
ディーラーのローンよりメリットが多いなら、銀行で借りたいと思うけれど…
結論から言うと、銀行等のマイカーローンとディーラーで組めるローンは一長一短。おすすめの申込み先は、購入車種や乗り換え予定の有無によって変わってきます。
そのため極力低負担で車を購入するためには、それぞれのローンのメリット・デメリットを知ることが必須と言えるでしょう。
そこで今回は、銀行等が取り扱うマイカーローン(自動車ローン)の特性を、各カーディーラーで組めるローンと比較しながらまとめました。
申込み前に知っておきたい、銀行等でマイカーローンを組むデメリット
それでは早速、各カーディーラーで組めるローンに対する「銀行等で組めるマイカーローン」の特性について見ていきましょう。
①低金利で提供されることの多い「残価設定クレジット」は利用不可
もしもあなたが、
- 新車購入を検討中
- 3~5年程度で次の車に乗り換えたい
とお考えであれば、銀行のマイカーローンよりも、各カーディーラーが提供する「残価設定クレジット」(名称は会社ごとにブレがあります)を選んだ方が、好条件での契約を狙えます。
「残価設定クレジット」とは、一定期間(3年または5年が多い)の下取りを前提として、「車の金額と下取り予定額の差額」のみを支払っていく契約のこと。
この方法の利点は、主に
- 全額分ローンを組むより、月当たりの負担が軽い
- 銀行ローンよりも低金利で提供されることも多い
の二点となります。
もしもあなたが「新車を購入するつもりではあるが、5年くらい経ったら買い替えたい」とお考えであれば、銀行よりも各カーディーラーに相談した方が良いでしょう。
★3年~5年の支払いが済んだ後、車を返却せずに「下取り予定額」を支払い、車を正式に入手することも可能です。
ただし「下取り予定額」を再び分割で支払う場合、金利条件は非常に悪くなることが多いです。やはり残価設定クレジットは、「乗り換え」を前提とした契約と言ってよいでしょう。
★中古車ディーラーであっても残価設定クレジットを取り扱っている場合がありますが、
- 「中古車のさらに3~5年後」の下取り額の低さ
- 中古車ディーラーの金利自体が、各銀行に比べ高いことが多い
といった理由から、基本的にはおすすめしかねます。
…とは言え例外的に好条件なローンを取り扱っている可能性も否めませんので、購入検討中のお店が残価設定クレジットを取り扱っているようなら、詳しく話を聞いてみても良いでしょう。
★残価設定クレジットには、満額での下取りに「走行距離が一定数を超えていないこと」「大きな傷などの査定マイナス点がないこと」といった条件が課せられます。
あらかじめご確認の上でお申し込みください。
▲少し古いですが、実際の「残価設定クレジット」見積もりの例(60回払い、ボーナス払い併用)。
1.9%という金利は各銀行ローン(3~4%前後が多い)と比べても好条件ですね。
(詳細公式HP)
②単純に、ディーラーで申込みを行うより手間や時間が掛かる
ある種当たり前のことではありますが……。
自動車購入の手続きと並行して、その場でローンの申し込みを行えるディーラーローンよりも、銀行等のマイカーローンは手間が多いです。
来店なしで組めるマイカーローンも無いわけではありません。
が、特に地元の金融機関(地銀、信金、JAなど)を利用されるのであれば、平日日中の来店を求められることも多いでしょう。
貸付条件と直接の関係はありませんが、この点についてはあらかじめ承諾しておく必要があります。
参考一般的なマイカーローン
契約の流れ
借入可能額、金利などの提示
(ここまで数営業日程度)
※金融機関によっては郵送などで契約可
ここまで2週間~1ヶ月程度
③とは言え残価設定クレジットを利用しないなら、銀行等を使った方が好条件となることが多い
- 新車購入、かつ3~5年後の乗り換えを検討するなら、ディーラーの残価設定クレジットを利用した方が好条件
- 契約がやや面倒
といった難点を持つ、銀行等のマイカーローンですが……。
この2点さえ気にならないのであれば…と言うより残価設定クレジットを利用しないのであれば、低金利で借りやすい銀行などの利用が推奨されます。
と言うのも「残価設定クレジット」を利用しない場合の国産車ディーラーのローン金利は4~6%前後が一般的(中古車はさらに高金利)。
これに対し、例えば全国から来店不要・口座開設不要で申し込める「損保ジャパン日本興亜」のマイカーローン金利は上限2.85%であり、差は明らかと言って良いでしょう。
- 車を5年程度で乗り換えるつもりはない
- 中古車を購入する予定だ
といった状況であれば、ディーラーよりも銀行などのマイカーローンの方が、好条件での借入を見込めます。
★ただし海外のメーカーのローン金利は国産車よりも低めに設定されていることが多いです。
場合によっては各銀行よりも好条件で借りられるため、購入予定の店舗に確認を取っておくことをお勧めします。
各金融機関のマイカーローンはどう選べばいい?
「残価設定クレジット」を使わないのであれば、ディーラーよりも各金融機関のマイカーローンが優先される…とは言え、マイカーローンを取り扱っている金融機関の数は膨大。
「いつも口座を使っている金融機関へ申し込めばよい」と断言できれば良いのですが、金融機関ごとの金利差も大きいため、これも難しいところです。
そんな中、極力簡単にマイカーローンの申込み先を選ぶ流れをまとめると以下のようになるでしょう。
- まずは「普段口座を使っている金融機関」のマイカーローン金利をチェック
- その金利を、好きな口座を使って返済ができる「損保ジャパン日本興亜」のマイカーローン金利(上限2.85%)と見比べ、条件の良い方に申込み
例えばあなたが普段使っているのが「三井住友銀行」であるなら、当該銀行のマイカーローン金利は4.475%(2020年3月現在)。
この場合は「三井住友銀行」口座を使って月々の返済をこなせる、「損保ジャパン日本興亜」を選ぶのがベターです。
一方、あなたのメインバンクが「横浜銀行」であるなら、現在の適用金利は上限2.4%ということで、こちらへの申込みが優先されることでしょう。
その他、各地方別の好条件ローンは以下のページにまとめていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
CHECK3ステップで決定!マイカーローンの選び方&地域別のおすすめ申込み先一覧
★毎月の返済の不便をいとわないのであれば、もちろん「口座を持っていない、近隣の金融機関のマイカーローン」への申込みを検討しても構いません。
特に、
- 千葉銀行
- きらぼし銀行
- 秋田銀行
- 山梨中央銀行
- 京都銀行
- 西京銀行
- 香川銀行
- 肥後銀行
あたりのマイカーローンは近隣の金融機関と比べても好条件であり、新しく口座を開設してでも申込みを行う価値がありそうです(2020年3月現在)。
……とは言え「普段使っていない金融機関の口座から、毎月自動引き落としで返済を行う」ことは言うまでもなく手間ですので、このあたりの判断は人によって分かれることでしょう。
★一部金融機関は「ローン金利」と別に「保証料」を上乗せする場合があります。
一見低金利なローンを見つけた場合であっても、必ず「保証料」の項目をご確認ください。
特にJAの場合、ローン金利と保証料が別々に設定されていることが多いです。
マイカーローンに関するよくある質問と回答
最後に、マイカーローンに関するよくある質問にお答えしていきます。
①マイカーローンの審査は厳しいですか?
金融機関や借入額によって異なるため、一概には言えません。
……とは言えこれまで寄せられたマイカーローンの審査通過報告を見るに、審査通過のためにそこまで高い属性が求められることはないようです。
JAバンク |
→審査通過(180万円) |
---|---|
三条信用金庫 |
→審査通過(193万円) |
常陽銀行 |
→審査通過(95万円) |
足利銀行 |
→審査通過(170万円) |
岩手銀行 |
→審査通過(120万円) |
損保ジャパン日本興亜 |
→審査通過(80万円) |
②自動車本体以外の費用も借りられますか?
「購入した自動車と一緒に請求されるお金」(カーナビ代など)に関しては、どこの金融機関を使っても問題なく借入可能です。
また多くの銀行、信金等のマイカーローンでは
- 車検代
- 整備代
- 運転免許取得費用
等も借入可能ですね。
★「損保ジャパン日本興亜」のマイカーローンは、車検代等のための借入を認めていません。
★その他、「個人間取引禁止」等の制限を設けている金融機関は多いです。
また、どの金融機関であっても、借入の際には「お金の使い道を確認できる書類」(主に見積書)の提示を求められます。
③新車購入時と中古車購入時で、金利は異なりますか?
ほとんどの金融機関のマイカーローンは、新車であっても中古車であっても金利は変わりません(例外が存在する可能性はありますが)。
適用金利は原則として、
- 審査結果
(信用が高いほど低金利) - その金融機関との取引状況
(口座を給与受取に使っているか、等) - 借入額
- エコカーか否か
等によって決まります。
このあたりの詳細は金融機関によって異なりますので、公式HPをご覧頂くのが早いでしょう。
④銀行でマイカーローンを組んだ場合、支払期間中の車の所有権はどうなりますか?
ディーラーと異なり、ローン支払い中の所有権は留保されません。つまり車は完全にあなたのものとなるわけですね。
そのため仮にローン返済が滞っても、車が没収されることは(強制執行沙汰にでもならない限り)ありませんが……。
代わりにあなたの「信用」が担保となることは知っておきたいところ。
延滞期間によっては、督促が届いたり、新たなローンの申し込みができなくなったりする可能性もあります。
参考カードローン・返済の仕組みと滞納後に起きること
※カードローン利用者向けの情報ですが、無担保のマイカーローンにおいても同様です。
⑤銀行であれば、購入車種が決まっていない段階でも審査を受けられると聞きました。
仮審査の過程を設けている金融機関であれば、車種が決まっていない段階であっても、借入可能額や金利を確認可能です。
とは言えすべての金融機関がこれに該当するわけではありません。
例えば「損保ジャパン日本興亜」のマイカーローンは申込みの段階で、車種や借入希望額、返済期間を決定している必要がありますね。
各公式HPを見ても判断しかねるようであれば、直接金融機関に問い合わせを行ってみると良いでしょう。
⑥配偶者や子供のためにマイカーローンを組むことはできますか?
可能です。各金融機関がこれを禁止している場合はその限りでないものの、今のところそういった制限は見たことがありません。
専業主婦や学生さんが自力でマイカーローンを組むことは困難ということを考えると、配偶者や子供のためにマイカーローンを組むことも、十分に選択肢に入るかと思います。
★ただしあなたが契約者となる場合、支払義務を負うのもあなたです。
各銀行等の場合、ディーラーローンのような「専業主婦や学生を契約者とし、連帯保証人を付ける」といった契約には対応していません。ご注意ください。
まとめ
- 銀行等で組めるマイカーローンのデメリットは、主に
- 残価設定クレジットに比べると条件に劣ることが多い
- ディーラーで組めるローンに比べ手間や時間が掛かる
の2つ。
逆に言うと、残価設定クレジットを利用しない(3~5年での乗り換えを検討しない、または中古車購入時)のであれば、銀行等での借入が推奨される - 申込み先は「いつも使っている金融機関のローン」と、「好きな口座で返済できる、損保ジャパン日本興亜のマイカーローン(上限2.85%)」の金利を見比べて決めるのが基本か
新車の購入方法の主流が「残価設定クレジット」となっている今、銀行等のマイカーローンは中古車購入時に選択されることが多い模様。
真っ先に申込み先候補となるのは「いつもの銀行」ですが、その提示金利によっては、「損保ジャパン日本興亜」等、より優秀な他社ローンへの申込みも併せて検討したいところです。
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