【国の借金を簡単解説】生活へ及ぶ影響と日本が潰れない理由

【国の借金を簡単解説】生活へ及ぶ影響と日本が潰れない理由

「ニュースなんかでよく耳にする<国の借金>
借りた覚えもないのに、一人当たり約850万円の借金を背負わされているなんて!」

そう考える前に、ちょっと待って!
確かに2017年11月10日付け日本経済新聞が発表した「国の借金」残高は約1100兆円。これは国民一人当たり約852万円の借入に相応する上、GDP(国内総生産)あたりの借金額も世界第一位となってしまっていますが……。
「いよいよ日本が破綻しそう!」という実感を持っている人はほとんどいないことでしょう。

これは少なくとも今現在、日本が破綻することは考えられないため。
ですが、こんなに借金が大きいのに「破綻しない」と言えるのはなぜなのでしょうか?

今回は「国の借金」に関して、専門の知識の要らないライトな読み物としてまとめてみました。
読み終えていただければ、「国の借金」について正しい知識を身に着けることができますよ!

日本が破綻することは100%ない?そう言える理由とは

日本が破綻することは100%ない?そう言える理由とは

日本が破綻することは、今のところないと言って良いでしょう。
そう断言できる理由とは、一体何なのでしょうか?

①日本には「破綻させない」秘策がある?

いわゆる「国の借金」の大半は「国債」という、「個人や金融機関(銀行など)からの借金」で成り立っているのですが……。
日本の場合、この国債はすべて「円」という単位で取引されています。
そのため極論を言うと、仮に返済不能になっても国内でお札を刷って「円」を増やしてしまえば、それで借金は清算できるんですね。

もちろんこの場合、突然1000兆円以上の「円」が増えるため、経済は大混乱を起こします。
そのため、決して現実的とは言えないものの……。
実際に国が破綻するとすれば、さらに問題は大きなものとなります。
(インフレに加え失業者の急増、IMF<国際通貨基金>から借りた一時金の返済による急な増税・国家福祉の大幅削減など)

というわけで、「本当にヤバい」という事態になったとしても、日本が破綻する必要はないんですね。
ちなみに、数年前に財政破綻したギリシャの通過はEU共通の「ユーロ」であったため、自国で刷ることはできませんでした。

②「国債の格」はそこまで高くはないものの、「破綻はほぼない」と評価されている

破綻する可能性はほぼゼロ、とは言っても、借金返済のために多くの「円」を刷ることになれば経済は大打撃を受けます。
例えば、同じ金属であっても鉄と金ではまったく値段が違いますよね。色々な要因はありますが、最も大きな理由は「金の方が希少だから」です。
同様に、1万円札が一度に1000億枚(1000兆円相当)も増えてしまうと、1万円札1枚あたりの価値は大きく減ってしまい、言うまでもなく日本国民は大混乱に陥ってしまうのですが……。
今すぐに、このような事態が起こる気配は感じられませんよね。

これは単純に、日本の財政が大混乱を起こすほどのダメージを受けてはいないから。
決して「健全」「他国より安心」と言えるわけではありませんが、だからといって今すぐピンチに陥るほど危ういわけでもないんです。

実際、国債(国々が発行する借金)の世界格付けにおいても、日本は以下のような評価を得ています。

★3機関による日本国債の評価

S&P A+
当該金融債務を履行する債務者の能力は高いが、上位 2 つの格付けに比べ、事業環境や経済状 況の悪化の影響をやや受けやすい。
フィッチ A:高い信用力
デフォルト・リスクが低いと予想していることを示す。金銭債務の履行能力は高いと想定さ れるが、経営又は経済環境の悪化がこの能力に及ぼす影響は、上位格付の場合より大きくなり得る。
ムーディーズ A1
中級の上位と判断され、信用リスクが低い債務に対する格付。
(2017年11月現在:解説は各公式HPより引用)

手放しに褒められているわけではないものの、少なくともデフォルト(借りたお金を返せなくなる)の可能性はほぼないと見られているようですね。

先進国の中では残念ながら低めのランクとなっていますが……。
各機関から高い評価を得ているスイスやスウェーデン、ドイツなどの欧州諸国はどこも日本に比べ、非常に税率が高く設定されています。(詳しくは後述)
日本の税率の低さに照らし合わせてみると、この結果はさほど悪いものではないでしょう。

ちなみに、日本と近い評価を受けているのがアイルランド。
この国は一時財政危機に陥ったもののEUの援助を受けて財政再建を果たし、3年続けてヨーロッパナンバーワンの経済成長率を示しています。

……とは言え、借金が大きいことが決して良いことだというわけではありません。

なぜ日本の借金は増え続けているの?

なぜ日本の借金は増え続けているの?

今すぐにこの国が破綻することは考えにくいものの、借金が増え続けていることは確か。
その原因とは、一体何なのでしょうか?

①収入が国債頼りになってしまったのはなぜ?

現在、日本の収入の3分の1は国債、つまり借金で賄われています。

財務省公式HPパンフレットより:なぜ財政は悪化したのか
財務省公式HPパンフレットより:1990年度から2017年度の公債金

財務省公式HPパンフレット(PDF)より

国債は、「お金を使わなければならないのに足りない」場合に発行される国の借金。
現在国債費が増え続けているのは「借りたお金を返すために、新しいお金を借りているから」というのが最も大きな理由です。
ちなみに国債が増え始めたきっかけはバブル崩壊で、「景気が悪化し失業者が増え、税収が減ったにもかかわらず広い層への保障が必要になった」から、というのが有力。というわけで、「国の借金」の歴史自体は浅いんですね。
(第二次世界大戦の賠償金などもありましたが、それまでの経済発展に伴いバブル期までにほとんど返済できているようです。)

ただし、国家の歳出として増えるのが国債費の利子分だけであれば、これほど「国の借金」が急速に膨らむことはありませんし、今ほど国債を発行する必要もありません。
重要となるのが、国債と同じく急増している「社会保障費」となります。

②歳出の増えている最も大きな原因が「少子高齢化」

2014年に消費税が引き上げられたことは記憶に新しいですよね。
「消費税が5%から8%に上がったんだから、借金が減っても良いはずなのに……。」と思ってしまいますが、財務省の公式HPにその答えがありました。

財務省公式HPパンフレットより:はじめに
財務省公式HPパンフレット(PDF)より

結論から言うと、消費税によって増えたはずの歳入はすべて社会保障に充てられており、それでもなお賄いきれていないのが現状です。

ここでいう社会保障費とは、「年金」「医療費」「介護関連費用」など。
子育てに関する負担も含まれますが、これは社会保障費の中でほんのわずかに過ぎないようですね。

財務省公式HPより:国の負担額
▲財務省公式HPより

日本の財政が悪化した最も大きな原因は、

  • 少子化による働き手=税金の納め手の減少
  • 高齢化による社会保障費(年金、医療費など)負担の急増
  • の併発にあります。

    ものすごく簡単にまとめてしまうと、日本の問題は「税金のわりに還元先(主に高齢者)が多すぎて、赤字を起こしている」ことにあるわけですね。

    国の借金を減らすためにはどうすれば良い?

    国の借金を減らすためにはどうすれば良い?

    それでは、この国の借金を減らしていくためにはどのような方法があるのでしょうか?

    ①「借金の少ない国」を見ていくと、日本が真似をするのは難しそう……。

    GDPに対する国債の割合が最も高い日本。それでは逆に、借金の少ない国はどのような政策を取っているのでしょうか?

    最もGDPに対する国債の割合が低いのは「マカオ」ですが……。
    面積は東京都板橋区よりやや小さいくらい、人口は約64万人(島根県や千葉県船橋市と同じ程度)ながら都市のみが存在しギャンブルや観光で潤沢な収入を得ているこの行政区を、日本が真似することは不可能でしょう。
    同様の理由で、借金の少ない香港もあまり参考にはできません。

    その他、GDPに対する国債が少ないのは「アフガニスタン」「ブルネイ」「ウズベキスタン」などが挙げられますが……。
    こちらは有数の石油や金の産出国となり、資源の少ない日本にはどうすることもできません。

    ②結局方法は「支出を減らす」か「収入を増やす」しかない

    それではいわゆる「先進国」の財政事情はどうなっているのでしょうか?
    実はある程度、社会保障などの発達している国は借金を抱えているのが当たり前となっています。
    財務省公式HPに掲載されている、「GDPに対する債務残高(借金額)」の比較を見てみましょう。

    財務省公式HPより:「GDPに対する債務残高(借金額)」
    ▲財務省公式HPより

    最もGDPに対する借金の少ないドイツであっても、日本の3分の1程度の借り入れを行っているようですね。
    資源のない、多くの人口を抱える、他国とのかかわりの強い先進国ほどやむを得ない出費は増えますので、借金をすることが一概に悪いこととは言えません。

    ただし重要なことは、ドイツはこの中で唯一財政黒字を達成していること。
    実際にドイツの歳入を表すグラフを見てみても、国債での収入は「その他」扱いと非常に小さくなっています。

    日本の歳入内訳(2016年) ドイツの歳入内訳(2012年)

    財務省公式HPより:一般会計歳入総額
    財務省公式HPより

    財務省公式HPより:歳入合計額
    財務省公式HP(PDF)より
    (ドイツの歳入に関する新しい日本語データが見つからなかったため、やや古いデータとなっています。)

    日本に比べ、非常に健全な財政運営を進めているドイツ。
    そんなドイツの、上のグラフよりはやや新しい2014年のデータが見つかったため、見てみましょう。
    こちらはOECD(経済協力開発機構)の公式発表によるもので、日本を含むOECD加盟国における税収のGDP比を見ることができます。

    OECD公式発表より。こちらはドイツの税収に関する記事ですが、日本の税収は平均をわずかに下回っています
    OECD公式発表(PDF:英語)より。こちらはドイツの税収に関する記事ですが、日本の税収は平均をわずかに下回っています。

    そして同発表には、ドイツの税収の内訳を見ることができます。
    実際に、日本の財務省の発表によるものと比べて見ましょう。

    ★ドイツと日本の税制比較(円換算)

    ドイツ(2014) 日本(2016)
    所得税 総額 44.21兆円 17.92兆円
    国民一人あたり 54.59万円 14.11万円
    法人税 総額 (6.77兆円)
    ※所得税に含まれる
    12.36兆円
    国民一人あたり (8.27万円)
    ※所得税に含まれる
    9.73万円
    消費税 総額 39.36兆円 17.14兆円
    国民一人あたり 48.60万円 13.50万円
    社会保障費 総額 54.21兆円 相応制度なし
    国民一人あたり 66.94万円
    固定資産税 総額 3.74兆円 (その他の税に含まれる)
    国民一人あたり 4.61万円
    その他の税 総額 0.63兆円 10.22兆円
    国民一人あたり 0.77万円 8.05万円
    総額(1年あたり) 総額 142.17兆円 97.4兆円
    国民一人あたり 175.56万円 86.73万円
    ※本当は同じ年度で比べた方が良いのですが、日本は2015年に消費税増税を行っているため最近の資料を採用しました。
    ※ユーロは2017年11月17日のレートで日本円に換算しています。
    ※ドイツ人口(2014年)は8098万人、日本人口(2016年)は1億2693万人として計算しています。

    あえて説明するまでもないでしょう。ドイツは日本より人口が少ないにもかかわらず税収が高く、国民一人あたりの年間支払い税額は2倍以上となっています。
    これが個人にとって良いか悪いかは置いておくとして、特筆すべき資源のない先進国が健全に財政運営を進めるためにはこれくらいの税収が求められるのかもしれませんね。

    またドイツの歳入のうち、目立つのが「社会保障費」の項目。
    名前の通り社会保障に充てられる税金で給与から差し引かれるものですが、日本はドイツより消費税が低いにもかかわらず社会保障費をすべて消費税からまかなっています。
    となると、税収が足りないのは当然ですね。

    結局、国家においても借金を減らす方法は「収入を増やす」「支出を減らす」しかありません。ただし、今後さらに少子高齢化が進むと支出を減らすことはますます困難となります。
    国家の借金を減らそうとするのなら、増税または福祉サービス内容の低下は避けられないでしょう。

    ただし、政府がいっきに増税(または福祉サービス内容の低下)を行うと国民の反感を買います。また、雇用問題なども大きい中で負担を増やすことは非常にリスキー。
    現在の状況を簡単に言うと、「消費税増税・年金支給年齢の引き上げなどによりじわじわ財政健全化に努めているものの、少子高齢化や国債の利息による支出の増加に追いつけていない」といったところでしょうか。

    冒頭でお伝えしたように、日本が今すぐに破綻することはありません。ただし、このペースで借金が増え続けていけばどこかでガタが来ることは間違いないはず。
    それを防ぐためにはどうやっても財政の立て直しが必要ですし、そのために国民の理解は欠かせないこととなるでしょう。

    まとめ

    まとめ

    ★日本は世界一の借金大国でありながら、今のところデフォルト(支払い不能)に陥る可能性はほとんどないと世界からも評価されている。
    その理由は主に「日本政府が、国内から、<円>という単位で」お金を借りているから
    ★赤字が大きい理由は「国債に金利が付いているから」「少子高齢化により必要な社会保障費が増えているから」に加え、「税金が低いから」というのも大きい。つまり、税金に対して国のサービスが厚すぎる

    破綻の危険は今のところ近くはないとは言え、日本の借金問題は非常に深刻。
    「収入を増やすか、支出を減らすかすればよい」とは言っても国民の理解を得ることは難しいですし、災害などの緊急事態が起こればそれどころではなくなってしまいます。

    そんな中で私たちは日本がいつ増税したり社会保障制度を削減しても良いよう、心の(あるいは経済的な)準備をしておきたいものですね。

    ★このページはとくに政治的な意図をもって作成されたものではありません。


    

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