消費者金融の借金:債務整理したら事故情報が残る?時効はいつ?
債務整理といっても、実は
- 任意整理
- 特定調停
- 個人再生
- 自己破産
の4種類があることはご存知でしたか?
この4つのどれを選ぶかによっても、その後の影響が変わってきます。
今日は、債務整理と信用情報の関係、債務整理後の借り入れについて、徹底解説していきます!
目次
事故情報とは?
事故情報とは、「個人信用情報機関」に記録される延滞や債務整理の記録のこと。
金融事故を起こして、まだ時効を迎えていない方をブラックと呼びます。こうなってしまうと、大手金融機関の審査には通りません。
時効は5~10年で成立しますが、時効スタートのカウントは分かりにくいので、気になる方は個人信用機関に情報開示をしてもらいましょう。
時効援用(時効を成立させる手続き)や時効待ち、時効期間についてはこちらに詳しくまとめたので、見てみてくださいね!
CHECK借金の時効
4つの債務整理比較表
①比較表
任意整理 | 特定調停 | 個人再生 | 自己破産 | |
借金減額 | △ | △ | ○ | ◎ |
過払い金 | ○ | × | ○ | ○ |
事故情報 | 5年 | 5年 | 5年 | 5年〜10年 |
手続き |
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②任意整理とは
任意整理とは、裁判所を利用せず話し合いによって借金を無理なく支払えるよう、分割してもらうこと。
特徴としては、これから生まれる予定の利息がカットされます。
ただ、過払い金がない限り今ある借金が減ることはありません。
③特定調停とは
特定調停とは、裁判所を使った任意整理のこと。同様に、将来の利息がカットされます。
4つの債務整理の中で唯一、専門家に頼ることなく達成しやすいのが特徴。費用もほとんど掛かりません。
その代わり、自分で全部の手続きをすることになるので大変です。
また、裁判所を通すことになるので、借金減額後に支払いが滞ってしまうと、差押さえが発生するリスクが高いという点もあります。
※過払い金の請求については、別途手続きが必要です。
③個人再生とは
個人再生とは、
- 住宅ローンを除いた債務が500万円未満→100万円
- 住宅ローンを除いた債務が500万円以上→借金の合計額の5分の1
を、3年間掛けて払う手続きのこと。
家や資産を守りながら、借金を減らすことができるのがポイントです。
ただ、住宅ローンは軽くならないので注意!守りたい資産がある方向けの方法です。
④自己破産とは
自己破産は、20万円以上の価値がある資産と引き換えに、借金を帳消しにする方法のこと。家も車も貯金も、すべて没収となります。
一番程度の重い債務整理にふさわしく、ハイリスクハイリターンです。最終手段として考えてください。
債務整理後に借りれる?
①それぞれ時効が過ぎれば、信用情報はクリーンになる
時効が過ぎれば、個人信用情報機関での悪い記録はなくなります。まっさらな状態に戻る、というわけですね。
ただ、このときすべての金融機関を利用した形跡まで消えてしまうので、逆に警戒されてしまうことも……。
時効を迎えたら、まずは審査に通りやすいクレジットカードやローンを利用して、実績を作っておくといいでしょう!
<事故を起こした方は、保証会社に注意!>
事故を起こした金融機関・保証会社での内部情報はずっと消えません!
プロミスで事故を起こしたのであれば、今後プロミスはもちろん、プロミスが審査を行う三井住友銀行などを利用することもできません。
新しく申し込みをするときは、必ず保証会社を確認すること!
②時効前に借りたいのなら
時効前にどうしてもローンを組みたいのであれば、ブラックの方にも融資を行っている中小消費者金融を利用しましょう。
「アルク」「AZ」などの会社は、ブラックOKと評判です。債務整理中に借入ができた、という口コミも見られました。それでも100%審査に通るわけではありませんので気をつけて!
というか、一度ローンに失敗しているのなら、よほどの理由がない限り、新しい契約はやめといたほうがいいと思いますけどね…
③クレジットカードの方が審査は甘い
カードによって基準は違うものの、銀行カードローンや消費者金融よりは、少し審査に通りやすいです。
ただ、キャッシング枠がもらえない場合もあるので注意!
でも、債務整理後に借金が膨らませてしまうと、二度目の債務整理は受けられないかも……。
任意整理であれば2回目が可能ですが、個人再生・自己破産であればかなり難しいです。
これはみんなが借金するごとに個人再生や自己破産をしていては、経済が崩壊してしまうから。
債務整理後に借りるなら、まず信用情報機関で、確認を
債務整理から5年が経った!早速カードローンに申し込みを……する前に、まずは個人信用情報機関で情報開示をしておきましょう。
時効のカウントは、わかりづらいことも多いです。無駄な手間を省くためにも、まずは自分の状態を確認しておきましょう!
債務整理後のキャッシングについては、『自己破産後のキャッシング』ページを参考にしてくださいね。
債務整理後でも借りられるカードローン
①時効が過ぎていたら、原則どこでも大丈夫!
事故を起こした金融機関と、その系列の会社でなければどこでも問題なく利用できます!
ただ、時効明けにマイカーローンなど、審査の厳しいローンに申し込むのはおすすめできません。
銀行を利用するのであっても、せめて申し込みはカードローンに!その理由は、このあとの『④「ホワイト」状態に注意』を見てください!
②ただし時効成立後も、官報を見られると審査落ち
個人再生、自己破産を行うと、あなたの氏名と住所は官報に載せられてしまいます。
日常的に官報に触れる人はほとんどいないので、生活していく上でデメリットになることは少ないのですが……。
実はこの官報、インターネットを使えば10年以上前のものまで見ることができるんです。
せっかく時効が成立していても、官報をさかのぼられてしまっては審査落ちしてしまうというわけ。
③事故を起こした金融機関はNG
前に言ったように、会社内での情報に時効はありません。
半永久的に記録は残ってしまうので、事故を起こした金融機関は今後一切利用できないと考えてください。
保証会社が同じ金融機関も同様です。
例:三井住友銀行で金融事故を起こした場合、時効明けであってもプロミスや横浜銀行の審査に落ちてしまう
④「ホワイト」状態に注意
ホワイトとは、個人信用情報機関に不自然なほど何の情報もない、という状態のこと。やっと時効が過ぎ、晴れてブラックでなくなったときのことです。
現金主義で今まで一切クレジットカードを使わなかった方(いわゆる「スーパーホワイト」)の方も同じ状態ではあるのですが……。
注意したいのは、「ここまで何も経歴がないのは怪しいから、官報に検索を掛けてみよう」となってしまったとき。こうなってしまうと個人再生・自己破産の過去がバレてしまうんですね。
1件でも金融機関の利用履歴があれば、官報を見られる可能性はぐっと下がります。
そのためブラック明けには、できるだけ審査に通りやすいクレジットカードやローンを、利用した実績を作っておくのがおすすめです。
債務整理する?しない?まずは専門家に相談を
①弁護士・司法書士に相談する
「特定調停」であれば個人でも可能だとは言いましたが、実際は100%個人で手続きを完了させた方は、そう多くありません。
自分ひとりで債権者(金融業者)と、相手方に不利な話をしなければならない、最低二回裁判所に行く必要がある、など一人で特定調停を行うのはとても大変。
借金の状態や返済の可能性はひとりひとり違います。今後のビジョンを見据えるためにも、弁護士・司法書士といった専門家に相談することを、私はおすすめしています。
行政サービスである「法テラス」を使えば、無料で弁護士に相談することができます。
ただし、実際の相談までは数週間~1ヶ月ほど掛かるので注意!急いでいる方にはおすすめできません。電話相談無料となっている法律事務所も多いので、そちらを利用しましょう。
- ご参考:法テラスのホームページ
②やたらと自己破産を勧められたら要注意
- これといった資産がない
- 収入がない、あるいは借金に対しとても少ない
- 5分の1になっても払いきれそうにないほど、借金が大きい
以上の項目に1つも当てはまっていないのに、自己破産を勧める弁護士には要注意!多重債務者を狙う悪徳弁護士や、弁護士を騙る詐欺師が多く報告されています。
彼らが自己破産を勧めるのは、自己破産が一番成功率が高い=報酬をもらえやすいから。
できれば、口コミを確認してから弁護士や司法書士を選びましょう。
また、弁護士や司法書士にも、分野の得意不得意があります。
「債務整理」「過払い金請求」などを看板に掲げている専門家を探すようにしましょう。
自己破産は最終手段!オススメは任意整理
借金が帳消しになるのなら、自己破産が一番いい!と思う方もいるかもしれないけど……。
- これといった資産がない
- 生活保護を検討している
- 5分の1になっても払いきれそうにないほど、借金が大きい
以上の条件に当てはまらないのであれば、自己破産はちょっと危険。
債務整理がいくつかの段階に分かれているのには、もちろん理由があります。
それは、借金の重さや返済能力に応じて、債務整理の程度を調整するため。
程度が重くなるほどデメリットも大きいので、任意整理・特別調停で済むのであればそれに越したことはありません。
「任意整理」は官報に名前が載りません。そのため時効を迎えれば、何のしがらみもなくなります。
また、専門家に手続きを任せるので手間が少なく、確実性も高いです。
任意整理で済むのであれば、これで済ませてしまいましょう。まずは専門家に相談を!
まとめ
任意整理=特別調停<個人再生<自己破産
程度が軽いほど後に影響が少なく、程度が重いほど借金は軽くなる
★個人再生・自己破産を利用する場合は、「ホワイト」状態に注意
★個人で債務整理を行うのは難しい!まずは相談だけでもいいので、専門家の力を借りよう
債務整理に大事なのは、自分に合った方法を選ぶこと。
とくに自己破産はメリットもデメリットも一番大きいので、専門家とよく相談して決定しましょう!