【入院費用が払えない】経済力別の対策:高額療養費制度の適用後&差額ベッド代支払も

【入院費用が払えない】経済力別の対策:高額療養費制度の適用後&差額ベッド代支払も

「突然家族が倒れて大変なことに。
入院準備や手続きはやっと済んだけれど、これからどれくらいお金が掛かるのか……」

どうしても必要な出費でありながら、その重さが不安の種となる入院費用

でも、あなたが公的保険に入っている(=健康保険証を持っている)のなら、収入や年齢によって計算される一定金額以上のお金を支払う必要はありません。30歳年収400万円ならば8万円程度、同じ年に高額な支払いが4回以上続くならば44,400円で済みます。

ですが、ある程度の保険が利くとは言っても、差額ベッド代など公的保険の対象外も含めた最終的な支払いとなると頭を抱えることは多いでしょう。

今回は公的保険制度をはじめとする各方面から、入院費用を支払うための手段をまとめました。
読み終えていただければ、あなたの状況や経済力に合った方法で、この場を乗り切る方法が分かります。

★各種健康保険への加入を前提として解説しています。

はじめにチェック!医療費に上限を設けられる「高額療養費制度」

はじめにチェック!医療費に上限を設けられる「高額療養費制度」
高額な医療費が発生する可能性があるとき、あなたの経済状況にかかわらずチェックしておくべき仕組みが「高額療養費制度」
この仕組みについて、厚生労働省は以下のように定めています。

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額(※)が、ひと月(月の初めから終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。

※入院時の食費負担や差額ベッド代等は含みません。

というわけで、「高額療養費制度」を使えば1ヶ月分の医療費をある程度までに抑えられるわけですね。
例えば「宮城県在住、45歳、標準報酬月額34万円、本来の医療費合計額は50万円」とした場合、月の支払い額は最大103,400円にまで抑えられます。(詳細は後述)

この「高額療養費制度」は、すべての公的医療保険(健康保険組合、国民健康保険を取り扱う市区町村など)で取り扱われています。

①医療費の自己負担限度額は年齢と所得で決まる

高額療養費制度における自己負担限度額は、保険加入者(患者)の年齢と所得に応じて決定します。

CHECK保険加入者が70歳未満の場合の自己負担限度額
CHECK保険加入者が70歳以上の場合の自己負担限度額

(1)70歳未満の自己負担限度額

保険加入者(入院患者)が70歳未満のとき、自己負担限度額は以下のように決まります。

★表中の「総医療費」とは、保険適用となる医療費の全額(10割)を指します。(=差額ベッド代などは含まれない)

★保険加入者が70歳未満の場合の自己負担限度額(2018年7月)

適用条件 自己負担限度額
(年3回まで)
自己負担限度額
(年4回~※1)
区分ア 標準報酬月額※2
83万円以上
252,600円+(総医療費-842,000円)×1% 140,100円
報酬月額81万円以上
基礎控除後の所得901万円以上
区分イ 標準報酬月額53万円~79万円 167,400円+(総医療費-558,000円)×1% 93,000円
報酬月額51万5千円以上~81万円未満
基礎控除後の所得600万円超~901万円
区分ウ 標準報酬月額28万円~50万円 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% 44,400円
報酬月額27万円以上~51万5千円未満
基礎控除後の所得210万円超~600万円以下
区分エ 標準報酬月額26万円以下 57,600円 44,400円
報酬月額27万円未満
区分オ 市区町村民税の非課税者等 35,400円 24,600円
※1 12ヶ月以内に、医療費が自己負担限度額に4回以上達した場合の適用額(多数該当)
※2 全国健康保険加入者に対し、都道府県ごとに決められた収入区分。詳細公式HP

「区分ウ」以上の自己負担額は医療費によって変わってくるのでやや面倒ですが……。

【例】 区分ウの方で、入院診療費が100万円かかった場合の窓口負担

通常の3割負担の場合 限度額認定書(区分ウ)ご提示の場合
1,000,000円×30%=300,000円 80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円

上の例を見て分かる通り、制度を利用すれば負担を大きく抑えられるのは確か
そのため、医療費が高額になる場合にはまずこの「高額療養費制度」の利用を検討するべきと言えます。

CHECK高額な医療費の発生が分かっているのなら「限度額適用認定証」を取得しておこう

発生する(発生した)医療費がすでに分かっているのなら、以下のツールも活用してみてください。

CHECK全国健康協会公式HP「高額療養費簡易試算(平成27年1月診療分から:70歳未満用)」

★高額療養費制度の申請方法については、加入されている保険(保険証を見ると書いてあります)の公式HPなどをご覧ください。

(2)70歳以上の自己負担限度額

被保険者(入院患者)が70歳以上の場合、自己負担額は以下のようになります。
基本的に、自己負担限度額は「現在の医療費負担が何割か」「住民税を支払っているか」で決まると考えて構いません。

★保険加入者が70歳以上の場合の入院時・自己負担限度額(2018年8月~適用分)

適用条件 自己負担限度額
(年3回まで)
自己負担限度額
(年4回~※)
現役並み所得者
(医療費負担3割)
標準報酬月額83万円以上
(全国健康保険協会加入者)
252,600円+(総医療費-842,000円)×1% 140,100円
標準報酬月額53万~79万円
(全国健康保険協会加入者)
167,400円+(総医療費-558,000円)×1% 93,000円
標準報酬月額28万~50万円
(全国健康保険協会加入者)
80,100円+(総医療費-267,000円)×1% 44,400円
医療費負担が3割以上
(国民健康保健の加入者)
一般
(医療費負担1割または2割)
57,600円 44,400円
区分2
(市町村民税非課税世帯)
標準報酬月額28万円~50万円
24,600円
区分1
(市町村民税非課税世帯で、所得が基準以下)
15,000円
※12ヶ月以内に、医療費が自己負担限度額に4回以上達した場合の適用額(多数該当)
★2018年7月以前の診療分については、各保険機関の公式HPをご覧ください。(参考全国健康保険協会公式HP
★入院を行わない場合(外来のみ)の自己負担限度額は異なります。こちらも各保険期間の公式HPをご覧ください。

医療費負担が3割以上の場合、70歳未満の保険者と同じ金額を支払わなければなりません。あらかじめご了承ください。

CHECK高額な医療費の発生が分かっているのなら「限度額適用認定証」を取得しておこう
CHECK全国健康協会公式HP「高額療養費簡易試算(平成27年1月診療分から:70歳未満用)」

★高額療養費制度の申請方法については、加入されている保険(保険証を見ると書いてあります)の公式HPなどをご覧ください。

<条件を満たせば医療費は世帯で合算できる>

世帯一人一人の医療費が自己負担額に達さなかった場合であっても、家族が同じ病院を利用し、同じ公的保険に加入している場合に限り合算が可能です。

同一の医療機関等における自己負担(院外処方代を含みます。)では上限額を超えな いときでも、同じ月の複数の医療機関等における自己負担を合算することができます。
この合算額が負担の上限額を超えれば、高額療養費の支給対象となります

(厚生労働省公式HPより)

条件は限られますが、該当しそうな場合にはこちらもチェックしておきましょう。

★保険者が70歳未満のとき、合算できる金額は「2万1000円以上の自己負担」に限られます。

②払い戻しまでには3ヶ月以上が掛かる可能性があるものの、「つなぎ」の制度を利用可

前提として、高額療養費制度の基本スタンスは、「いったん自己負担で全額支払いを行い、後日になって自己負担限度額との差額を振り込んでもらう」というもの。
ただし、この振込が実行されるまでには3ヶ月以上の日数が掛かることが珍しくありません。(必要日数は加入保険によります)

払い戻しは、医療機関等から提出される診療報酬明細書(レセプト)の審査を経て行いますので、診療月から3ヵ月以上かかります

(全国健康保険協会公式HPより)

とは言え、どうやってもすぐに支払いが必要で3ヶ月も待ってもらえない、という場合は少なくないでしょう。
そんな状況に備え、各保険機関は「高額医療費貸付制度」を取り扱っています。
こちらは「高額療養費制度」の振込までの一時的な繋ぎとして利用できる貸付(ローン)ですね。

どれくらいのスピードで、いくらまで貸してくれるかという点は保険期間によって異なるため、保険証に記載の電話番号に直接問い合わせを行うことをお勧めします。
ちなみに全国健康保険協会の場合、貸付上限額は「申し込み後2~3週間で、高額療養費支給見込額の8割相当額までを無利子(金利なし)で貸し付け」となります。

CHECK全国健康協会公式HP「高額医療費貸付制度について」

③高額な医療費の発生が分かっているのなら「限度額適用認定証」を取得しておこう

今後高額な医療費が発生すると予測される場合には、あらかじめ「限度額適用認定証」を取得しておくことをおすすめします。

高額療養費制度の基本スタンスは、「一回自己負担した上で差額を請求する」ということは既にお話しした通りですが……。
この「限度額適用認定証」を持っておくと、医療機関に提示するだけで、その場での支払い額が自己負担限度額までとなるんですね。この場合、後ほど保険機関に差額を請求する必要もなくなります。

今後、多額の医療費発生が見込まれているのなら、便利な「限度額適用認定証」を手に入れておきましょう。
こちらも申請先は、加入されている各保険機関(または市区町村)となります。どの公的保険にも取り扱いがありますのでご安心ください。

★申請書類の申請方法、提出先などの詳細については各公式HP等をご覧になるか、保険証に記載の電話番号への問い合わせによりご確認ください。

高額療養費制度を使っても負担が重い場合の対策方法(差額ベッド代含む)

高額療養費制度を使っても負担が重い場合の対策方法(差額ベッド代含む)
ここからは、高額療養費制度を使っても負担が厳しい場合、もしくは差額ベッド代など高額療養費制度の対象とならない重い出費が発生した際の対策について解説していきます。
(差額ベッド代……健康保険で賄われない分の部屋代のこと。個室、その他設備の整った部屋に入院する際に発生する)

<病院都合で発生した「差額ベッド代」は支払わずに済む可能性も>

「保険適用のお部屋が空いていなかったため、やむなく」といった病院の都合により差額ベッド代が発生した場合、これを支払わずに済む可能性があります。

病院(診療所)は、差額ベッド室に入院を希望する患者さんに、差額ベッド室の設備、構造、料金などについて明確かつ懇切に説明し、患者さん側の同意を確認したうえで入院させなければなりません。


料金を求めてはならない場合があります。
1. 患者さん側から同意書による同意の確認を行っていない場合
2. 患者さん本人の「治療上の必要」により差額ベッド室に入院した場合
3. 病棟管理の必要性等から差額ベッド室に入院させた場合であって、実質的に患者さんの選択によらない場合

(埼玉県公式HPより)

万が一、上記の「料金を求めてはならない場合」に該当しているにもかかわらず差額ベッド代を請求された場合には、まず病院にその旨を相談。
どうにもならない場合には、都道府県の保険担当窓口に問い合わせを行ってみると良いでしょう。
(もちろん病院側から事前に説明を受け、同意書に記入を行った場合を除きます)

①病院によっては分割払いに対応していることも

一括の支払いが難しい場合、最も簡単なのは「分割払いを行う」という手段。
これには大きく分けて「病院に相談し、直接病院に分割で支払いを行う」方法と、「クレジットカードの分割払いを利用する」方法があります。

金融機関を介さず、直接病院相手に分割払いを行う場合には保証人の設定を求められる可能性が高いですね。
これに手間を感じる場合には、クレジットカードで支払いを行うのが良いでしょう。ただし分割回数によっては多額の手数料が発生しやすくなります。

いずれの方法も、実際に利用できるかどうかは病院によって変わります。(分割での支払いに一切対応していない可能性もあります
そのため、ここで一般論を挙げても意味がありません。分割での支払いを希望する場合には、まず病院の窓口に相談を行ってみてください。

★その他、病院によっては信販会社と提携したメディカルローン(医療ローン)を取り扱っていることがあります。

②安定収入があるのなら低金利の民間医療ローン・多目的ローンも一考

あなたに安定した収入があるのなら、銀行などが取り扱う医療ローン(メディカルローン)、あるいは多目的ローン等を利用するのも一考です。

こちらの方法を使えば、クレジットカードの分割払いよりも低金利、かつ大きなお金を支払える可能性大。
とは言え手続き自体は面倒(原則金融機関への来店契約必須)ですので、基本的にはよほど大きなお金が必要になった場合(介護用品などが必要になった場合含む)に検討することになるでしょう。

代表的な医療ローン・多目的ローンは以下の通りです。

筑波銀行「つくばメディカルローン」

金利 3.5% 申し込み可能額 10万円~300万円
利用条件
  • 20歳~65歳
  • 安定、継続した収入がある
  • 筑波銀行の定める「ローン商品対象エリア」に在住の方
  • ★金利3.0%の「がん先進医療費プラン」あり

    常陽銀行「医療介護ローン」

    金利 5.0% 申し込み可能額 1万円~500万円
    利用条件
  • 20歳~64歳
  • 前年度年収200万円以上
  • 勤続年数1年以上、または営業年数3年以上
  • 常陽銀行の営業区エリア内に在住または在勤の方
  • みずほ銀行多目的ローン

    金利 5.875%(変動) 申し込み可能額 10万円~300万円
    利用条件
  • 20歳~65歳
  • 前年度年収200万円以上
  • 勤続年数2年以上
  • 医療ローンについて詳しくは、以下のページをご覧ください。

    CHECK医療ローン(メディカルローン)について

    ★その他、少額(10万円以下)の借入であれば「レイクALSA」「5万円以下180日間無利息サービス」を利用するのも手です。

    ③生活苦の状況にあるなら「生活福祉資金貸付制度」をチェック

    もしもあなたが生活苦の状況にあるのなら、「生活福祉資金貸付制度」などの公的支援制度を利用できる可能性もあります。

    こちらは必要なお金を民間の金融機関(銀行、消費者金融など)から借りることが難しい低所得世帯や傷害者世帯、高齢者世帯に向けた、行政の融資サービス。
    「福祉費」としてある程度まとまったお金を借りることもできますが、この場合は「緊急小口資金」(10万円以下を比較的スピーディに借りられる制度)を使うのが基本となるでしょう。

    ただし、こちらの制度も利用するためには審査が必要となります。(場合によってはそのまま生活保護の受給を勧められることも)
    詳しくは「生活福祉資金貸付制度について」のページをご覧ください。

    高額な医療費に関するよくある質問と回答

    高額な医療費に関するよくある質問と回答
    最後に、高額な医療費に関するよくある質問にお答えしていきます。

    ①入院費用はいつ、どうやって支払うことになりますか?

    もちろん入院されている医療機関によって変わりますが……。
    長期入院の場合、一般的には「1ヶ月に1度の支払い」が求められます。病院内の会計窓口に出向き、所定の方法で支払いを行うことになるでしょう。

    支払方法は「現金払い」に加え、「口座振込」(銀行振込)が一般的。最近はクレジットカード払いに対応している病院も増えてきました。
    また、機関によっては提携医療ローンを利用できる場合もあります。(金利手数料が発生します)

    ②医療費控除とは何ですか?

    自分自身、もしくは同じ世帯の家族のために高額な医療費を支払った場合、所得税の還付または住民税の減額を受けられる仕組みのことです。
    控除額は、以下の「医療費控除の対象となる金額」から年収をもとにした所得税率を使い計算できます。

    医療費控除の対象となる金額=実際に支払った医療費の合計額-(1)の金額)-(2)の金額


    (1) 保険金などで補填される金額
    (2) 10万円

    (国税庁公式HPより抜粋)

    例えば

    • 年間医療費が50万円
    • うち10万円が保険などで補てんされた

    とき、「医療費控除の対象となる金額」30万円。ただし、この満額が帰ってくるわけではありません。

    所得税の還付金は「医療費控除の対象となる金額×所得税率」で決まります。
    このとき、年収を400万円とすると所得税率は20%。
    というわけで、この場合30万円の20%、つまり6万円が帰ってくる計算になるわけです。
    (住民税の減額は、所得を問わず「医療費控除の対象となる金額」の10%、この場合は3万円)

    利用には確定申告が必要となります。
    詳しくは国税庁の公式HPなどをご覧ください。

    CHECK国税庁公式HP「医療費を支払ったとき(医療費控除)」

    ③医療費の支払いについて、誰に相談したら良いですか?

    入院設備を整えている病院であれば、相談窓口を設けている可能性は高いです。
    病院によっては専門の相談員、「医療ソーシャルワーカー」を置いていることもあります。まずは相談窓口について、病院の受付や看護師さんなどに尋ねてみると良いでしょう。

    その他、保険制度(高額療養費制度含む)についての相談は、加入されている公的保険の相談窓口(保険証に電話番号の記載あり)もご利用ください。
    任意保険に加入しているのなら、その担当者に尋ねてみるのも良いですね。

    まとめ

    まとめ

    ★高額な医療費が発生した場合、まずは「高額療養費制度」の自己負担限度額に達していないか確かめてみよう。これに到達していた場合、差額を加入している保健機関から払い戻してもらえる
    ★ただし高額療養費制度の利用のため払い戻しを受ける場合、実行までには3ヶ月以上の時間が掛かることも。この場合は無利息で「つなぎ」の融資制度を利用できる可能性あり
    ★今後、多額の医療費発生が予測されるのなら「限度額適用認定証」を取得しておくことで窓口での支払額を抑えられる
    ★高額療養費制度を使っても出費が厳しい場合(差額ベッド代などの分を含む)、分割払いの相談や民間の金融機関ローン、あるいは公的融資制度の利用も視野に入る

    必要な出費にもかかわらず、重いものとなりやすい入院費用。
    まずはあなたの「高額療養費制度」自己負担限度額を確認した上で、これから取るべき行動(限定適用認定証の取得、払い戻しの申請など)を検討しましょう。

    

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