【証書貸付とは】証書の内容から契約後の行方までを分かりやすく解説

【証書貸付とは】証書の内容から契約後の行方までを分かりやすく解説
「融資契約を結ぼうと思ったら、商品説明に<証書貸付>の文字が。
今まで使っていたローンでは見たことないし、<証書>という響きが何だか厳格そうで不安……」

結論から言うと、特にこの「証書貸付」自体を怖がる必要はありません
「証書貸付」とは簡単に言うと証書、つまり借用書や金銭消費貸借契約証書と呼ばれる書類を交わし、契約する方法ですが……。
契約内容を記した書類が発生するという点では、カードローン等の小口ローンも同じ。
ここでは単に、「一度借りたら返済のみを行う貸付方法」とだけ考えていただいて差し支えないでしょう。

今回はそんな「証書貸付」について、その概要や「証書」の内容、契約後の「証書」の行方など、よくある疑問とその回答をまとめました。
読み終えていただければ、不安なく目当てのローンの申し込みに進むことができます。

★このページは、法人でない個人の利用者を対象としています。
事業資金・運転資金の借入については「中小企業代表者向け・資金調達方法(長期・短期)とビジネスローン」のページをご覧ください。

「証書貸付」ってどんな融資方法?

「証書貸付」とは、名前の通り証書、つまり「借用書」「金銭消費貸借契約書」を交わした上でお金を貸しつける行為を指します。
(一般に、借用書は貸し手のみが預かる契約書、金銭消費貸借契約書は貸し手と借り手の両方が預かる契約書のこと。業者から借りる場合は2つの違いを気にする必要はありません。単に契約書のことだとお考え下さい)

その他の契約方法には「手形貸付」等が挙げられますが、借り手が個人であるのなら証書貸付と並んで使われやすいのは「当座貸越」かと思います。こちらは借入限度額を決めて、その範囲内で何度でも借りられる貸付方法のことですね。
これに対し、「証書貸付」は一度借りたら返済のみを行うことになります。

★個人向けローンで利用されやすい2つの融資方法

概要 適用例
証書貸付 契約書を交わし、その内容通りに貸付・返済を行う方法 住宅ローン
自動車ローン
多目的ローン(フリーローン)
中小消費者金融会社の無担保ローン 他
当座貸越 利用限度額を定め、その範囲内で原則何度でも貸付を行う方法 カードローン
クレジットカードのキャッシング枠
総合口座の当座貸越機能
定期預金担保貸付

2つの貸付方法を比べると、「証書貸付」は1度しか借りられない分、利用者にとっては都合が悪いように思えますが……。
貸し手側、つまり銀行など金融機関の立場で見れば、何度もお金を貸さなくて良い分、当座貸越に比べ貸し倒れのリスクが低くなります。
よって、2つのローンを同じ条件(同じ人が無担保で借りる)で比べた場合、「証書貸付」型ローンの方が大きなお金を借りやすい傾向にあるんですね。
これに関しては、途中まで返済したらまた満額借り直せる住宅ローンが存在しないことを考えると納得しやすいかと思います。

というわけで、仮にあなたが「証書貸付」「当座貸越」を選択できる立場にあるのなら、

  • 確実に目標の金額を借りたいのなら「証書貸付」
  • 少しずつ、必要な時に何度でも借りたいのなら「当座貸越」

を選択するのが基本となります。

CHECK【当座貸越】カードローンの概要とその選び方
CHECK【証書貸付】フリーローン・多目的ローンとは
CHECKみずほ銀行の例で見る・個人向け銀行ローンの種類について

★ちなみに、当座貸越型のローンを利用する場合であっても当然契約書は作成されます
そのため実際のところ、「証書貸付」という名称自体はさほど気にする必要はありません。単に「1回借りたら返済だけを行うローン」とだけお考えいただいて結構です。

JAバンク長野

▲分かりやすい「JAバンク長野」の例。
同じ商品を「証書貸付型」「カードローン型」(=当座貸越型)から選択できますが、カードローン型の方が貸付リスクが高いせいか、ここでは金利が高めに設定されています。

★保証人(連帯保証人)を必要とするか否かはローン商品によります。(住宅ローンを除く、一般的な個人向け銀行融資であればほぼ不要)

証書貸付の「証書」(借用書/金銭消費貸借契約証書)に書かれる主な項目

ここでは初めて「証書貸付」を利用するあなたのために、証書=契約書(借用書/金銭消費貸借契約書)に書かれる主なポイントを紹介していきます。
今回はネット上に金銭消費貸借契約書が公開されていた、みちのく銀行(青森県)のWebフリーローン商品を例に見ていきましょう。

CHECKみちのく銀行公式HP「<みちのく>Webフリーローン金銭消費貸借契約」(PDF)

★契約書の内容をすべて解説していくと非常に冗長になってしまいますので、ここでは借入・返済に関する重要ポイントのみを取り上げさせていただきました。
実際の契約の際、不明点があった場合には必ず金融機関の職員さんに確認を取るようにしてください。

★ここでは「業者から契約書の発行を受ける場合」を想定して解説しています。
あなたが個人で契約書を作る場合は、以下のページを参考にしてみてください。

CHECK法的拘束力を持たせる契約書(借用書/金銭消費貸借契約書)の作り方

①借入金の受領方法(=貸付方法)

ローンの概要を定めた第一条第一項に続き、このローンでは借入金の受領方法、つまり貸付方法が規定されていました。

第1条(借入要項)
(中略)

2.本契約による借入金の受領方法は、本契約成立後、本Webフリーローンのお申込みの手続きにおいて借主が同意した所定の期限までに、銀行が、銀行における借主名義の預金口座へ入金する方法により行う(以下当該入金のあった日を「貸付実行日」という。)ものとします。

3.銀行は、貸付実行日の後、遅滞なく毎月の返済額その他銀行が定める事項が記載された返済計画予定表を借主に送付します。

(みちのく銀行公式HPより)

書き方が堅苦しいですが、要するに「貸付は口座振り込みで行います」というだけの話ですね。ほとんどの証書貸付型ローンにおいて、貸付方法は口座振り込みになるかと思います。
(一部街金などでは対面での現金貸付もアリか)

また、貸付方法とは直接関係ないものの、上記内容の直後には「毎月、返済計画表を送付します」という文面も見られました。家族に隠れてローンを利用したいという場合には死活問題かもしれません。

②毎月の返済方法

貸付方法に次いで記載されていたのが返済方法。

第2条(元利金返済額等の自動支払)
1.元利金の返済は、返済用預金口座からの自動支払の方法によります。ただし、本契約第3 条によって繰り上げ返済をする場合、または第7 条によって本契約による債務全額を返済しなければならない場合は除きます。

(中略)

3.銀行は、各返済日に普通預金・総合口座通帳、同払戻請求書または小切手によらず返済用預金口座から払い戻しのうえ、毎回の元利金の返済に充当するものとします。ただし、返済用預金口座の残高が元利金返済額に満たないときは、銀行はその一部の返済に充当する取扱いとはせず、返済が遅延することになります。

(みちのく銀行公式HPより)

こちらも簡単に言うと「毎月の返済は自動引き落とし」、そして「預金が引き落とし額に満たなかった場合は、一部徴収はせず、全額延滞扱いになりますよ」という程度の内容となります。

具体的な返済額・返済期間については記載がなかったので、契約時に個別に決定し、別途契約書が発行されることになるのでしょう。
借入額・借入期間ともバラバラになりやすい証書貸付型ローンでは、こういった方法が取られることは非常に多いです。
(一方、当座貸越型のカードローンは借入額などに応じ毎月の返済が決まるため、契約書上で毎月の返済額を確認できることがほとんど)

③繰上返済(追加返済)に関する項目

詳細は個別に決められるため、ふんわりした内容だった前項とは異なり、繰上返済(ここでは「期限前弁済」と記載)に関する規定はなかなか具体的なものでした。

第3条(繰り上げ返済/期限前弁済)
1.借主は最終の返済日前に借入元本残額の全部または一部を繰上げて返済することができる(以下当該弁済を「期限前弁済」という。)ものとします。
ただし、本契約による債務につき期限前弁済をすることができる日は、毎月の返済日とし、かつ期限前弁済を行う返済日の3営業日前までに銀行へ通知するものとします。

2.借主が繰り上げ返済/期限前弁済をする場合には、銀行所定の手数料を支払うものとします。

(みちのく銀行公式HPより)

このローンの場合、繰上返済が可能なのは毎月の返済日当日のみ、かつ事前通知と手数料の支払いが必須とのこと。なかなか条件は厳しいですね。
こういった分かりにくい制約について、あらかじめ契約書上で確認しておくことは非常に重要となります。

ちなみに同ローンの商品概要説明書を確認してきたところ、現在の繰上返済手数料は無料とのことでしたが……。
証書貸付型のローンだと、繰上返済手数料が発生すること自体はさほど珍しくないのでお気をつけください。(特に自動車ローン以上の中型・大型ローン)

④期限の利益の喪失(=分割払いの権利を失う)条件について

「期限の利益の喪失」は証書貸付に限った話ではないものの、重要なポイントですので軽く触れさせていただきます。

融資方法を問わず、ほぼ確実に盛り込まれているのが「期限の利益の喪失」関する項目。
これは簡単に言うと、「借り手が分割払いの権利を失う」ことを指します。つまり以下の条件に当てはまると、残りの借金の一括返済を求められるわけですね。

第7条(期限の利益の喪失)
1.借主について、次の各号の事由が一つでも生じた場合には、銀行からの通知催告等がなくとも、借主は本契約による債務全額について当然期限の利益を失い、第2 条又は第4 条に定める返済方法によらず、直ちに債務全額を返済するものとします。

(1)返済を遅延し、翌々月の返済日にいたるも返済しなかったとき
(2)私的整理の開始、特定調停の開始、破産手続開始、民事再生手続開始もしくはこれらに類する国内法または国外法上の手続開始の申立があったとき。
(中略)
(4)借主が、債務整理に関して裁判所の関与する手続きを申立てたとき、もしくは、自ら営業の廃止を表明したとき等、支払を停止したと認められる事実が発生したとき。
(5)借主の預金その他の銀行に対する債権について、仮差押、保全差押または差押の命令、通知が発送されたとき。
(6)相続の開始があったとき

2.次の各号の場合には、借主は銀行の請求によって、本契約による債務全額について期限の利益を失い、第2 条又は第4 条に定める返済方法によらず、直ちに、債務全額を弁済するものとします。

(1)借主が、銀行に対する債務の一部でも履行を遅延したとき
(中略)
(3)借主が、銀行に対して虚偽の資料提供または報告したことが銀行において判明したとき。
(中略)

3.前項の場合において、住所変更の届出を怠ったり、銀行からの通知を受領しない等借主の責めに帰すべき事由により、銀行が行った通知または送付した書類等が延着し、または到着しなかった場合には、通常到達すべき時に、期限の利益が失われたものとします

(みちのく銀行公式HPより)

基本的に、期限の利益を喪失することになるのは支払いを滞納したり、債務整理を開始したりと利用者に咎のある場合に限られますが……。
このローンの場合、相続の開始があったとき、つまり契約者死亡時にはその相続人が一括返済を行わなければならないとしっかり書かれており、なかなか辛辣です。
(ただ、同様の規約を盛り込んでいたみずほ銀行カードローンは是正申し入れがなされた後に同項目を撤廃したので、みちのく銀行もこれに続く可能性はあります)

これ以外にも、住所変更の届出を怠ることで期限の利益を喪失する可能性があるなど、厳しい条件が見られますね。

特に大きなお金を借りる場合、期限の利益、つまり分割払いの権利は言うまでもなく大切です。
ローンの契約を結ぶ際には、基本的な借入・返済方法に加え必ず「期限の利益の喪失」要件を確認しておきましょう。

前提として、いったん契約に同意したら相手方に非のある場合を除き覆すことは困難です。

みちのく銀行の例一つをとっても、相続時の期限の利益の損失などトラブルの原因になりそうなものが存在します。
今回取り上げるのはここまでですが、お金の貸し借りの契約を結ぶ際には契約書のすべての内容を理解・納得しておきたいところ。
不明点は職員さんに尋ね、契約のリスクを知った上でサインに臨みましょう。

参考みちのく銀行公式HP「<みちのく>Webフリーローン金銭消費貸借契約」(PDF)

契約後の「証書」はどこに行く?

証書貸付を利用する場合、必ず発生する証書、つまり契約書。
(その他の貸付を利用する場合であっても契約書は発生するのですが)

これらの書類の契約後の行方についてですが……。
とりあえず、あなたが利用するのが貸金業者(消費者金融会社、クレジットカード会社等)であるのなら100%契約書を受け取ることができます。これは貸金業者が縛られる「貸金業法」で、この旨が明記されているからですね。
交付方法は電磁的記録(デジタル記録)でも構わないため、会社によってはインターネットを通して契約書を受け取れることもあります。
(ただし証書貸付を使っているような会社だと、書面交付を採用していることが多い)

銀行が縛られる「銀行法」に同様の記載は見られませんでしたが……。
証書貸付を使うような中口~大口の融資であれば、トラブルを防ぐため、ほぼ確実に契約書を受け取れるといっても過言ではないでしょう。こちらも方法は基本的に書面交付ですね。

そういうわけで、証書貸付実行後の契約書はあなたと、貸し手側の金融機関の両方が保管することになります。

★あなたが契約書を紛失したとしても、(契約書に特別な規定が無い限り)契約内容に差し障りはありません。

★契約書は多くの場合、借入元の金融機関に直接問い合わせることで再発行を受けられます。

まとめ

証書貸付とは証書、つまり契約書を交わして行う融資方法のこと……とは言えその他の貸付であっても契約書は発行されるので、単に「一回借りたら返済のみを行うローン」と考えてOK
★カードローンなどに採用される当座貸越に比べると、やや勝手が悪い代わりに大きなお金を借りやすいのが嬉しいポイント
★契約書に書かれるのは借入・返済の方法や細かな規約、融資条件など。(金利・毎月の返済額など詳細は契約時に別途知らされることも)
よく見ると繰上返済や期限の利益の損失に関する重要事項が盛り込まれていることが多いため、すべて理解・納得した上で契約に臨みたいところ
★契約後の証書(契約書)はほとんどの場合で双方の契約者、つまり金融機関とあなたの両方が保管することになる

証書貸付自体に、これと言って危険性はありません。ただし「みちのく銀行」の例のように、「相続開始で期限の利益の損失」など注意すべき契約内容が盛り込まれていることはあります。

重要なのは、納得した上で契約を行うこと。
不明点があれば金融機関の職員さんに尋ねるなどして、後悔の芽を摘んでおきたいところです。




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