【緊急小口資金】公式情報から見る審査の通過条件と入金の流れ

「わけあってどうしてもお金が必要。
<緊急小口資金>という制度なら、民間の会社から借りれない人でも何とかなるって聞いたけれど……?」

低所得などの理由により民間企業(銀行など)を利用できない人のため、行政がお金を貸してくれる「生活福祉資金貸付制度」
「緊急小口資金」はこの制度の分類の一つで、名前の通り「緊急」の、小口(10万円まで)融資を取り扱っています。
一般的な「生活福祉資金貸付制度」が融資までに1ヶ月ほど必要になることもあるのに対し、この「緊急小口資金」であれば最短5日で受け取り可能と聞けば、有用性がよく分かりますね。

今回はそんな「緊急小口資金」について、各都道府県の公式情報をもとにその「審査に通れる人」や「入金までの流れ」をまとめました。
読み終えていただければ、現在の危機を乗り越えるヒントを掴めますよ。

「緊急小口資金」ってどんな制度?

まずは「緊急小口資金」とはどんな制度でどんな人が利用できるのか、簡単に説明していきます。

★緊急小口資金
金利 0%(無金利) 融資額 最高10万円
(連帯)保証人 不要 担保 不要
返済期間 原則12ヶ月以内 取り扱い(申請先) 各市区町村の「社会福祉協議会」
概要 緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に貸し付ける少額の費用(厚生労働省公式HPより)
※お住まいの場所に応じた違いはありません。内容は全国共通のものとなります。
※10万円を超えるお金が必要な場合には、緊急小口資金以外の 「生活福祉資金貸付制度」 をご利用ください。(貸付には数週間以上の時間が掛かります)

①低所得世帯にお金を融通する「生活福祉資金貸付制度」のうちの1つ

「緊急小口資金」とは、行政による融資(貸付=ローン)制度である「生活福祉資金貸付制度」の分類の1つです。

「生活福祉資金貸付制度」とは低所得世帯や障害者世帯、高齢者世帯といった、民間企業でお金を借りることが難しい世帯に一時的な融資を行う、厚生労働省取り扱いの制度のこと。
この制度は「生活支援費」「福祉費」「就学支援費」といった使い道別にカテゴリ分けされており、「緊急小口資金」もその一つというわけですね。

CHECK 生活福祉資金貸付制度とは

生活福祉資金貸付制度は連帯保証人を立てられないと金利が付くことが多いですが、「緊急小口資金」は無金利・無保証人で利用できます。(ただし支払いを延滞すると年5%の金利発生あり)

②申し込みから融資実行までは最短5日程度と、他の制度に比べて迅速

さて、この「緊急小口資金」は生活福祉資金貸付制度の中でも、名前通り「緊急に」「小口の」(少額の)お金を融通するものです。
この特性により、一般的には数週間~1ヶ月程度掛かることの多い「生活福祉資金貸付制度」の中にありながら、「緊急小口資金」は最短5日での入金を実現。

さすがにスピード特化の民間企業(消費者金融会社など)には及びませんが、税金を元手にした制度にしては驚くほどスピーディと言えますね。

③使い道は主に「一時的な金欠に対する、生活の立て直し」

「緊急小口資金」を利用できる状況・使い道については、以下のように規定されています。(全国共通)

  1. 医療費又は介護費の支払等臨時の生活費が必要なとき
  2. 火災等被災によって生活費が必要なとき
  3. 年金、保険、公的給付等の支給開始までに生活費が必要なとき
  4. 会社からの解雇、休業等による収入減のため生活費が必要なとき
  5. 滞納していた税金、国民健康保険料、年金保険料の支払いにより支出が増加したとき
  6. 公共料金の滞納により日常生活に支障が生じるとき
  7. 法に基づく支援や実施機関や関係機関からの継続的な支援を受けるために経費が必要なとき
  8. 給与等の盗難によって生活費が必要なとき
  9. その他これらと同等のやむを得ない事由であって、緊急性、必要性が高いと認められるとき

神奈川県社会福祉協議会公式HPより)

9つの項目をまとめてしまうと、「どうしても必要な、一時的な金欠に対する生活の立て直し」という形になるでしょうか。

後に解説する通り、「緊急小口資金」を利用するためには最低限の「お金を返す能力」が必要となります。
慢性的な金欠・生活苦には利用できませんのでお気を付けください。

CHECK行政の生活支援制度と生活困窮者自立支援制度について

④生活保護とは違い返済義務あり!利用できるのは「借入の3ヶ月後から返済が可能な世帯」だけ

実は「生活福祉資金貸付制度」、上で紹介した「使い道」が当てはまっていたとしても、
誰でも借りられるわけではありません。
制度を利用するためには審査への通過が必要になる上、そもそもの審査に通過するためには以下の(1)(2)(3)の条件をすべて満たす必要があります。

(1)低所得世帯である

 

  •  これまで定期的な収入により生計を維持してきた世帯であること
  •  世帯の収入が下記の収入基準を超えない世帯であること 

 

★生活状況は個人ではなく、世帯を基準として判断されます。
労働能力のある家族が要る場合、審査通過は難しくなります。(生活保護も同様)

〔収入基準〕(平均月額)平成29年度※収入基準は毎年改定されます

世帯人員 1人 2人 3人 4人 5人
平均月額 191,000 272,000 335,000 385,000 425,000
※世帯の収入額から、家賃、住宅ローンの返済、定期的支出(療養費・仕送り)等が、一定金額まで控除されます。

(2)緊急かつ一時的に生計維持が困難な状況であること

  • 急いで資金を必要としていること
  •  一時的な生活困難であり、10万円以内の貸付を行い生活費に充てることで、その後はご自身の収入で日常生活が可能であること

(3)返済(償還)の見通しが立つ

  • 資金交付日の翌月から3ヶ月目より開始となる返済(償還)が可能な見通しが立つこと

※一時的な生活困難が失業や収入の減収による場合、過去おおむね2年以内の就労実績により返済(償還)の見通しを判断します

東京都社会福祉協議会公式HP:PDFより)

条件(2)(3)を見て分かる通り、緊急小口資金は「今、このピンチを貸付によって乗り越えたら、その後は自分の収入でやっていける人」だけを貸付対象としています。
具体例を挙げるとすれば、

  • 給料日前に会社が潰れて生活ができない(が、労働能力はある)
  • 火災によって保険が下りるまでの間の生活費を融通したい
  • 生活は厳しいが、公共料金の滞納さえ解消できれば何とかなりそう

……といった場合でしょうか。
ちなみに返済は借入の3ヶ月後から始まります。

CHECK「据置期間」は原則2ヶ月、返済は3ヶ月後からはじまる

緊急小口資金、というより「生活福祉資金貸付制度」自体が、「一時的なピンチにより生活が厳しいが、近いうちに生活能力・返済能力を取り戻せる」世帯に向けた制度となっています。
さまざまな理由により「常に生活費が足りない」「今後、支払いを行っていける自信が無い」という場合には、返済能力の要らない生活保護の受給相談を行ってください。

CHECK 生活保護の申請について

生活保護と、緊急小口資金を含む「生活福祉資金貸付制度」の窓口はどちらも「市区町村の社会福祉協議会」です。
窓口の場所や電話番号は「(市区町村名) 社会福祉協議会」などで検索すればすぐに知ることができるでしょう。

▲「日本で一番人口が少ない村」とされる青ヶ島村にも社会福祉協議会があります。

★「緊急小口資金」の利用が難しいと思われる場合でも、社会福祉協議会や市区町村の福祉窓口に電話を掛けることであなたに合った制度を紹介してもらえる可能性があります。

<被災などの理由があれば所得を問わず利用できることも>

原則として、「やむを得ない事情があり、一時的に経済力が大きく低下している低所得世帯」に向けた制度である「緊急小口資金」ですが……。
例外として「被災」をはじめとするやむを得ない事情があれば、低所得世帯でなくても利用できることがあります。
2018年7月現在だと、豪雨の被害に遭われた方へ厚生労働省が通達を出していますね。

CHECK厚生労働省公式HP「平成30年台風第7号及び前線等に伴う大雨により被災された方への生活福祉資金(緊急小口資金)の貸付けの実施について」

該当する場合、あるいは自分の世帯が該当するか確認したいと言う場合にも、お住まいの市区町村の社会福祉協議会へ相談を行ってみることをおすすめします。(軽い確認・相談程度であれば電話で構いません)

「緊急小口資金」貸付までの流れ

「どうしてもお金が必要なやむを得ない事情がある」そして「今のピンチを乗り越えれば生活を立て直せる」という条件を満たしているのなら、緊急小口資金を利用できる可能性があります。
ここからは、その貸付実行までの流れを見ていきましょう。

①一般的な貸し付けの流れ

「緊急小口資金」貸付までのおおまかな流れは以下の通りです。

「緊急小口資金」貸付の流れ

お住まいの市区町村の「社会福祉協議会」に電話または来所で相談
ここで生活状況や利用条件などの確認が行われる

社会福祉協議会に来所、
借入申込書と必要書類を提出

都道府県の社会福祉協議会による審査

審査結果連絡

申込者の口座に希望額を入金
(ここまで最短5営業日)

(参考:東京都社会福祉協議会公式HP

電話で相談を行う場合、社会福祉協議会への来所は一度で済みます。
(が、後述の必要書類をそろえる過程で、別に市区町村役所などへ出向く必要があるかもしれません)

入金までの日数は「最短5営業日」とのことですが、あくまで「最短」に過ぎません。
特に土日祝日を挟むと時間が掛かりやすい点についてはあらかじめご承知おきください。

送金までには1週間以上かかることもありますのでご了承ください。

神奈川県社会福祉協議会公式HPより)

②必要書類は多いので、事前に確認しておこう

緊急小口資金を利用するための、基本の必要書類は以下の通りです。

  • 住民票(世帯全員分)
  • 借入申込者本人の確認書類(運転免許証、健康保険証等)
  • 印鑑登録証明証及び実印
  • 収入証明関係書類(原則として世帯全員分)
  • 預金通帳の写し(資金送金口座の確認用)
  • その他、経済的に困っている理由・状況の根拠となる資料

神奈川県社会福祉協議会公式HPより)

ご覧の通り必要書類は多く、準備は大変です。
「住民票」「印鑑登録証明証」を入手するためには、原則として市区町村役場へ出向くことになりますね。この際、数百円程度の手数料が掛かります。
マイナンバーカード、または住民基本台帳カードがあれば、コンビニでの住民票発行手続きが可能です。詳細総務省公式HP

また、分かりにくいのが「経済的に困っている理由・状況の根拠となる資料」ですが、これに具体例を挙げているところがありました。

★「経済的に困っている理由・状況の根拠となる資料」の例
貸付の原因となる事実を証する書類の例示 申込額の必要性を証する書類例示
①医療費又は介護費の支払等臨時の生活費が必要なとき
  • 医療費又は介護費の請求書(写)、領収書(写)
  • 診断書(写)、入院申込書(写)など
  • 医療費又は介護費の領収書(写)及び所得の減少を証する書類(直近3か月程度の給与明細又は給与振込の預金通帳(写)など)
  • 医療費又は介護費の領収書、請求書等
  • その他申込金額の必要性を証する書類
②火災等被災によって生活費が必要なとき
  • り災証明書(写)など被災したことがわかる書類
⑧公共料金の滞納
  • 当該分の滞納家賃の請求書及び賃貸契約書(写)
  • 電気・ガス・水道などの滞納分請求書(写)

大阪府社会福祉協議会公式HP:PDFより抜粋)

証明しなければならないのは「経済的なピンチに陥った理由」と「現在の必要金額」ですね。り災証明書など1枚で賄えるものもありますが、状況によっては複数枚の書類が求められるでしょう。

「この書類は認められるの?」といった質問については、直接お住まいの地域の社会福祉協議会へ問い合わせを行うことをおすすめします。

★申し込み状況、審査結果によっては上に挙げた以外の書類が必要となる可能性があります。
申込者が外国人の場合、家族に負債・借金がある場合など)

③「据置期間」は原則2ヶ月、返済は3ヶ月後からはじまる

「緊急小口資金」は原則3ヶ月目から返済が始まります。
この返済を待ってくれる2ヶ月間は「据置期間」と呼ばれるもので、この間に生活を立て直すわけですね。

3ヶ月経過後の返済方法は原則「口座引き落とし」です。引き落とし時に口座にお金が入っていれば、自動的に返済が行われます。(東京都の場合、毎月22日に実施)
口座の差し押さえ・凍結などやむを得ない事情があるのなら、個別に相談を行うことになるでしょう。

また、生活福祉資金貸付制度は無金利ですので、毎月の返済額は「借入額÷12」で簡単に算出できます。(原則として最長である12回払いの場合)

返済期間は契約時に相談の上で決めていくことになります。12回を超える回数で返済を行わなくてはならない理由があるのなら、こちらも担当者に相談を行ってください。

緊急小口資金に関するよくある質問と回答

最後に、緊急小口資金に関するよくある質問にお答えしていきます。

①途中で返済できなくなったらどうなりますか?

延滞(借用書に記載の返済期限から起算)が始まると、年5%の金利が課せられるようになります。(月あたり約0.417%)
おそらくはそれに前後する形で、電話や書面での催促が入ることでしょう。個人信用情報機関とはかかわりが無いので、金融ブラック入りとなる可能性はありません。

また、どうしても支払いが困難な理由がある場合には、再審査の結果次第で猶予や免除が認められる可能性があります。

天災その他やむを得ない事情で、償還が著しく困難と認められたときは、所定の手続、審査を経て償還を一時猶予したり、免除することができます。 
困ったこと、わからないことなどがありましたら、担当の民生委員や市区町村社協にご相談ください。

京都府社会福祉協議会公式HP:PDFより)

返済が困難だと思ったら、すぐに担当者に連絡を取ることをおすすめします。

②金融ブラック状態でも利用できますか?

問題なく利用できます。
いわゆる金融ブラック状態の理由になる「個人信用情報機関」(民間のローンやクレジットカード等の利用履歴を保存している場所)は、行政と関係ありません。
実際に厚生労働省公式HPの「生活福祉資金貸付制度」用途例には、「債務整理をするために必要な経費」も挙げられています。

③外国籍でも利用できますか?

①②の両方を満たしている場合に限り、利用できる可能性があります。

①下記のいずれかであること

  

  • 在留管理制度の対象となる「中長期在留者」のうち、在留資格が下記のいずれかであること(永住者、永住者の配偶者等、日本人の配偶者等、定住者、定住者の配偶者等) 
  • 入管特例法に定められている「特別永住者」

②現住所に6ヶ月以上居住し、将来も日本国内に永住する見込みがあること

東京都社会福祉協議会公式HP:PDFより)

つまり「日本に永住予定で、客観的に見てもそう判断され得る」場合に限り、外国籍であっても緊急小口資金への申し込みができるわけですね。(審査に通るかは別問題です)

★外国人が申し込みを行う場合、一般的な必要書類に加え「在留カード」または「特別永住者証明書」の写しが必要となります。

④生活保護を受給していても利用できますか?

自治体によって回答が変わってくるようです。
どうしてもお金が必要な理由があるのなら、ケースワーカーさんに確認を取ることをおすすめします。

まとめ

「生活福祉資金貸付制度」の1つ「緊急小口資金」は、民間業者からお金を借りられない世帯に向けて10万円以下を比較的スピーディに貸してくれる制度のこと。
★利用条件は厳しく、「やむを得ない事情があり一時的に経済力が著しく低下しているが、貸付によって生活を立て直せば自力で生活していける」世帯だけが審査通過可能となるので注意
★必要書類は非常に多く、申込者の状況によっても変わってくる。利用を検討するならまずはお住まいの地域の社会福祉協議会に電話相談を行うがベストか

誰でも利用できる制度とは言えませんが、上手くハマれば生活を立て直すためのきっかけとなってくれる「緊急小口資金」
出来るだけ早く融通してもらうためにも、まずはお近くの社会福祉協議会へ電話相談を行うことをおすすめします。


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