個人事業主や自営業者のカードローン審査は、同じ年収を申告した給与所得者に比べ不利に進みやすいです。
ただし事業所得者に対する審査基準にはバラつきもあります。
「個人事業主の審査通過報告が多いカードローン」を選べば、問題なくお金を借りられることも多いでしょう。
今回は個人事業主・自営業者がカードローンの審査に通過するための条件や、申込先の選び方を中心にまとめました。
目次
個人事業主や自営業者がカードローンを利用する3つの条件
まずは個人事業主や自営業者といった事業所得者がカードローンを利用する条件について解説します。
①原則として確定申告をしており、収入を証明する手段があること
個人事業主や自営業者がカードローンを利用するには、原則として「収入を証明するための証拠」が必要です。
これは個人事業主を偽る無職等の人でないことを、金融機関に提示する必要があるためです。
確定申告書の控えがあれば多くの場合で問題ありませんが、勤続1年未満の場合は「請求書」「納品書」などを要求される可能性が高いです。
また営業年数が1年未満で確定申告書を用意できない場合、審査が不利に進みやすくなる可能性があります。
★一部のローンは営業1年未満の方の申し込みを受け付けていません。
②原則として「所得」があること
事業所得者がローンの審査を受ける場合、収入の基準となるのは「事業収入」ではなく「事業所得」です。
事業所得とは、事業収入から経費を引いた金額を指します。
そのため赤字申告である場合や「所得」が低い場合には、審査が不利に進みやすくなったり、申し込みを断られてしまう可能性があります。
特に消費者金融会社の個人向けローンにおいては法律の制限上、「所得の3分の1」を超えるお金を借りることができないため注意が必要です。
この制限は一般に、「総量規制」と呼ばれています。
★事業所得者向けのカードローンや銀行のカードローンを選ぶ場合であれば、「所得の3分の1」を超えるお金を借りることができます。
ただし審査が「所得」ベースで行われやすいことは、どのローンにおいても共通です。
③個人事業主や自営業者でも借りやすい申込先を選ぶこと
一部のカードローンは、事業所得者の申し込みそのものを受け付けていません。
また申し込み自体は可能であっても、事業所得者に対しかなり厳しい審査を行う金融機関も存在します。
個人事業主・自営業者がカードローンを選ぶ際には、「事業所得者の審査通過報告が多いローン」を優先することをおすすめします。
CHECK個人事業主や自営業者でも審査に通過しやすいカードローンとそうでないカードローン
個人向けのカードローンとビジネスローンはどちらを選べばいい?
個人事業主が申し込めるカードローンには、「個人向けの一般的なカードローン」と「事業所得者専用のカードローン」の2種類が存在します。
ここでは2つのローンの違いと選び方について解説します。
①ビジネスローンは総量規制の対象外だから所得が低くても利用しやすい
事業所得者のみが利用できる「ビジネスローン」は、総量規制の対象外です。
そのため借入先が消費者金融会社であっても、所得の3分の1を超える金額を借りられる可能性があります。
また「事業所得者専用」という特性上、所得が低かったとしても、それ以外の要素を加味した審査が行われる可能性も高いでしょう。
赤字申告の方や所得が低い方、すでに貸金業者から年収の3分の1に達するお金を借りている方にとっては、「ビジネスローン」の方が選択しやすいと言えます。
②ビジネスローンは原則として事業資金のためにしか利用できない
ビジネスローンは一般に、事業資金の借り入れのために用いられるローンです。
一部の消費者金融のローンはプライベートの生活費などにも利用できます。
ただし多くのビジネスローンは、使い道が制限されているため注意が必要です。
③全国から申し込める主なビジネスローン
全国から申し込める、主なビジネスローンは以下の通りです。
アイフル「事業サポートプラン」 (個人、法人) |
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プロミス「自営者カードローン」 (個人) |
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アコム「ビジネスサポートローン」 (個人) |
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セゾンファンデックス (個人) |
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AGビジネスサポート (個人、法人) |
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ビジネスパートナー (個人、法人) |
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福岡銀行「フィンディ」 (個人、法人) |
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PayPay銀行ビジネスローン (個人、法人) |
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個人事業主・自営業者の方が申し込みを行う場合、いずれも担保や保証人は不要です。
またどのローンも、契約の際には「確定申告書」などの収入証明書類が必要です。
個人事業主や自営業者でも審査に通過しやすいカードローンとそうでないカードローン
ここからは職業を問わず利用できる個人向けカードローンにおいて、事業所得者が利用しやすいものとそうでないものについて解説します。
①個人事業主の審査通過報告が多いのは「都市銀行や地銀のカードローン」
これまでに行ったアンケート調査の結果を見るに、個人事業主や自営業者の審査通過報告が多いのは「都市銀行や地方銀行のカードローン」です。
個人向けのカードローンを選ぶのであれば、これらの銀行を優先すると良いでしょう。
山陰合同銀行フリーローン |
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三井住友銀行カードローン |
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みずほ銀行カードローン |
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百五銀行カードローン |
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CHECK審査の甘い銀行カードローンはある?103名の審査結果からおすすめ銀行カードローンを分析
★ただし銀行カードローンは事業目的での利用が禁じられていることが多いです。
銀行カードローンは生活費や趣味など、プライベートの資金のために利用しましょう。
②消費者金融会社のカードローンは「1件でも他社借入があると厳しく進みやすい」傾向あり
消費者金融会社のカードローンの審査は、銀行より通過しやすいと言われることが多いです。
ただし実際の審査結果を見てみると、消費者金融会社は自営業者に対し、比較的厳しく対応していることが分かります。
特に「他社借入がある自営業者」の場合、都市銀行や地方銀行の方がかえって審査に通過しやすい場合もあるでしょう。
アコム アイフル (同一人物による申込) | 審査落ち |
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アコム | 審査通過
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アコム | 審査通過
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★他社借入がなく、赤字申告でなければ、自営業者であっても問題なく消費者金融会社のローンを利用できることが多いです。
③一部のネット銀行カードローンなどは個人事業主に対しかなり厳しい
一部のインターネット銀行や中小消費者金融会社は、事業所得者に対し非常に厳しい対応を取っています。
中には複数の自営業者による申込報告があるにもかかわらず、1つも審査通過報告が見られないカードローンも存在します。
事業所得者の審査落ち報告が多いカードローンは、避けておくのが無難でしょう。
楽天銀行 イオン銀行 | 審査落ち |
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楽天銀行 | 審査落ち |
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AZ (中小消費者金融) | 審査落ち |
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キャレント(中小消費者金融) | 審査落ち |
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楽天銀行 | 審査落ち |
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フクホー | 審査落ち |
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個人事業主や自営業者が審査を有利に進める条件
ここからは、事業所得者がカードローンの審査を受ける際に重要となるポイントについて解説します。
①他社借入がないこと
自営業者の審査は、同じ年収を申告している給与所得者に比べ不利に進みます。
加えて他社でカードローンやキャッシング、ショッピングリボなどを利用している場合、審査に落ちてしまう可能性は高くなるでしょう。
この傾向は特に、消費者金融会社において顕著となります。
★住宅ローンや自動車ローン、奨学金などの目的ローンは「他社借入」に含まれません。
②信用情報に問題がないこと
信用情報に重い問題がある場合、多くの金融機関で審査に通過することが難しくなります。
給与所得者であれば信用情報に問題があっても大手や中小の消費者金融を利用できることも多いのですが、自営業者の場合はそれも困難です。
結果的に、自営業者は一度信用情報に問題が発生すると、八方塞がりの状態に陥りやすいと言えます。
自営業者がカードローンの審査を受ける場合、信用情報に重い問題がないことは「大前提」だと言えるでしょう。
- クレジットカード、各種ローン、後払いなどの支払いを「61日または3ヶ月」以上延滞し、その解消と解約から5年が経過していない
- クレジットカード、各種ローン、後払いなどに関する契約で5年以内に強制解約処分を受けた
- 債務整理から5年が経過していない
┗任意整理の場合は一般に、「残債の清算から」5年が経過していない
③営業年数が長いこと
同じ事業を長い間継続している方は、そうでない方に比べ審査が有利に進みやすいです。
逆に事業を開始して1年未満の方は審査に落ちやすくなったり、審査自体を受けられない場合があります。
★審査の状況によっては何らかの形で「営業年数が分かる書類の提示」などを要求される場合があります。
④「所得」が高いこと
ローンの審査を受ける上で、「収入」が重要な要素となります。
そして事業所得者の場合、「収入」の基準となるのは「事業収入」から経費を差し引いた「事業所得」となります。
この「事業所得」が高い方ほど、ローンの審査は有利に進みやすいと言ってよいでしょう。
一方、節税などを目的に事業所得を低く申告している方は、審査に落ちてしまいやすくなったり、低い利用限度額が適用される可能性が高くなります。
個人事業主・自営業者のカードローン体験談
ここからは、実際に各ローンの審査に通過できた事業所得者のアンケート回答を紹介させて頂きます。
①申告年収125万円で「プロミス」の審査に通過できた方の口コミ評判・体験談
まず紹介するのは、125万円の申告年収で「プロミス」の審査に通過できた方のアンケート回答です。
属性 |
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契約内容 |
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申込理由 | |
貯金0で、月の収入は10〜12万程度。当時は実家住まいでフリーランスのライターをしていました。 給料日まであと1週間というところで所持金が残り3000円に。 | |
その他の感想、口コミ | |
プロミスから本人確認の電話がかかってきたときに、詳しくどういう仕事で、何年続けていて平均どの程度の年収なのか、家賃負担などはないかなどを説明すると、あっさり審査に通りました。 また、プロミスで合計15万ほど借入して1年くらいで完済(一度も返済遅れなし)すると、最初は限度額10万だったのが40万まで増えました。 こちらからプロミスへ連絡して限度額が増えたのではなく、プロミスから「限度額を増やす審査をしませんか」といったような電話がかかってきたのです。 | |
備考 | |
前年にアコム、SMBCモビット、楽天銀行で審査落ち |
他社の審査に落ちてしまったことを見ても分かる通り、この方は決して審査が有利に進む属性ではありませんでした。
審査に不安のある方は、この方を参考に「プロミス」への申し込みを優先するのも良いでしょう。
CHECKプロミスの審査難易度は?最短25分融資の流れと審査落ちの共通点
②中小消費者金融での否決後、「三井住友銀行カードローン」を利用した方の口コミ評判・体験談
こちらは大手都市銀行である「三井住友銀行カードローン」の審査に通過した方の体験談です。
属性 |
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契約内容 |
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口コミ・体験談 | |
キャレントという中小消費者金融に申込して、残念ながら審査に落ちたので申込ブラックになった可能性があり、かなり不安視していました。 信用情報に審査落ちの結果が出ていたと思うのですが審査を通過することができてよかったです。 審査結果は約1日ほどで、そこまで時間がかかることはありませんでした。返済日は毎月月末なので、無理なく返済することができています。借入に関しても近くにあるATMで問題なく融資を受けることができるので、不満を感じたことはないです。 30万の希望額だったのですが50万融資を受けられる状況を作ってくれて、感謝しかないです。 |
中小消費者金融会社の審査に落ちてしまった後に都市銀行の審査に通過したということから、事業所得者に対する審査の姿勢は金融機関によって大きく異なると分かります。
またこの方には50万円という高めの利用限度額が設定されたということから、三井住友銀行は自営業者に対しても積極的に融資を行っていると分かります。
③他社借入あり、かつ営業1年未満で「山陰合同銀行」の審査に可決した方の口コミ評判・体験談
こちらは「他社借入あり、営業1年未満」というかなり不利な状況で、「山陰合同銀行」のローン審査に通過した方の体験談です。
申込先はフリーローンとのことですが、地方銀行のフリーローンの審査基準はカードローンと大差ないことが多いため、十分参考になると言ってよいでしょう。
属性 |
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契約内容 |
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口コミ・体験談 | |
自営を始めたばかりで安定した収入もなかったので、審査が通るか不安でした。 一度の確認の電話、その後にアプリで身分証明の画像を送っただけで審査に通りました。前職を退職後、しばらく仕事をしておらず車検代にまわすお金がなかったので、非常にほっとしました。 | |
備考 | |
山陰合同銀行への申込前、
で審査落ち |
直前に2行の審査に落ちてしまっていることからも、この方がローン審査において、非常に不利な状況にあったことが分かります。
それでも山陰合同銀行の審査に通過できたことから、自営業者にとっては地方銀行のカードローンやフリーローンも重要な選択肢になると言えるでしょう。
個人事業主・自営業者の場合、在籍確認(勤務先確認)はどうなる?
ここからは個人事業主や自営業者の方が疑問を抱きやすい、「在籍確認」の過程について解説します。
①在籍確認は申込時に記入した「勤務先電話番号」宛てに掛けられる
金融機関はカードローン審査の際、電話による在籍確認(勤務先確認)を行う場合があります。
その目的は「申込者が申告した情報通りの勤務先に務めていると確認するため」です。
電話による在籍確認が必要になった場合は、申込時に入力した「勤務先電話番号」に向けて電話が掛けられます。
これは自営業者・個人事業主の場合も同様です。
事務所、店舗といった決まった営業拠点がある場合は、そこに設置された固定電話に電話がかかってくる可能性があります。
★大手消費者金融会社のカードローンは、電話による在籍確認を行わないことも多いです。
CHECKカードローンの在籍確認ではどんな内容の電話が掛かってくる?30秒で終わる対応方法や言い訳まで
CHECK在籍確認なしのカードローンの選び方:最短25分融資から安心の銀行カードローンまで
②勤務先電話番号が無いのなら、書類による「事業実態の証明」が必要
フリーランスとして働く方など、決まった営業拠点を持たない方は「勤務先電話番号」に携帯電話番号などを入力することになります。
この場合は希望する限度額などにかかわらず、「事業実態を証明する書類」の提出を求められることが一般的です。
これは事業所得者を偽る無職の人などでないことを、金融機関に証明する必要があるためです。
「事業実態を証明する書類」として挙げられるのは、主に確定申告書の控えや請求書、営業許可証などとなります。
キャッシングをした際の勘定科目について
カードローンなどを利用した場合の勘定科目は、一般に「短期借入金」となります。
短期借入金とは、1年以内に返済期限が到来する借入に用いられる勘定科目です。
例えば事業のために50万円を借りたなら、50万円の短期借入金による「収入」を得たと申告する形となります。
また返済の際には、「短期借入金」と「支払利息」を分け、それぞれ「支出」として申告する必要があります。
返済額に対する利息の金額は、利用明細などを通して確認できます。
まとめ
- 個人事業主、自営業者といった事業所得者の審査は、給与所得者に比べ不利に進みやすい。
他社借入や信用情報の問題など、審査場の懸念がないことが重要 - 事業所得者に対する審査の姿勢は金融機関によって大きく異なる。
特に審査通過報告が多いのは、都市銀行や地方銀行のカードローン - 在籍確認が行われるとすれば、申し込みの際に記入した「勤務先電話番号」宛てとなる。
決まった営業拠点がない場合には、確定申告書の控えなどによる「事業実態の証明」が必要
事業所得者の審査は給与所得者に比べると不利に進みやすいものの、金融機関によるバラつきも大きいです。
そのため申込先を選ぶ際には、事業所得者の審査通過が確認されているローンを優先すると良いでしょう。
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