「クレジットカードのキャッシング枠ももう一杯なのに、またお金が必要になってしまった。
気になるのは以前繁華街で見た、<クレジットカード現金化>の看板だけれど…」
クレジットカードのショッピング枠を使い現金を得る、いわゆる「現金化」。フリマアプリ「メルカリ」での現金出品騒動を記憶されている方も多いことでしょう。
「少し手数料を支払ってでも、今すぐ現金を作りたい」という需要はそれだけ高く、実際に現在も多くの「現金化」業者が存在しています。
……が、知っての通りこの手続きはどこででも、堂々と行えるようなものではありません。
今回はそんな「クレジットカードの現金化」について、
- 法律
- カード会社とその利用規約
- 現金化業者
- 実際にお金を必要とする利用者
というそれぞれの立場から、利点と欠点を多角的にまとめました。
目次
「クレジットカード現金化」って何?これを必要としているのはどんな人?
「クレジットカードの現金化」とは、一般に以下のような手続きを取る取引を言います。
- 業者(店舗型とネット型がある)に現金化の申し込み
- 業者が指定する商品(ブランド品、ギフト券など)を、クレジットカードのショッピング枠を使い購入
- あなたが購入した商品を、さらに業者が手数料分を差し引いて購入
- あなたの手元には手数料分を差し引かれた現金だけが残る
言うまでもなく手数料分は完全に損をしてしまうわけですから、こういったサービスを使うのは「よほど現金が必要な、切羽詰まった状況にある」方。
この点だけを見ても、何となく後ろ暗いところのあるサービスだと察せることだろうと思います。
それぞれの視点から見る「クレジットカード現金化」
クレジットカードの現金化について調べてみると、ヒットするのは
- これを完全に否定する、カード会社や省庁などの公式サイト
- 現金化の安全性や利便性をうたう、現金化業者やその提携サイト
といった極端な内容のものが多いです。
そこでここでは、「カード会社とも現金化業者とも直接のかかわりが無い」という立場を活かし、各視点から見た「クレジットカード現金化」の実態についてお話しさせて頂きましょう。
①【法律】の上で、クレジットカードの現金化は違法でない
まず大前提として、クレジットカードの現金化を禁じる法律は存在しません。
これは考えてみれば当たり前の話で……。
例えば「恋人にプレゼントを買ったが、贈る前に破局してしまったので、プレゼントは売却した」という場合、手続きのプロセスは現金化と何も変わりありません。
が、この方を取り締まるわけにはいきませんよね。
よって、少なくともクレジットカードの現金化を利用したことだけが理由で、罪に問われることはありません。
ただし現金化業者が「実質的な闇金」として逮捕された例は存在します。
また東京弁護士会は、現金化業者の取り締まりを求める意見書を2011年に提出済みです。
「現金化自体は違法ではないが、現金化業者が健全だというわけではない」と考えて頂いて差し支えは無いでしょう。
②【カード会社】はどこも、現金化を完全に禁止している
法律の上で禁じられているわけではない「クレジットカードの現金化」ですが……。
クレジットカードを提供する各社は、その利用規約上で「現金化」を完全に禁止しています。
会員は、現行紙幣・貨幣の購入、または、現金化を目的として商品・サービスの購入などにカードのショッピング枠を使用してはならず、また違法な取引に使用してはなりません。
両社は、会員が次のいずれかに該当した場合、その他両社において会員として不適格と認めた場合は、通知・催告等をせずに会員資格を取り消すことができるものとします。
(中略)
(4)現金化を目的とした商品購入の疑い等、会員のカードの利用状況が不適当、もしくは不審があると両社が判断した場合
要はクレジットカードの現金化を利用により「逮捕されることはないものの、カード会社から罰則を受ける可能性はある」ということですね。
すべてのカード会社の規約を確認できたわけではありませんが、現金化を禁じていないカード会社は無いと考えてしまって良いでしょう。
③【利用者】から見れば、すぐにお金を手に入れられる魅力的なサービスであるのは確か
さて、そういうわけで決して正々堂々と使えるわけではない「クレジットカードの現金化」なのですが……。
利用者側の視点から見れば、
- ショッピング枠さえ残っていれば無審査で使える
- 業者や申込みの時間帯によっては最短5分といったスピードで現金を手に入れられる
- カード会社にバレなければ、手数料を失う以上のデメリットが無い
といった意味で、唯一無二のサービスであることも確かです。これだけ多くの現金化業者が存在することも、需要を考えれば当然と言えるでしょう。
カード会社の利用規約を考えると、決して大々的におすすめできるようなサービスではありませんが……。
「現金化のおかげで助かった」という方の存在は想像に難くないのが実際のところです。
違法行為でなくても…。「クレジットカード現金化」に手を出すことで発生し得るデメリット
クレジットカードの現金化がこれだけ普及しているのには、それ相応の理由があります。
……が、やはり大手を振って使えるサービスでない分、メリットと同じくらいの、あるいはそれ以上に重いデメリットの存在は知っておかねばなりません。
①怪しい動きが察知されるとクレジットカード会社からカードを止められる可能性あり
クレジットカードの現金化に伴うトラブルとして、最も分かりやすいのは「カード会社に現金化が知られてしまう」というものでしょう。
意外とカード会社は各利用者の利用履歴を(おそらく専用の、優れたツールを使って)追跡・確認しているもの。
そこで不自然なやり取りが見つかったなら、
- カード会社からの確認電話
- カードの一時停止や限度額の引き下げ
- 強制解約からのブラック状態入り
といった対応が取られることは十二分に考えられます。
両社は、会員が次のいずれかに該当した場合、その他両社において会員として不適格と認めた場合は、通知・催告等をせずに会員資格を取り消すことができるものとします。
(中略)
(4)現金化を目的とした商品購入の疑い等、会員のカードの利用状況が不適当、もしくは不審があると両社が判断した場合
三井住友カード公式HPより(再掲)
「現金化がバレたり、いきなりカードが止められるなんてことあるの?」と思われるかもしれませんが……。
「不正利用ではないか」という体裁で確認の電話が入ることや、現金化に限らず突然カード利用が制限されたりすることは意外とそこまで珍しくありません。
確認の電話くらいの段階であれば致命的なデメリットにはなりませんが……。
「現金化によりすぐにお金を手に入れられる」ことに味を占め、「現金化により次のカードの支払いをこなす」ような状態に陥ってしまうと、カード会社からの処分が下るのも時間の問題でしょう。
②単純に手数料が高すぎる
「高換金率」をうたう現金化業者が掲げる数字は88%程度~。
そしてこの換金率を高めに90%と見積もってみたとしても…。
あなたは「10万円を現金化して1万円」「30万円を現金化して3万円」を失う結果となってしまいます。
もちろん「本来手元に無いはずの現金を手に入れられる」という意味で、この手数料の発生はやむを得ないと考える方がほとんどでしょう。
が、仮にこれを「9万円を借り、45日後に10万円を返す取引」と見なすと、実質金利は約年90%。
消費者金融「アコム」の金利が最高でも年18%であると考えると、暴利も暴利と言って差し支えないでしょう。
詳細4.正規業者の金融サービスを使えば手数料は5分の1以下で済む
現金化 | ▶10万円の中から手数料(安くても10%、1万円程度)を事前に徴収 ┗入手できる現金は9万円程度 ▶この場合の実質金利は年90%程度 |
---|---|
消費者金融 | ▶10万円に利息(45日間なら2,219円程度)を上乗せし支払い ▶実質金利は年18%程度 |
③結局やりくりが上手くいかず、金銭感覚が狂うきっかけに
「本来手元に無いはずのお金を手に入れられる」サービスには、金銭感覚が狂うきっかけになりやすいという問題があります。手数料が高い「現金化」は尚更と言えるでしょう。
例えば何らかの理由で30万円の「現金化」を利用した場合…。
高換金率の業者を利用したとしても、その場で手に入れられるのは27万円ほど。ですが翌月にはきっちり30万円をカード会社に支払わなければなりません。リボ払いや分割払いを用いることもできますが、支払い義務が軽減されるわけではないでしょう。
本当にお金が必要なのが1回きりであれば、確かに「現金化」が救世主となってくれるかもしれませんが……。
こういったサービスの利用を検討する方の多くは慢性的な金欠状態にある方。
現金化を利用したせいで、翌月のカード払いがさらに厳しく…といった悪循環に陥ってしまうことは想像に難くありません。
④利用した業者が悪質な組織等と繋がっていることも
先述の通り、クレジットカードの現金化はカード会社との約束を破ることを前提とした取引。となれば、自然とこういったサービスを取り扱うのは、社会的信用のある大手業者…というわけにはいきません。そしてその中には、いわゆる悪徳業者と関わりがあるものも含まれるでしょう。
実際、クレジットカードの現金化を利用されたという方の体験談やトラブル相談を見ていると「現金化を利用してから、闇金と思しき業者からのDMが増えた」という内容も見受けられます。
すべての現金化業者が顧客情報の売却などの問題を抱えている、とは言えませんが……。
社会的信用が確保されていない業者を利用することには、それ相応のリスクが伴うと考えて差し支えないだろうと思います。
「現金化業者の利用が危険なら、自分で買ったものを現金で売ればいい」とお考えの方は少なくないでしょう。
が、まず前提として「物品を購入、それをキャンセル/返品してすぐにお金を手に入れる」ことはできません。
というのも、クレジットカード会社の払い戻しは原則として、「次回以降の請求で、その支払いを無かったことにする」という形で行われるからですね。これはそのまま、現金化を防ぐための取り決めです。
例:6ヶ月の定期券をクレジットカードで購入したが、会社が倒産し定期券が不要になったので払い戻したい
→現金ではなく「翌月以降、カード利用代金から定期代を差し引く」形で払い戻し
その他、「現金化業者を使わない現金化」の方法として、
「高く売れそうなブランド品やギフト券などを自分で買って、買い取り業者や金券ショップに持ち込む」
といった方法も考えられますが…。
この場合、カード会社からの視線は現金化業者を利用する場合とほとんど変わらないことでしょう。
要は業者を通しても通さなくても、現金化を疑われる可能性に違いは無いということです。
正規業者の金融サービスを使えば手数料は5分の1以下で済む
違法でこそないものの、さまざまなリスクとデメリットを抱える「クレジットカードの現金化」。言うまでもなく、利用しないで済むならそれに越したことはありません。
……とは言え、どうしてもお金が必要という状況に置かれている方は少なくないだろうと思います。
こういった場面で助けになってくれるのは、やはり「アコム」「プロミス」等をはじめとする、即日融資(申込み当日の貸付)対応の消費者金融会社でしょう。
「現金化」と比べた消費者金融会社の利点は、
- カード会社などの規約に反さず、堂々と利用できる
- 出資法の制限により、手数料が5分の1程度~それ以下で済む
- 毎月の支払い額がクレジットカード会社に比べ軽い
といったもの。
もちろん消費者金融会社のカードローンにも、
- 審査が必要(とは言え最短30分)
- 希望額を借りられるとは限られない
といったデメリットは存在しますが……。
「後ろ暗いところなく、安い手数料で利用できる」というだけでも検討の余地はあるかと思います。
現金化業者(換金率90%) |
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30万円の商品を購入し27万円を受け取り、45日後にカード会社へ30万円を支払い(実質手数料3万円/45日) ※このとき、実質金利は年率およそ90% |
プロミス |
27万円を45日間借り入れる場合の実質手数料は5,925円(金利17.8%) |
現在、非常に多くの金融機関が取り扱うカードローン。
主だったところの特徴を挙げると以下のようになります。
プロミス レイクALSA |
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アイフル アコム SMBCモビット |
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銀行系 |
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中小業者 |
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十分な返済能力があるのならサービス内容に優れる「プロミス」や「レイクALSA」を、他社借入がかさんでいるなら「アコム」等を選ぶのが基本となるでしょうか。借入を急がないのであれば銀行系も視野に入りますね。
カードローンの選択について詳しくは、以下のページをご覧ください。
CHECK【今すぐ借りられるカードローン】初心者へのおすすめNo.1は「プロミス」
CHECK5項目から割り出す!おすすめの消費者金融会社ランキング
CHECKメリットから選ぶ!おすすめ銀行カードローン7選:低金利、郵送物なし、口座不要他
★もしもあなたが「ブラック状態+他社借入あり(キャッシング枠利用分含む)」といった状況にあるのなら、同様の状況に置かれた方を主な融資対象とする「中小消費者金融会社」の選択もご検討ください。
まとめ
- クレジットカードの現金化は、
- 違法ではないが、カード会社から重いペナルティを下されるリスクがある
- 無審査かつ短時間でお金を手に入れられる
という、利点とリスクの両方を伴う行為
- 仮にカード会社に知られず「現金化」を利用できたとしても、
- 現金化業者の信用性
- アコム等に比べ5倍以上の手数料が発生しうる
といった点を考えると、やはり利用はおすすめしかねる
いくつかの視点から「現金化」について見てみましたが、「クレジットカード会社にバレないこと」を前提としてさえ、デメリットは大きいと言わざるを得ないでしょう。
クレジットカードの現金化は、その他の方法で完全に代替が利くものではありませんが…。
正規業者の正規のサービスを利用できそうならば、それに越したことはないはずです。
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