フリーローン(多目的ローン)とは、さまざまな使い道で利用できる無担保ローン。
冠婚葬祭に関する大きな借り入れから、趣味に関わるちょっとした出費にも自由に利用できるため、銀行が取り扱うローンの中でもカードローンの次に申し込みやすいローンと言えるでしょう。
今回はこの「フリーローン」(多目的ローン)について、カードローンとの違いや利用の流れを中心に詳しく解説していきます!
★フリーローンの審査や、審査難易度ごとのおすすめフリーローンについては「フリーローンの審査について」ページをご覧ください。
フリーローンって何?カードローンとはどう違うの?
カードローンに比べると、広告などで見かける機会も少ないフリーローン(多目的ローン)。
銀行によっては同時に、同じ場所で紹介されることもあるほどよく似た2つのローンですが、一体どのような違いがあるのでしょうか?
①フリーローンは「一度借りたら返済だけを続ける」利用目的自由なカードローン
フリーローンとは、限度額の範囲内で何度も利用できるカードローンとは違い、一度借りたら返済だけを行うローンのこと。使い道が自由な住宅ローンのようなもの、と言えばわかりやすいでしょうか?
そのため、「カードローンを使うと限度額いっぱいまで使ってしまいそうだし……。」という方にも安心ですね。
★フリーローンとカードローンの違い
フリーローン | カードローン | |
借りたお金の使い道 | 原則自由 ※事業資金は基本的に不可 ※一部おまとめ利用不可 | 原則自由 ※事業資金は基本的に不可 |
借り入れ方法 | 銀行振り込み | 基本的にATM その他銀行振り込みなど |
返済方法 | 分割払い (自動引き落とし) | リボ払い (ATM、自動引き落とし、インターネット返済など) |
今必要なお金だけを借りたい方はフリーローン、繰り返しお金が必要になりがちな方はカードローンを選択すると良いでしょう。
②金融機関やローン商品によって、審査難易度や必要書類が大きく異なる!
フリーローンは、カードローンと同じく金融機関やローン商品により審査難易度や金利、申し込み条件や必要書類が大きく異なります。
例えばメガバンク系の多目的ローンと地方銀行のフリーローンでは、金利に2倍以上の差がつくことも珍しくありません。
(例:みずほ銀行多目的ローンの金利5.875%に対し、西日本シティ銀行「EZフリーローン」の金利は15%)
そのため、あなたに合っていないフリーローンを選ぶと知らないうちに大きな損をしてしまう可能性も高いんですね。
フリーローンの審査や審査難易度ごとのおすすめローンについては「フリーローンの審査について」ページをご覧ください。
③みんなのフリーローンの使い道
それでは、実際のユーザーはどのような目的でフリーローンを利用しているのでしょうか?福岡銀行フリーローン「ナイスカバー」による発表を見てみましょう。
見ての通り、福岡銀行の場合は複数社で借りているローンをまとめる目的での申し込みが多いようですね。
学費など大口の借り入れから引越し代程度の借り入れまで、多くの使い道に対応しているのがフリーローンの特徴でもあります。
よくある質問:クレジットカードの分割払いとフリーローン、どちらの方が良いですか?
<注意!おまとめ目的で利用できないフリーローンも存在する>
福岡銀行のフリーローンは、ローンのおまとめ先として人気なようですが……。
残念ながら他社からの借り換え・おまとめ目的として利用できないフリーローンもいくつか存在します。
気になったので、実際に銀行へ電話で問い合わせてみたのですが……
大手で言えば「三井住友銀行」「三菱UFJ銀行」の多目的ローンは、いずれもおまとめ利用禁止。
代わりのおまとめ先としては、各社のカードローン(三井住友銀行カードローン)を推奨していましたね。
同様に、西日本シティ銀行など「フリーローン」と「おまとめローン」が別々に存在する金融機関の場合はフリーローンをおまとめ先として利用できません。
おまとめ先を探している方は、フリーローンへ申し込む前に電話で確認を行うと良いでしょう。
例外は、メガバンク系の「みずほ銀行」。
みずほ銀行多目的ローンはおまとめ利用OKと言っていました!
ただ、みずほ銀行の場合、多目的ローンで借りれるのは300万円。
もしも、それ以上が必要であれば、限度額が800万円まであるみずほ銀行カードローンを検討したほうがよいでしょう(もちろん、それ相応の返済能力=年収が必要となってしまいますけどね)。
フリーローンを利用するまでの流れ
フリーローンでは、お金を借りるまでにどのような手続きが必要なのでしょうか?
わかりやすくまとめてみました。
①契約までの流れ:多くの金融機関で来店は必須
カードローンとは違い、ほとんどのフリーローンでは契約のために来店必須となります。
フリーローン利用までの流れ
(百十四銀行の場合)
インターネットで仮審査申し込み
↓
審査
※ここで在籍確認
(最短翌日)
↓
電話で審査結果連絡
↓
必要書類を持って
百十四銀行窓口での契約手続き
↓
あなたの口座へ希望額を振り込み
↓
毎月、自動引き落としによる返済を行う
おおまかな流れはどの銀行・金融機関であっても変わりありません。
百十四銀行を含む一部の郵送契約やWEB完結に対応したフリーローンでなければ、基本的に窓口への来店は必須となります。
審査スピードは最短即日~1週間程度(信用金庫など)とかなり開きがあるため、急いでいるなら事前に金融機関へ問い合わせを行っておきましょう。
②フリーローンを利用するために必要な書類:金利が低いほど資金使途証明書類が必要になりやすい
フリーローンの必要書類は、金融機関によって多少変わってきます。
★横浜銀行フリーローン(金利1.9%~14.6%)の場合
- 本人確認書類
- 収入証明書(申し込み金額が50万円を超える場合)
★三井住友銀行(金利5.975%)の場合
- 本人確認書類
- 収入証明書類
- 資金使途証明書類
300万円以下の借入であれば本人確認書類だけで契約のできる横浜銀行に比べると、三井住友銀行の必要書類は多めです。
基本的には金利が低いほど必要書類が多く、資金使途証明書類の提出を求められやすいため、低金利ローンを狙う方は事前に書類を準備しておけると良いですね。
<資金使途証明書類って何?>
いくつかの銀行・信用金庫などで要求される「資金使途証明書類」。文字のとおり、借りたお金の使い道を証明する書類のことを言います。
例えば旅行や自動車購入代金、リフォーム代金などにフリーローンを利用するのであれば請求書、ローンの借り換えに利用するのであれば各金融機関が発行する利用明細などですね。
「パンフレットでの申し込みは可能か」といった点では金融機関ごとに違いがあるため、不安のある場合は問い合わせを忘れないでくださいね!
ちなみに三井住友銀行の場合、「見積書やパンフレットでも申し込みは可能ながら、契約手続き時には明確な必要金額のわかる書類が必要」となっています。
③職場の電話への連絡(在籍確認)はほぼ必須
フリーローンであっても、職場への電話連絡(在籍確認)はほぼ必須。銀行名は伏せて、個人名で電話が掛かってきます。(詳細:在籍確認とは?)
ただし金融機関によっては「必要と判断した場合のみ」在籍確認を行うことも。
ちなみに上の画像は滋賀銀行フリーローン公式HPからの抜粋となっています。
④一部の「WEB完結」対応フリーローンであれば、来店不要で利用できることも
ごく一部のローンはWEB完結契約、つまり申し込みから融資まですべてをインターネットで済ませられる契約方法を可能にしていますが……。
対応している金融機関は少ない上、ほとんどの場合ですでにその銀行の口座を開設済みの方しか利用できません。
そのため、結局は多くの方が窓口で契約を行うことになります。
フリーローンの利用に関するよくある質問
最後に、フリーローンについてのよくある質問に回答していきます!
①固定金利と変動金利はどちらを選べばいいんですか?
基本的には契約時の金利が完済時まで適用され続けるフリーローン。
ですが、みずほ銀行など一部の金融機関では固定金利と変動金利を選択できることがあります。
返済期間にもよりますが、基本的には金利の低いほうを選択してOK。一般的には変動金利ですね。
というのも、現在はマイナス金利政策が取られており、フリーローンの金利が、近いうちに高騰することは考えにくいから。
仮に金利が上がったとしても、金利の影響を受けやすいのは借入額が大きいとき、つまり借り入れから長い時間が経っていないときとなります。
金利が上がる頃には借入額は減っており、金利の影響を受けにくいと予想できるわけですね。
住宅ローンに比べ借入期間も借入金額も小さいフリーローン。
マイナス金利政策の影響も相まって、変動金利を選ぶデメリットはほとんどないと言えるでしょう。
②提示されている金利に差があります。同じローンを低い金利で利用する方法はありますか?
「1.9%~14.6%」(横浜銀行フリーローン)と言ったように、同じフリーローンでも大きな金利差が生まれていることは珍しくありません。
横浜銀行の場合は借入金額に応じて金利が下がりますが、イマイチどうやって金利が変わるのか、わからない金融機関も多いですよね。
基本的には踏み倒しの可能性が低い、つまり社会的信用が高く、収入の大きい方ほど低金利で利用しやすくなります。
「返済能力の低い人ほど低金利で貸すべきじゃないの?」と思うかもしれませんが、銀行だって民間企業。
簡単に言うと「踏み倒される前に利息を取っておこう」という考えから、審査に通りやすいローンほど高金利となっています。
③必要なのは5万円程度なのに、最低借入額が10万円となっています。どうすればいいですか?
必要最低限だけ借入のできるカードローンをおすすめします。
なぜなら、利息(銀行へ支払う手数料)は借り入れ金額、借り入れ期間、金利によって決まってしまうからです。
必要以上に「借り入れ金額」「借り入れ期間」を増やしてしまうと、それだけで損をしてしまうんですね。
銀行カードローンを選べば、地銀のフリーローンと金利の差はほとんどありません。また、フリーローンを取り扱っている金融機関のほとんどが、カードローンも一緒に取り扱っていますよ。
参考:銀行カードローン比較
同様に、「1ヶ月で返済できるのに、最低返済期間が6ヶ月になっている!」という方はカードローンを利用した方がおトクとなります。
④返済期間はどうやって決めればいいですか?
フリーローンの契約を行うにあたり、悩みの種となるのが返済期間。
多くは半年~7年程度の中から、半年刻みで自由に設定できますが……。
同じ金額を同じ金融機関から借りる場合であっても、返済期間が短いほど支払い総額は少なくなります。というのも、利息は借入金額と借入期間に応じて変わるから。
実際に、わかりやすい例を見てみましょう。
★西日本シティ銀行「EZフリーローン」(金利15%)で200万円を借りた場合の返済総額比較
1年間(12回払い)で返済 | 2,166,193円 |
7年間(84回払い)で返済 | 3,241,808円 |
差額 | 1,075,615円 |
なんと、同じ金額を借りたのに100万円以上の差が生まれてしまいました。
このように、返済期間が長くなるほど知らないうちに支払い続ける利息は大きくなります。
月々の負担が軽くなるのは魅力的ですが、ボーナス払いを併用するなどして、できるだけ短い期間での返済ができると良いですね。
⑤複数の銀行に申し込むことで、収入に対しより大きな金額を借りることはできますか?
あなたのローンやクレジットカードについての利用情報は、すべて「個人信用情報機関」という場所で保存されています。
この情報はすべての金融機関で共有されるため、金融機関側から見ればあなたがどんなローンをいくら使っているのかはすべてお見通し。
そのため2つめのローンへ申し込みを行い仮に審査に通ったとしても、1つめのローンと同額以上の金額を借りることは難しいでしょう。
また、短期間に複数のローンへ申込みを行うことで「申し込みブラック」と呼ばれる、審査に落ちやすい状況に陥ってしまいます。
基本的に申し込みは一社ずつ行い、もし審査に落ちてしまったらより審査に通りやすい金融機関を狙いましょう。
⑥繰り上げ返済は可能ですか?
金融機関によって異なりますが、繰上げ返済が可能な場合であっても5400円(三井住友銀行)程度の手数料を取られることが多いようです。
繰り上げ返済を利用することによって利息を節約できるカードローンとは違い、一概に繰り上げ返済を使った方がいいとは限りません。
また、みずほ銀行など繰り上げ返済自体に対応していない金融機関も存在するため、事前に確認を取っておくと良いでしょう。
その他、ボーナス払いにも対応しているため、借り入れ額が大きくなりそうな方は検討してみてくださいね。
⑦クレジットカードの分割払いとフリーローン、どちらの方が良いですか?
金利を重視するのであれば低金利フリーローン、手軽さを重視するのであればクレジットカードを選択しましょう。
三井住友VISAカードの分割払い手数料が年12.0%~14.85%であるのに対し、みずほ銀行多目的ローンの金利は5.875%。
長い時間を掛けて返済したい場合や大きな金額を借りる場合ほど、低金利の多目的ローンをおすすめします。
★クレジットカードの分割払いとフリーローンの支払い総額比較(30万円を借りて12回払いで返済した場合)
三井住友VISAカード(14.5%) | 324,076円 |
みずほ銀行多目的ローン(5.875%) | 309,626円 |
差額 | 14,450円 |
★クレジットカードの分割払いとフリーローンの支払い総額比較(150万円を借りて24回払いで返済した場合)
三井住友VISAカード(14.75%) | 1,741,238円 |
みずほ銀行多目的ローン(5.875%) | 1,593,502円 |
差額 | 147,736円 |
24回払いまでしか対応していないクレジットカードが多い中、フリーローンは最長7年程度(84回払い)で返済ができるのもポイントです。
東京都から申し込める代表的なフリーローン
東京都から申し込みのできる、主なフリーローンをまとめてみました。
あなたの収入や返済能力に合わせて、あなたに合ったフリーローンを選んでみてください。
★その他の地方銀行や信用金庫のフリーローンについても、難易度別にまとめてあります。
「フリーローンの審査について:4.各金融機関のフリーローン比較」のページをご覧ください。
★東京都から申し込めるフリーローン
金利 | 申し込み可能額 | 借入期間 | 利用条件 | |
横浜銀行フリーローン | 1.9%~14.6% | 10万円~1000万円 | 1年~10年 | |
東京信用金庫「東京ローン」 | 9.5%、14.0% | 30万円~300万円 | 6ヶ月~7年 | |
三井住友銀行フリーローン(無担保型) | 5.975% | 10万円~300万円 | 1年~10年 | |
みずほ銀行多目的ローン | 変動5.875% 固定6.7% | 10万円~1000万円 | 1年~10年 | |
東京都民銀行フリーローン | 5.6% | 10万円~500万円 | 1年~5年 |
契約には来店が必要となることが多いため、まずはお近くの金融機関へ相談に行ってみるのも良いですね。ただし、信用金庫などのフリーローンは比較的審査に通りやすい代わりに高金利なことが多いでお気をつけて。
審査に自信のある方は、金利の低いメガバンク系の低金利ローンを選ぶと良いでしょう。
まとめ
★フリーローンでの借り入れには数日~1週間程度掛かることが多い
★金融機関窓口での契約が必要になることが多いため、できるだけ近場の金融機関を選ぼう
後腐れなくローンを利用したい方におすすめのフリーローン(多目的ローン)。カードローンに比べると契約手続きが多少面倒ですが、低金利で借りられることも多いです。
大口の借り入れにも対応しているため、使い道がしっかり決まっている方には最適なローン商品と言えるでしょう。
★各地方から申し込める審査難易度別のフリーローンについては「フリーローンの審査について」ページをご覧ください。
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