を借りる方法とは?質屋で高く預けられるものの特徴や利息について解説

質屋を利用すれば、審査なしでその日のうちにお金を受け取ることができます。

借入には「一定の価値のある品物」が必要ですが、これさえ用意できれば自己破産の直後でも現金を入手できるでしょう。

今回はそんな質屋の基本の仕組みと使い方を、分かりやすくまとめました。

目次

質屋でお金を借りるメリットと基本の仕組み

まずは質屋を利用するメリットと、基本的な仕組みについて解説します。

①価値ある品物を「質入れ」すると買取価格の8割前後のお金を借りられる

質屋では、何らかの「価値のある品物」を質屋に預けている間に限り、お金を借りることができます。

受け取れるお金は、その品物の売却価格の8割程度が目安となります。

価値ある品物を、質屋に預け入れることを「質入れ」と呼びます。

例えば10万円相当のブランドバッグを質入れした場合、目安として8万円相当の現金を受け取ることができます。

売却価格に対し、何割程度のお金を借りられるかは質屋によって多少異なります。

②品物を諦められるなら返済はしなくてもよい

質屋の最大の特徴は、返済義務がないことです。

質屋では、借りたお金に利息を加えて返済することで、質入れした品物を取り戻すことができます。

ただし預けた品物を諦められるなら、そのまま二度と質屋を訪れなくても構いません。

この場合、預け入れた品物は質屋の所有物となり、売却されます。

利用者がお金を返さず、品物が質屋の所有物となることを「質流れ」と言います。

ただし質屋で借りられる金額が「売却価格の8割程度」であることを考えると、返済の予定がないのであればはじめから「買取」を利用した方が良いでしょう。

③審査なしだから利用者の返済能力や信用情報が問われない

質屋のもう一つの特徴が、「審査なし」で利用できることです。

質屋を利用する上で必要なのは、「価値ある品物を預け入れる」ことです。

この際、利用者の返済能力や信用情報は一切問われません。

そのため無職であっても自己破産の手続き中の方であっても、「質入れ」さえ可能であればお金を借りることができます。

ただし一般に、未成年者が質屋を利用することはできません。
また、質屋を利用するためには本人確認書類の提示が必要です。

質屋で借りたお金の返済方法

ここからは質屋で借りたお金を返済し、質入れした品物を取り戻す方法について解説します。

①3ヶ月以内に借入額に利息を加えて返済すると品物が戻ってくる

質屋の返済期限は、一般に3ヶ月です。

例えば1月5日にお金を借りたなら、返済期限は4月5日となります。

この期限内に利息を付けて借入額を返済したなら、質入れした品物を取り戻すことができます。

カードローンなどとは異なり、質屋の返済は「一括返済」で行われます。

②金利は最大で月9%(年109.5%)と消費者金融よりも高い

質屋の金利は最大で月9%です。

例えば10万円を1ヶ月借りたなら、借入額の9%にあたる9,000円の利息が発生する形となります。

「月利9%」をカードローンなどと同じ「年利」の表記に直すと、109.5%に相当します。

消費者金融会社のカードローンの金利は年18%程度であることを考えると、質屋の金利は非常に高いと言えます。

これは質屋に適用される法定上限金利が、カードローン等と異なるためです。

ただし「月9%」はあくまで法定上限金利です。

借入額が高額な場合や質屋を何度も利用している場合などには、より低い金利でお金を借りられる可能性もあります。

③利息は日割りではなく月ごとに発生するため注意

質屋の利息はカードローンなどとは異なり、「1ヶ月ごと」に発生します。

例えば1月5日に月利9%で10万円を借りた場合、「2月5日」までに返済すれば、利息は9,000円で済みます。

ただし「2月6日」からは「2ヶ月目」の扱いになり、返済の際には2ヶ月分の利息(18,000円)を支払う必要があります。

この場合、返済に必要な利息は「2月6日~3月5日」まで一定です。

様に、「3月6日~4月5日」の間に返済を行う場合には、3ヶ月分の利息(27,000円)を支払う必要があります。

④利息のみを支払い返済期限を延ばすことも可能(利上げ)

質屋の返済期限は原則として3ヶ月間です。

この期限内に利息を上乗せして返済ができなかった場合、預け入れた品物は質屋の所有物となってしまいます。

ただし質入れした品物を手放したくない場合には、利息のみの支払いを行うことで返済期限を延ばすことも可能です。

この手段は「利上げ」と呼ばれます。

「どうしても品物を手放したくないが、今は全額の返済ができない」という場合には、この方法を検討するのも良いでしょう。

⑤返済はお金を借りた店舗で行う

質屋における返済方法は、「お金を借りた店舗で、現金払い」が基本となります。

入院など、特別な事情で来店ができない場合には、利用した質屋に直接お問い合わせください。

「利上げ」のための利息の支払いに限っては、銀行振込を利用できる場合があります。

質入れできる品物と査定額の相場

ここからは、質入れできる品物とその査定額・借入額の相場について解説します。

①ブランド腕時計

持ち運びが容易で価値が高いブランド腕時計は、質入れの定番品とも言えます。

時計の価値や状態によっては、100万円単位のお金を借りられる可能性もあります。

また大手質チェーン「大黒屋」によると、質入れに最も利用されるブランドは「ロレックス」とのことでした。

②宝石・アクセサリー

宝石やブランドもののアクセサリーも、質入れの定番です。

相場はブランドや状態、宝石の大きさ、現在の需要などによって大きく左右されます。

またイニシャルなどの刻印があるアクセサリーは、相場が低下したり、質入れを拒否されてしまう可能性があります。

③ブランドバッグ、財布

ブランドバッグや財布も、一定の価値が認められれば質入れが可能です。

特にルイヴィトンやシャネル、エルメスは、質入れされることの多いブランドとして挙げられます。

使っていないブランドバッグや財布をお持ちなら、査定を受けてみるのも良いでしょう。

④パソコン、タブレットやその他の電子機器

パソコンやタブレット、スマートフォンといったガジェットも、査定の対象となります。

特にMacbookやiPadといったApple製品は需要が高く、質入れしやすいと言えるでしょう。

ただし発売から一定の年数が経過した電子機器は、値段が付かない可能性があります。

質屋によっては、電子機器の質入れを受け入れていない場合があります。

⑤楽器

一定の価値が認められれば、楽器の質入れも可能です。

基本的には中古品としての需要が高い、状態が良い有名ブランドの楽器ほど査定相場が高くなります。

⑥ゲーム

中古品としての需要があるゲームであれば、質入れが可能な可能性があります。

一般に、査定相場は高くても2万円程度で、大きなお金を借りられるとは言えません。

ただしもしも入手困難なゲーム機・ソフトなどをお持ちであれば、意外な高値が付く可能性もあります。

⑦その他の質入れできる品物の例

その他の質入れできる品物の例としては、「カメラ」「古酒」「美術品」「金・プラチナ」などが挙げられます。

基本的に持ち込みが可能で中古品としての需要があるものであれば、質入れできる可能性があると考えてよいでしょう。

ただし質屋によっては査定の対象が限定されている場合があります。

査定・質入れが可能か知りたい場合には、事前に電話で問い合わせを行うと良いでしょう。

質屋でその日に現金を受け取る流れと必要なもの

ここからは、実際に質屋を利用する流れについて解説します。

①質屋を利用する流れ

「質屋」を利用する流れは、一般的に以下の通りです。

  1. 質入れしたい品物と本人確認書類を持ってお近くの「質屋」へ
  2. 店員さんに声を掛け品物を査定してもらう
  3. 査定額・借入額に納得したその場で手続き
  4. その場で現金の借入(最短30分以内)
  5. 1ヶ月ごとに利息発生
  6. 期限内に「借入額+利息」を店頭・現金にて返済
    ※品物を諦められるなら放棄してもよい
  7. 質入れした品物が手元に戻ってくる

混雑状況や査定の難しさに左右される部分はありますが、早ければ来店から30分以内でお金を借りることができるでしょう。

また来店が必要という特性上、基本的に店舗は立地で選ぶ形となります。

少しでも大きなお金を借りたいという場合には、複数の質屋で査定を受けてみるのも良いでしょう。

②品物の他に本人確認書類が必要なので注意

質屋を利用するためには、質入れしたい品物の他に「本人確認書類」が必要です。

これは質屋営業法および古物営業法の規定のためです。

有効な本人確認書類としては、運転免許証やマイナンバーカードなどが挙げられます。

質屋の利用に関するよくある質問と回答

ここからは、質屋の利用についてのよくある質問にお答えしていきます。

①質屋の利用や質流れは、個人信用情報に登録されますか?

いいえ、されません。
質屋と個人信用情報機関に関係はないと考えてよいでしょう。

質屋でお金を借りても、返済を行わなかったとしても、個人信用情報に変動はありません。

②任意整理や自己破産の手続き中でも利用できますか?

はい、問題なく利用可能です。

質屋を利用する上で、申込者の返済能力や信用情報は一切問われません。

③スマートフォンを質入れできますか?

スマートフォンの質入れを受け付けている質屋であれば可能です。

ただし、「スマートフォンの査定を行っていない」あるいは「現在契約中のスマートフォンの質入れを受け付けていない」店舗も多いためご注意ください。

④家族に知られず利用できますか?

ご自身の所有物を預け入れる分であれば、問題なく利用できます。
原則として、郵送物などが届くこともありません

ただし家族を含む第三者の所有物を、その人の許可なく質入れすることはできません。

郵送物の有無に関しては、店舗によって異なる場合があります。

⑤高校生や未成年者でも利用できますか?

法律上は親権者の同意があれば利用可能ですが、ほとんどの質屋は未成年者の利用を受け付けていません

あらかじめご了承ください。

まとめ

ポイント
  • 質屋では「価値ある品物」の預け入れを条件に、買取価格の8割程度に相当するお金を借りられる
  • 品物を諦められるのなら返済の義務はない
    そのため申込者の返済能力や信用情報は一切問われず、無審査で借りられる
  • 品物は原則として3ヶ月以内に、「借入額+利息」を現金で支払うことで取り戻すことができる
  • 質屋を利用する際には「本人確認書類」が必要

質屋は無職の人や信用情報に問題がある人でも利用できる、貴重な借入方法です。

「価値のある品物」さえ用意できるのであれば、無担保のローンを利用できないという状況であっても、現金を借りることができるでしょう。

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