個人事業主の方の中には
「個人事業主がお金を借りるならどこがおすすめ?」
「個人事業主でも審査に通りやすい融資・借入先が知りたい」
「ビジネスローンは審査が甘い?」
と気になっている人もいるでしょう。
そこで、法人でないと審査に通過できないのではないか…会社員でないと審査に通過できないのではないか…と心配な方に、個人事業主でもお金を借りることができるおすすめの方法を5選に厳選して紹介していきます。
生活費のためなのか事業資金のためなのかによってもおすすめの借入先が変わってきます。
ぜひ本記事を最後まで読んで比較検討してみてくださいね。
個人事業主がお金を借りる方法5選
- 消費者金融ビジネスローンで借りる
- 銀行ビジネスローンで借りる
- 公的融資制度を利用する
- クラウドファンディングを利用する
- ファクタリングを利用する
消費者金融ビジネスローンで借りる
個人事業主の方がお金を借りるなら一番おすすめできるのが、消費者金融ビジネスローン。個人事業主でも比較的審査に通りやすい借入方法の1つです。(※必ず借りれるビジネスローンはありません)
消費者金融ビジネスローンなら、生活費・事業資金のどちらの用途でも借り入れすることができます。資金用途が一番自由な借入方法と言えるでしょう。
また、最短即日融資に対応している消費者金融ビジネスローンもあります。今すぐにお金が必要な個人事業主の方に向いていると言えます。
さらに総量規制の対象外な点も特徴。そのため年収の3分の1以上の借り入れも可能です。ただ、金利は比較的高いので借りすぎには注意しましょう。
全国から申し込める主なビジネスローン
全国から申し込める、主なビジネスローンは以下の通りです。
全国から申し込める主なビジネスローン
アイフル「事業サポートプラン」 (個人、法人) | 上限金利18%赤字決算でも応相談 |
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プロミス「自営者カードローン」 (個人) | 上限金利17.8%最短1時間融資(来店時)プライベート資金にも利用可 |
アコム「ビジネスサポートローン」 (個人) | 上限金利18.0%最短1時間融資(来店時)プライベート資金にも利用可 |
セゾンファンデックス (個人) | 上限金利17.8%融資まで数営業日~赤字決算でも応相談 |
AGビジネスサポート (個人、法人) | 上限金利18%融資まで数営業日~赤字決算でも応相談 |
ビジネスパートナー (個人、法人) | 上限金利17.8%融資まで数営業日~赤字決算でも応相談 |
福岡銀行「フィンディ」 (個人、法人) | 上限金利14.0%最短即日融資福岡銀行の口座開設不要全国から申し込み可一括融資型(カードローンではない) |
PayPay銀行ビジネスローン (個人、法人) | 上限金利13.8%融資まで1ヶ月~ (新規口座開設時)同行ユーザー以外だと不便が多い |
個人事業主・自営業者の方が申し込みを行う場合、いずれも担保や保証人は不要です。またどのローンも、契約の際には「確定申告書」などの収入証明書類が必要です。
銀行ビジネスローンで借りる
銀行ビジネスローンで借り入れするのも1つ。最短で数日以内に借り入れできる場合もあります。ただ、消費者金融ビジネスローンに比べて審査難易度が高いと言われています。
開業直後やビジネスが安定していない場合、借入は難しいでしょう。
もしもどうしても銀行ビジネスローンでお金を借りたいのであれば、ネット銀行・地方銀行から選ぶのがおすすめです。ネット銀行・地方銀行ならメガバンクに比べて個人事業主への融資を行ってくれるところが比較的多いからです。
自営業者の銀行カードローン審査通過例
山陰合同銀行フリーローン | 金利14.5%限度額20万円 |
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申告年収200万円自営業(0年)他社借入1社44万円直前に2つのネット銀行で審査落ち | |
三井住友銀行カードローン | 金利14.5%限度額50万円 |
申告年収260万円自営業(2年)他社借入1社30万円直前に中小消費者金融で審査落ち | |
みずほ銀行カードローン | 金利14.0%限度額10万円 |
申告年収260万円自営業(2年)他社借入2社80万円 | |
百五銀行カードローン | 金利14.5%限度額50万円 |
申告年収300万円自営業(2年)他行でのフリーローン債務あり(金額不明) |
CHECK 審査の甘い銀行カードローンはある?103名の審査結果からおすすめ銀行カードローンを分析
ただし銀行カードローンは事業目的での利用が禁じられていることが多いです。銀行カードローンは生活費や趣味など、プライベートの資金のために利用しましょう。
ただ、「東京スター銀行スタービジネスカードローン」なら、融資金を事業資金以外にも充てることが認められています。
「東京スター銀行スタービジネスカードローン」は、銀行ビジネスローンを利用して、生活費も事業資金も補いたい人におすすめです。
公的融資制度を利用する
個人事業主の方でお金を借りたいなら、公的支援制度の利用もおすすめです。「借入までに時間がかかっても大丈夫」という人には特におすすめの借入方法です。
公的支援制度の場合、消費者金融ビジネスローンや銀行ビジネスローンに比べて低金利でお金を借りることができます。利息を抑えることができるので返済の負担をかけすぎずに済みます。
融資までに時間がかかることや、手続きが大変というデメリットはありますが、開業したてで売り上げが安定していなくても借入できるというメリットがあります。
公的支援制度には政府系融資と地方自治体系融資(制度融資)があります。ただ、地方自治体系融資の場合は比較的審査が厳しく、金利が高く設定されているので、ここでは紹介しません。
ここでは政府系融資の中でも特におすすめな日本政策金融公庫について解説します。
日本政策金融公庫は、金利が2%前後で中小企業や小規模企業を対象とした融資を行っている政府系の金融機関のこと。国から出資を受けて運営しています。
他のローン審査に落ちた個人事業主の方でも、日本政策金融公庫なら比較的審査に通過する可能性が比較的高いと言われている借入方法です。
ただ、日本政策金融公庫の場合、提出書類が多く手続きが大変なことや、借入までに1ヶ月〜それ以上かかることがある点には注意が必要です。またブラックリストに載っている場合は借入が厳しいでしょう。
申し込みは窓口だけでなく、インターネットから行うこともできますよ。
クラウドファンディングを利用する
お金を借りたい個人事業主の方には、クラウドファンディングの利用もおすすめです。クラウドファンディングなら返済する必要がないので”お金をもらう”ということになります。
ただ、支援者を集めるのにどれくらいの時間がかかるか、最終的にいくら集まるのかはわかりません。また、競合にアイディアが知られてしまう可能性もあります。
また、起案したプロジェクトに対してお金を集めるので、そのプロジェクトへの責任が生じるのを負担に感じる人もいるでしょう。
他の方法で借り入れできない、返済リスクを背負いたくないという個人事業主の方には試して欲しい方法と言えます。
ファクタリングを利用する
個人事業主の方がお金を借りるなら、ファクタリングの利用もおすすめです。
ファクタリングは、売掛債権を買い取ってもらうことで支払期日前の債権を現金化できるサービス。ファクタリングサービスで売掛債権を買い取ってもらう際は、手数料が引かれた分の代金が支払われます。
手数料が引かれるという仕組みなので、返済する必要もなければ負債が増えるというリスクもありません。お金を借りる際の返済リスクによる、精神的な負担はないので個人事業主の方でも比較的安心して利用できるでしょう。
留意点として、ファクタリングには主に「2者間ファクタリング」「3者間ファクタリング」がありますが、「3者間ファクタリング」の場合は売掛先にファクタリングサービスの利用が知られてしまいます。
3者間ファクタリングの場合、売掛先が直接ファクタリング業者に支払いをしなければならないためです。
そのため、「2者間ファクタリング」の利用がおすすめですが、「3者間ファクタリング」よりも手数料が高いというデメリットがあります。
ファクタリングサービスは、売掛債権をそもそも持っていない開業直後の方は利用できません。
個人事業主がお金を借りる際に審査に通るための4つのコツ
ここからは、個人事業主がカードローンの審査を受ける際に重要となるポイントについて解説します。
- 他社借入がないこと
- 信用情報き問題がないこと
- 営業年数が長いこと
- 「所得」が高いこと
他社借入がないこと
個人事業主の審査は、同じ年収を申告している給与所得者に比べ不利な傾向があります。
加えて他社でカードローンやキャッシング、ショッピングリボなどを利用している場合、審査に落ちてしまう可能性は高くなるでしょう。
この傾向は特に、消費者金融会社において顕著となります。
※住宅ローンや自動車ローン、奨学金などの目的ローンは「他社借入」に含まれません。
信用情報に問題がないこと
信用情報に重い問題がある場合、多くの金融機関で審査に通過することが難しくなります。
給与所得者であれば信用情報に問題があっても大手や中小の消費者金融を利用できることも多いのですが、自営業者の場合はそれも困難です。
結果的に、自営業者は一度信用情報に問題が発生すると、八方塞がりの状態に陥りやすいと言えます。
自営業者がカードローンの審査を受ける場合、信用情報に重い問題がないことは「大前提」だと言えるでしょう。
- クレジットカード、各種ローン、後払いなどの支払いを「61日または3ヶ月」以上延滞し、その解消と解約から5年が経過していない
- クレジットカード、各種ローン、後払いなどに関する契約で5年以内に強制解約処分を受けた
- 債務整理から5年が経過していない
┗任意整理の場合は一般に、「残債の清算から」5年が経過していない
※その他、代位弁済や債権回収など
営業年数が長いこと
同じ事業を長い間継続している方は、そうでない方に比べ審査が有利に進みやすいです。業績が安定していると捉えられるからです。
逆に事業を開始して1年未満の方は審査に落ちやすくなったり、審査自体を受けられない場合があります。
※審査の状況によっては何らかの形で「営業年数が分かる書類の提示」などを要求される場合があります。
「所得」が高いこと
ローンの審査を受ける上で、「収入」が重要な要素となります。
そして事業所得者の場合、「収入」の基準となるのは「事業収入」から経費を差し引いた「事業所得」となります。
この「事業所得」が高い方ほど、ローンの審査は有利に進みやすいと言ってよいでしょう。
一方、節税などを目的に事業所得を低く申告している方は、審査に落ちてしまいやすくなったり、低い利用限度額が適用される可能性が高くなります。
個人事業主がお金を借りる6つの注意点
- 事業資金と生活費では限度額が異なる
- ブラックリストに載っている人は借りられない
- 利息がかかるので借り過ぎに注意
- 借りたお金を経費として計上する
- 闇金は絶対に利用しない
- 一部のネット銀行カードローンなどは個人事業主に対しかなり厳しい傾向がある
事業資金と生活費では限度額が異なる
事業資金と生活費では融資可能な限度額が異なります。
法人向けの貸付けは総量規制の対象外となっています。また、個人事業者の方は、事業・収支・資金計画を提出し、返済能力があると認められる場合には、上限金額に特段の制約なく、借入れが可能です。
貸金業法Q&A-金融庁
一方で生活費としての融資を希望する場合は、総量規制のルールが適用されるため、年収の3分の1以上の借り入れはできません。
そのため、生活費に充てる資金の融資希望額は年収の3分の1になるように設定し申し込みしましょう。また、他での借入がある場合は、その借入額も含め3分の1になるように希望額を提出する必要があります。
総量規制のルールでは、1社ごと年収の3分の1の借入ができるわけではなく、借入れ先すべてを含め年収の3分の1しか借り入れができないようになっているからです。
提示した希望額によっては審査落ちする可能性が高くなってしまうので注意しましょう。
ブラックリストに載っている人は借りられない
個人事業主がお金を借りる際に、ブラックリストに載っている人は融資してもらうのが難しいでしょう。ブラックリストとは、支払いの長期延滞や債務整理、クレジットカードの強制解約などにより信用情報に傷がつくことです。
本記事で紹介してきた、個人事業主がお金を借りる方法のすべてにおいて必ず審査が行われます。
ブラックリストに載っていると、審査落ちの可能性が極めて高くなります。返済能力がない人だということになるからです。
過去に心当たりがある人は、自分がブラックリストに載っているかどうか確認することもできます。気になるひとは、信用情報機関で情報開示をしてもらいましょう。
利息がかかるので借り過ぎに注意
個人事業主の方がお金を借りる際は、借りすぎに注意しましょう。基本的にどこでお金を借りても、金利や手数料がかかってくるからです。
また、自営業者を対象とした各種ローンは基本的に金利が高めに設定されている傾向にあります。基本的に数%〜18%ほどかかります。
例えば、金利18.0%のビジネスローンを利用して、100万円を1年かけて融資してもらう場合、約18万円もの利息が発生します。総額118万円の返済が必要ということです。
数千万円の資金調達を希望としている人はさらに注意する必要があるでしょう。
余裕をもってお金を借りようとするのではなく、必要最低限の金額を借りるようにしましょう。
借りたお金を経費として計上する
個人事業主の方がお金を借りる際は、借りたお金を経費として計上するのを忘れないようにしましょう。生活費は計上できませんが、事業資金として借入れする場合は計上できます。
ただ、利息のみしか計上できないので注意しましょう。借入金額まで計上すると脱税になってしまいます。
闇金は絶対に利用しない
個人事業主の方で、どこの審査にも通らなかった…という人でも、絶対に闇金を利用するのはやめましょう。
闇金は「審査なしで借り入れができる」「他で審査に落ちた人でも大丈夫」「簡単に借入できる」などと、お金に困っている人の心情に訴える文句で上手に誘います。
ただ、実際に利用してみると「違法な高金利が設定されていた…」「悪質な取り立てが毎日のようにくる…」など、後戻りできない状態になる可能性が極めて高いです。
そのため、借入の際には必ず事前に、貸金業者に登録されているかどうか確認しましょう。
基本的には貸金業者に登録がない場合、闇金である可能性が高いです。
一部のネット銀行カードローンなどは個人事業主に対しかなり厳しい傾向がある
一部のインターネット銀行や中小消費者金融会社は、事業所得者に対しかなり厳しい対応を取っています。
中には複数の自営業者による申込報告があるにもかかわらず、審査通過報告が見られないカードローンも存在します。
事業所得者の審査落ち報告が多いカードローンは、避けておくのが無難でしょう。
自営業者の審査落ち例
楽天銀行 イオン銀行 | 審査落ち |
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申告年収200万円自営業(0年)他社借入1社44万円安定収入ある配偶者あり直後に山陰合同銀行の審査通過 | |
楽天銀行 | 審査落ち |
申告年収250万円自営業(11年)「自営業者である」以外に審査落ち理由が見当たらない例 | |
AZ (中小消費者金融) | 審査落ち |
年収260万円営業2年他社借入2社計60万円似た属性の給与所得者は同社で審査通過 | |
キャレント(中小消費者金融) | 審査落ち |
年収260万円営業2年他社借入30万円(プロミス)直後に三井住友銀行で審査通過 | |
楽天銀行 | 審査落ち |
申告年収350万円自営業(3年)似た属性の給与所得者は同行で審査通過 | |
フクホー | 審査落ち |
年収350万円営業2年他社借入50万円似た属性の給与所得者は同社で審査通過 |
まとめ
本記事では個人事業主でお金を借りるのにおすすめの方法を紹介してきました。審査が不安な人や、とにかく今すぐお金を借りたいという人には消費者金融ビジネスローンの利用がおすすめです。
ローンなどの審査に通らなかったという人には、公的支援制度の日本政策金融公庫の利用がおすすめです。融資までに時間はかかるものの、金利が比較的低く、開業すぐでも審査に通る可能性が高いと言われています。
返済リスクを負いたくない人は、クラウドファンディングやファクタリングサービスの利用が向いているでしょう。
それぞれのメリット・デメリットを比較して自分に合ったサービスを見つけてみてください。
また、借入の際には借り過ぎに注意してくださいね。