銀行消費者ローンの需要は減少傾向?カードローンの融資自粛の行き着く先

日本銀行が2018年4月20日に発表した「主要銀行貸し出し動向アンケート」。
このアンケート自体は3ヶ月に1回、定期的に公表されているものなのですが……。
今回の発表では実に6年3ヶ月ぶり「消費者ローンの需要が低下している」という判断がなされました。
ポイントは「銀行が貸し付けを渋ろうとしている」わけではなく、「ローンの需要自体が減っている」という点です。

今回はこの発表を受け、さまざまなデータを参考に、現在そして今後の銀行ローンの動向を推測してみました。

参考日本銀行公式HP「主要銀行貸出動向アンケート調査<2018/4月>」(PDF)

銀行消費者ローンの需要低下はなぜ?各方面から見る銀行ローンの現在

まずは今回の日銀発表の概要と、そこから分かる銀行ローンの現在について見ていきましょう。

★調査の概要

  • アンケート対象となったのは、日銀と取引のある銀行のうち貸出残高上位50行。おそらくは事業融資も積極的に行う、都市銀行と上位地方銀行が独占か
  • 消費者ローンとは一般に「無担保ローン」のこと。カードローン以外にも自動車ローンや多目的ローンも含まれる

①減ったのは「融資額」ではなく「融資の需要」

日銀が貸付残高上位50行に対して行った、今回のアンケート調査。
その中で実に6年3ヶ月ぶりにマイナスを記録したのが、「個人向け消費者ローンの、資金需要判断」です。

▲日銀発表より

この資金需要判断(D.I=diffusion index)とは簡単に言うと、「各銀行に過去3ヶ月の間、需要が増えたか減ったか尋ね、その結果の平均」を出したもの。答えがプラスなほど「需要が増えた」、マイナスなほど「需要が減った」と判断されているわけですね。
右手の表を見て分かる通り、今回は過去3ヶ月以内で「需要が増えた」と感じている銀行に対し、「需要が減った」と考えている銀行が2倍に上ることが分かりました。

そして以下のグラフをご覧の通り、消費者ローンに関する資金需要判断がマイナスの値となっているのは2012年以来はじめて。
特に2017年のある時を境に、銀行消費者ローンの需要は落ち続けていることが分かります。

おそらく銀行取り扱いのローンの中でも、リフォームローンや自動車ローンといった目的ローンの需要が短時間で大きく変わることは無いかと思います。
そのため、需要を大きく上下させているのはカードローンあるいはフリーローンだと考えられますが……。
そうなると2017年の前半から需要が落ち続けている点については、思い当たる理由があります。

それは2017年3月の、全国銀行協会による「申し合わせ」発表。
この「申し合わせ」の内容を簡単に言うと、「銀行は個人にカードローンを貸しすぎるな。また、簡単に借りられるような宣伝もするな」というものとなります。
参考銀行による消費者向け貸付けに係る申し合わせ<PDF>)

この「申し合わせ」が出たのは、銀行カードローンによる「貸しすぎ」が各方面で取り沙汰されていたため。反対に言うと、この頃まで銀行カードローンで「借りすぎる」ことはさほど難しくなかったということです。

そういうわけで2017年3月頃から銀行カードローン、特に監査を受けやすい都市銀行や大手地方銀行のカードローンで大きなお金を借りることは難しくなりました
分かりやすいところでは、みずほ銀行が融資上限額を「年収の2分の1まで」から「年収の3分の1まで」に引き下げましたね。

以上の理由により、どうしても「借りすぎたい」人にとっては銀行カードローンは利用しづらいものに。
結果として、需要も落ち込んできたのだろうと考えられます。

②ただし銀行に貸し付けの意志が全く無いわけではない

銀行カードローン関連の「申し合わせ」を境に、明らかに需要の減っている銀行消費者ローン。
とは言え銀行に貸し付けの意志が無いのか、というとそういうわけでもないようです。

以下は「今後の貸付スタンス」、つまり貸付意欲についてのアンケート結果。
特に高い数字というわけではありませんが、「やや慎重化」を選んだ銀行よりは「積極化」「やや積極化」を選んだ銀行の方が多いことが分かります。

こちらは消費者ローン以外の、住宅ローンなどの融資も含むデータとなるため、一概には言えないものの……。
マイナス金利政策の中、銀行の運営のためには比較的高金利なローン事業の比重がとても大きくなってきます。

ここまで分かったことをまとめると、
「大きなお金を借りにくくなったころから需要は減ってきているものの、それは銀行の意に反する」というのが一般的な見方でしょうか。
一人の人に大きなお金を貸すことが難しくなった以上、銀行にとって重要なのは新規開拓で、今後ますますカードローンの審査難易度は落ちてくるかもしれませんね。


▲2016年頃から落ち続けてきた「貸出運営スタンス」が、今回の「見通し」時点から上向きになっていることが分かります。

銀行消費者ローンから離れたユーザーはどこへ行った?

さて、上述の通り銀行消費者ローンの需要は減少傾向にあるわけですが……。
消費者ローンの需要自体が、「申し合わせ」のせいで大幅に減るとも思えません。
ここからは消費者ローンの需要が一定であることを仮定した上で、銀行消費者ローンから離れたユーザーはどこへ行ったのか予測していきます。

①受け入れ先は貸金業者……ではなさそう

「銀行消費者ローンの需要を上下するのはカードローン・フリーローンで、その需要が今減ってきている」ことを前提とすると、ローン利用者が流れ着く先はアコムプロミスといった消費者金融会社であるように思われます。
が、貸金業協会の発表データを見てみると、消費者金融会社の貸付残高は微増に留まっており、クレジットカード会社に至っては減少しています。
銀行カードローンのユーザーが、消費者金融会社やクレジットカード会社に流れたとは考えにくいと言って良いでしょう。

★業種別・住宅向けを除く無担保貸付残高総額

2017年7月
(参考:貸金業協会発表
2018年1月
(参考:貸金業協会発表
消費者金融会社 2兆3306億8000万円 2兆3467億4980万円
+0.69%
クレジット業態等 1兆7277億8500万円 1億7202億2680万円
ー0.44%
参考:全銀協加盟銀行 4兆3523億円 4兆4132億円
+1.34%

とは言え銀行カードローンの申し合わせで需要減少=大きなお金を借りにくいほど需要が減る銀行カードローン業界において、総量規制に縛られる貸金業者へ流れる人が少ないのは、ある種当然と言えますね。

②調査対象の50行以外の動向が気になるところ:流れ着く先はネット銀行か

個人的に気になっているのが、各インターネット銀行の動向。

というのも、今回のアンケート調査の対象は「融資残高トップ50」の銀行に過ぎず、企業向けに大口の融資を行わないインターネット銀行各社はまず含まれていないと考えられるんですね。
一方で、個人向けの消費者ローンについてインターネット銀行勢力を無視することはできません。実際にこのサイトでも、みずほ銀行を抑えて楽天銀行が申込件数トップとなっているようです。(2018年3月)

CHECK銀行カードローン人気ランキング

さらにインターネット銀行は全国銀行協会の正規会員でないためか、「申し合わせ」の影響も都市銀行や地方銀行ほど大きくありません。
実際、2018年現在になっても「年収の半分程度の限度額を貰えた」という報告は珍しくないんですね。

申し合わせによる融資自粛により需要が減ったのなら、その影響を受けていない金融機関に人気が集まるのは当然です。
消費者金融の貸付残高がさほど増えていないことから見ても、「都市銀行や大手地銀の利用者は、大きなお金を借りやすいインターネット銀行に流れている」と見るのが自然かと思います。

CHECK利用者データ700件から見る、各カードローンの借入額と大きな限度額をもらえやすい会社

まとめ

★日銀調査では、融資額トップ50の銀行のうち「消費者ローンの需要が減っている」と答えた銀行が、「需要が増えている」と答えた銀行の2倍に上った。
需要を示す指数は銀行カードローンの「申し合わせ」を機に減少し続けており、「大きなお金を借りにくくなった」ことが需要減少に直結していると考えられる
★都市銀行や大手地銀で大きなお金を借りることは難しくなったものの、銀行に融資の意欲が無いわけではないので、新規顧客開拓のために審査難易度が落ちていく可能性も
★カードローンの総需要自体が変わっていないと仮定するなら、ユーザーの行き着く先は「申し合わせ」の影響を受けにくい「インターネット銀行」各社と予測される

銀行カードローンの利用者にとって、「大きなお金を借りられるかどうか」は非常に重視されている模様。
「申し合わせ」の影響が及ぶ限り、都市銀行や大手地方銀行の需要はますますインターネット銀行などに流れていきそうです。

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