「契約したまま何年も放置しているカードローン。
住宅ローンの審査に不利になるかもしれないと聞いたけれど、解約手続きってめんどくさそうだし……。」
確かに金融機関によっては、解約に来店が必要になるなど手間が掛かることもありますが……。
あなたが大手カードローン会社を利用してきたのなら、電話一本で解約を済ませることができますよ。
今回はそんなカードローンの解約について、「実際に他のローンの審査に不利になるのか」といった疑問の解消から、各金融機関ごとの解約方法までを詳しくまとめてみました。
読み終えていただければ、きっと不安なく次の審査に臨むことができますよ!
目次
もう使わないカードローンはできるだけ早く解約すべき!そう言える理由って?
すでに多くのサイトで言われているとおり、使っていないカードローンは解約するのがベター。
特に住宅ローンなど大きなローンの審査を受ける際には重要となりますが……。
ここではその詳しい根拠と、見逃しがちな注意点を解説していきます!
①「いつでも借りられる人」に大きなお金は貸しづらい
個人相手に無担保で融資を行う金融機関は、すべて「個人信用情報機関」というものに加盟しています。
簡単に言うとこれは、あなたのこれまでのローンやクレジットカード、携帯電話の分割払いなど「審査が必要な、あらゆる契約情報とその利用履歴」が保存・共有されている場所。
住宅ローン、自動車ローンといった比較的大きなローンについても、カードローンやクレジットカードのキャッシング枠といった小さなローンについても、利用される個人信用情報機関は共通です。
(厳密に言うと3つの個人信用情報機関が存在しますが、返済延滞などの問題を起こしてない限り、それぞれの違いを意識する必要はさほどありません。)
というわけで、新しいローンやクレジットカードなどの審査に臨む際には必ずこの個人信用情報機関に保存されているあなたの情報、「(個人)信用情報」がチェックされるのですが……。
ここで大きな借金が見つかると、審査は不利になります。
これは「何かあったときに他社への返済を優先されるかもしれない」「他社への返済分を考えると、返済能力が足らず貸し倒れになるかもしれない」といった不安が生まれるから。
あなたも誰かにお金を貸すとしたら、借金だらけの人よりもクリーンな人を選びたいですよね。
ここで気を付けなければならないのが、「大きな利用限度額のカードローン(あるいはキャッシング枠)を契約中」の場合。
今、お金を借りている・いないに関わらず、これは「いつでも大きなお金を借りられますよ」という状況を意味します。これがお金を貸す側の金融機関にとって、大きな不安材料になるのは言うまでもないでしょう。
もちろんカードローンを契約中であっても、すでに他社からお金を借りていても、十分な返済能力さえ認められれば問題なく新しいローンに通過できますが……。
少しでも審査に通る確率を上げたい、というわけで大きな審査の前にはカードローンを解約する方が多いようですね。
この情報は契約先の銀行、もしくは審査を行う「保証会社」が閲覧・確認することとなります。
CHECKよくある質問:「解約すべき大きな限度額」はいくらくらいを指しますか?
②信用情報の掲載にはタイムラグが発生することが多いので注意
それならカードローンを解約した上で大きなローンの審査を受けよう、という前にちょっと待って!
あなたがカードローンを解約すると、信用情報に解約の旨が記載されます。(実際には契約「完了」「完済」などと表記)
この記載があれば契約中の場合に比べ、審査はやや通りやすくなると見込まれますが……。
解約情報が個人信用情報機関に反映されるまでには、ある程度の時間が掛かります。
実際に各金融機関へ問い合わせてみたところ、以下のような回答をもらうことができました。(2017年11月)
★アコムの回答
翌営業日には当社から個人信用情報機関さんのほうへ報告を致しております。
★三井住友銀行
私どもの加盟している個人信用情報機関が3つございます。
日本信用情報機構(JICC)というところですとご解約のお手続きをしていただく曜日によって変わるんですけれども、大体ご解約いただいたお日にちの「翌々営業日」には信用情報機関へ保証会社のほうから報告をしております。
それで、本支店がCICという信用情報機関でございます。ここが1ヶ月ごとのデータ更新となります。
20日ごとに保証会社に届いたデータを、翌日CICという信用情報機関に報告しております。あくまで保証会社に届いた分となりますので、余裕を持ったお日にちが必要になるので、毎月中旬までにはご報告いただければと。
もう一社ありまして、こちらが全国銀行個人信用情報センター(KSC)というものになります。
これは、その月の最終銀行営業日の3時頃までの情報を翌月の10日頃反映しております。
ですからお急ぎですと毎月中旬までにご解約のご検討などしていただければと思います。
あともう一点注意事項なのですが、今私がご案内したサイクルというのが保証会社、もしくは私どもからデータを送るタイミングであって、その後個人信用情報機関がいつ情報を更新するかというところまでは私どもは把握できませんので、その点はご注意をお願いします。
というわけで、借入先や加盟信用機関によってタイムラグにバラつきがある模様。
また、アコムをはじめとする消費者金融は反映がスピーディな傾向にあるようですが、送られてきた情報を個人信用情報機関がいつ反映するかは別問題となります。
(CICの公式HPには2ヶ月ほどのタイムラグが発生することがあるとの表記)
住宅ローンなど、新しい大きなローンを組むために解約手続きを行った場合、解約後しばらく経った後に一度個人信用情報を開示し、情報の反映を確認した上で新しい審査に臨みましょう。
CHECK個人信用情報の開示について
③支払い遅れの履歴があるなら、解約を待った方が良いことも
★以下の項目は、一度もクレジットカードや各種ローンの支払いを延滞したことが無いのなら読む必要はありません。
この項目を飛ばして、「カードローンの借入清算方法」をご覧ください。
——
もしもあなたの個人信用情報に「未払い」(支払い遅れ)の情報が残っているのなら、解約は待った方が良いかもしれません。
個人信用情報機関には「CIC」「JICC」「KSC」の3つが存在し、ほとんどの金融機関が2~3の組織に加盟しています。
そしてこのうちJICCを除く「CIC」「KSC」は1ヶ月ごとの支払履歴を2年分、記録しているのですが……。
実は、カードローンやクレジットカードなどを解約しても、その利用情報は解約後5年間残ります。
そしてここに未払い履歴が残ったまま解約してしまうと、5年の間、信用情報にキズが残ってしまうんです。
「金融ブラック」と呼ばれ、どの審査にも通れない状況となってしまうのが「延滞が61日、もしくは3ヶ月以上」となった場合。
そのため1度の延滞ではブラックとまではいかないものの、審査が不利になってしまうことには変わりありません。
さらに厄介なのが、この支払い遅れ情報には「○○日の延滞で記載」といった明確な基準がなく、契約先(借入先)金融機関の判断で信用情報にキズがついてしまいます。
というわけで、あなたがクレジットカードや各種ローンの支払いを延滞したことがあるのなら、その情報が消える「延滞後24ヶ月」が経つまで、解約は待った方が良いでしょう。
ちなみに、「ローンをただ、延滞なく利用している」状況よりも「未払い履歴がある」方が圧倒的に審査は不利となると思われます。
延滞に思い当たることがある場合には、毎月の支払い情報の残る「CIC」または「KSC」の保存情報を開示してみると良いでしょう。
詳しくは「個人信用情報の開示について」のページをご覧ください。
★1度きり、1・2日程度の延滞であれば信用情報にキズが付くことはほとんどありません。
基本的には1週間以上の延滞者が、個人信用情報機関への記載対象となります。(例外あり)
カードローンの借入がまだ残っている場合の清算方法
解約手続きの方法は、借入先の金融機関によってバラバラ。
インターネットから手続きのできるところもあれば、郵送で長い時間をかけて書類をやり取りしなければいけない金融機関も存在します。
ただしどの契約先にも共通するのは、「借りたお金を返さなければならない」こと。
実はこの「全額返済」がなかなか曲者。というのも、利息は1日ごとに発生するからです。
この利息の支払い方法は、あなたの約定返済(毎月の返済)方法によって変わります。
あなたが利用しているカードローンの、基本の返済方法に応じた項目をご覧ください。
CHECK毎月の返済を「自動引落とし」で行っている場合
CHECK毎月の返済をATMなど「自動引落とし以外」の方法で行っている場合
★借入残高がすでに0円(アコムの場合999円以下)となっている場合、この手続きは必要ありません。
「各社のカードローン解約方法一覧」をご覧ください。
①毎月の返済を「自動引落とし」で行っている場合
毎月の返済を自動引落としで行う場合、一日ごとの利息はあまり気にせず、「ATMなどを使った追加返済で支払えるところまで支払ったら、次の返済日で残債をすべて清算する」のが最も楽です。
例:毎月10日に引き落としが行われる銀行カードローンで、5万円を借りている場合
→10日、借入残高に当月の利息が加わったものが、借入先の銀行から引き落とし
→借入残高は0円となり、解約が可能に
※ATMは硬貨での支払いに対応していないことが多いため。
「返済後の借入残高+当月の利息」が引き落とし額を下回ればOKなものの、計算が難しいのでとりあえず返済できるところまで返済しておくと◎
ただしこの方法を利用する場合、解約を行うためには次の返済日まで待たなければなりません。
「返済日を待たず、今すぐに解約したい」という場合には、「電話で現在の利息額を確認し、指定口座に振込」「窓口で現在の利息額を確認し、その場で現金支払い」といった対処が必要になりますが……。
金融機関により対応している一括返済方法は異なりますし、そもそも引き落とし以外の利息返済方法が存在しない銀行は少なくありません。(とくに地方銀行)
自動引落としで返済を行っており、引き落とし日前に全額返済をしたいと言う場合には各銀行への問い合わせはほぼ必須となることでしょう。ただし可能とは限りません。
②毎月の返済をATMなど「自動引落とし以外」の方法で行っている場合
多くの消費者金融や一部の銀行など、毎月の返済を「ATM入金」「インターネットバンキングからの振込」など、自動引落とし以外で行っているのなら……。
こちらはほぼ確実に、電話で現在の利息額を確認、指定口座に振り込みなどを行うことで借り入れの清算が可能です。
また、プロミスや三菱UFJ銀行「バンクイック」など、一部のカードローンはインターネット会員サービスなどを通して利息を含むリアルタイム残高を確認可能。
その場合、とくに電話などを掛ける必要はなく、インターネットを通し全額返済を済ませれば解約手続きを取ることができます。
<アコムは例外的に「借入残高999円以下」にできれば解約可>
ほとんどの金融機関は、借入残高がなくならなければ解約手続きを取ることができませんが……。
例外的にアコムは、借入残高が999円以下となれば解約が可能となります。(アコムへの問い合わせにより確認済み)
これにより、アコムの清算はいちいち利息を確認しなくても、硬貨非対応のATMで支払えるだけのお金を支払えばそれでOK。
アコムは自動契約機「むじんくん」で解約手続きを取れることもあり、店舗内のATMで支払い→そのまま隣の「むじんくん」で解約、といったスムーズな行動が可能です。
各社のカードローン解約方法・利息清算方法一覧
各社の公式HPや問い合わせの結果をもとに、カードローンの全額返済方法と解約方法をまとめてみました。
CHECK消費者金融会社での解約方法
CHECK都市銀行・インターネット銀行での解約方法
CHECK主な地方銀行での解約方法
CHECKクレジットカードのキャッシング枠に関する取扱いについて
①消費者金融会社
消費者金融会社の解約方法は、以下のようになります。
★主な消費者金融会社の解約方法
根拠 | 清算方法 | 解約方法 | |
---|---|---|---|
アコム | 公式HP | すべての返済方法 | 電話(0120-629-215) もしくは無人契約機(むじんくん)、有人店舗窓口での手続き |
プロミス | 公式HP | インターネット返済、 もしくは電話で支払い額を確認後、振込 | 電話(0120-24-0365) 有人店舗窓口(サービスプラザ) |
アイフル | 公式HP | 電話で支払い額を確認後、振込 | 電話(0570-000-417) |
SMBCモビット | 公式HP | 電話で支払い額を確認後、振込 | 電話(0120-24-7217) |
ライフティ | 公式HP | 電話で支払い額を確認後、振込 | 電話(0570-200-206) |
消費者金融会社の場合、基本的に解約は電話一本で完了します。
(年会費無料で継続できますが、よろしいですか?と軽く引き止められることは多々あるようですが……。)
とくにカードを郵送して返したり、といった手間も必要ありません。
②都市銀行・インターネット銀行
こちらは都市銀行・インターネット銀行といった全国から申し込みのできる銀行カードローンの解約方法となります。
★都市銀行・インターネット銀行などのカードローン解約方法
根拠 | 清算方法 | 解約方法 | |
---|---|---|---|
三井住友銀行 | 問い合わせ | 窓口で清算 もしくは電話で支払い額を確認後、振込 | 三井住友銀行への来店 その他、電話で相談 |
みずほ銀行 | 公式HP | 窓口で清算 | みずほ銀行窓口への来店 (本人確認書類、取引印鑑、ローンカード持参のこと) ★インターネット支店口座の場合は電話で手続き |
三菱UFJ銀行「バンクイック」 | 公式HP | 電話またはインターネット会員サービスで支払額を確認後、ATM支払いまたは振込 | 電話(0120-76-5919) |
りそな銀行 | 公式HP | 窓口で清算 もしくは電話で支払い額を確認後、振込 | お取引店窓口への来店 お急ぎであれば電話も可(0120-01-7820) |
楽天銀行 | 公式HP | 電話またはインターネット会員サービスで支払額を確認後、振込 | 電話(0120-730-115) |
イオン銀行 | 問い合わせ | 電話で支払い額を確認後、振込 | |
ソニー銀行 | 公式HP | インターネット会員サービスから返済 | インターネット会員サービス (商品一覧→カードローン→解約) |
オリックス銀行 | 問い合わせ | インターネット会員サービスで支払額を確認後、一部ATMでの支払いまたは銀行振込 |
電話の必要なく、インターネットで全額返済・解約手続きのできるソニー銀行は、最も解約しやすいカードローンだと言えそうです。
③地方銀行
特に利用者の多い、大手地方銀行(第二地方銀行)の返済方法をまとめました。
★大手地方銀行のカードローン解約方法
根拠 | 清算方法 | 解約方法 | |
---|---|---|---|
北洋銀行 | 問い合わせ | 電話で支払い額を確認後、振込 | 電話(0120-608-599) |
横浜銀行 | 公式HP | 窓口もしくは横浜銀行ATMでの支払い | 横浜銀行窓口への来店 |
千葉銀行 | 問い合わせ | 取引支店窓口へ相談 | |
静岡銀行 | 公式HP | 約定返済日(10日)のみATMで全額返済可 | インターネットバンキングから資料請求後、郵送で手続き (詳細公式HP) |
京都銀行 | 問い合わせ | ||
福岡銀行 | 問い合わせ |
地方銀行の解約方法・一括返済方法は公式HPに載っていないことがほとんど。
ここに掲載されていない地方銀行カードローンを解約したい場合には、まずはその方法を電話で聞いてみると良いでしょう。
(ローンカードの裏面などに問い合わせ窓口が記載されています。)
<クレジットカードのキャッシング枠はどうなる?>
クレジットカードのキャッシング枠は、法律上の扱いは消費者金融(アコムなど)のローンと変わりありませんが……。
クレジットカードへ申し込むと勝手にキャッシング枠が付くことも多々あり、積極的な申し込みが必要なカードローンに比べると「ここ2年間、一切利用していないのなら」新しい審査で不利になりにくいようにも思えます。
とは言え100%マイナスポイントにならないとは断言できませんので、万全を期すのであれば利用中のクレジットカード会社へ電話し、キャッシング枠をゼロ円にしてもらうと良いでしょう。
こちらもカード裏面に記載の電話番号から手続きが可能です。(特に郵送物をやり取りする必要などはありません。)
カードローンの解約に関するよくある質問と回答
最後に、カードローンの解約についてよくある質問にお答えしていきます!
①住宅ローンの審査前に「解約すべき大きな限度額」はいくらくらいを指しますか?
審査を受ける金融機関や、あなたの収入によるとしか言えません。
比較的柔軟な審査を行っている地銀や信金などであれば、ある程度借り入れがあっても審査に通過できることは多々あります。(条件として、金利が引き上げられることも考えられますが)
ただ、確実に言えることは他社での借金はないに越したことはありませんから、少しでも審査が不安であればカードローンを解約すべきということ。
特に低金利のインターネットやメガバンク系を狙うのなら、不安要素はできるだけ排除しておきましょう。
ちなみに、現在「フラット35」では年収に対する総返済負担率は以下のように設定されていますので参考にしてみてください。
②カードローンの解約後、信用情報を開示したところ反映されていないように思えるのですが……。
以下の赤く示した場所に、「完了」または「完済」の文字を確かめてみてください。
強制解約でもない限り、「解約」の記載は見られません。
CIC
JICC
KSC(全国銀行個人信用情報センター)
(画像は各公式HPより)
記載がみられない場合には、タイムラグが発生しているか金融機関による記載漏れの可能性があります。
解約先に確認を取ってみるのも良いでしょう。
③解約証明書、完済証明書って何ですか?
電話で解約を行う際、「解約証明書の発行は必要ですか?」などと尋ねられることがあります。
結論から言うと、ピンと来ないのなら不要です。
基本的にはおまとめローンの利用時や、家族に借金がバレてトラブルが起きた……といった場合に利用される書類となります。
★その他、住宅ローンの審査を受けた際に「カードローンを解約できたらOK」という結果が出た場合、完済証明書の提出を求められることがあります。
まとめ
★住宅ローンをはじめとする大きなローンを組む前には、カードローンは解約しておくと安心(必ずしも審査落ちの原因になるわけではない)
★ただし実際の解約~信用情報の反映までには最長2ヶ月ほどのタイムラグが発生するため、情報の反映を待って申し込みを行いたいところ
★残高清算方法・解約方法は借入先によってバラバラ。電話一本で解約できる会社もあれば来店が必須になる銀行もある
少しでも新しい審査に不安があるのなら、タイムラグを見越してできるだけ早い段階でカードローンを解約しておきたいところ。
このページに掲載されていない場所からお金を借りている場合には、支店窓口やコールセンターへ相談をしてみましょう。
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