「担保や保証人を付けず、事業のために一時的に必要なお金を借りたい。
インターネット銀行のビジネスローンなら、割合簡単に借り入れられそうだけれど…?」
いわゆる「銀行の事業者向け融資」よりも簡単に契約・借入できるのが、各「ビジネスローン」と呼ばれる商品。
一般的には「限度額の範囲内で、好きなタイミングでお金を借りられる」ローンを指すことが多く、これはジャパンネット銀行のビジネスローンにおいても例外ではありません。
今回は「わざわざ銀行窓口や、日本政策金融公庫に出向くほどでもない、一時的な借入」を希望する法人代表者または個人事業主のあなたのため、「ジャパンネット銀行ビジネスローン」について詳しく調査。
実際の問い合わせ結果や申込経験者の体験談などをまとめました。
読み終えていただければ、今のあなたがこの銀行へ申し込むべきか否かが分かります。
★このページは「個人事業主」または「法人代表者」のみを対象としたものとなります。
他社類似ローンと比べた「ジャパンネット銀行ビジネスローン」のメリット・デメリット
それでは早速、「ジャパンネット銀行ビジネスローン」はどういったローン商品なのか、簡単に見ていきましょう。
①最大のメリットは「担保・保証人・来店不要」かつ「何度でも借り入れができる」利便性
「ジャパンネット銀行ビジネスローン」の基本情報は以下の通りです。
★ジャパンネット銀行のビジネスローンには「法人向け」「個人事業主向け」「ヤフー出店者専用」「freee会員専用」「USS会員専用」の5商品が存在します。あなたの事業に該当するものの情報をご覧ください。
(クリック/タップで開きます)
★ジャパンネット銀行ビジネスローン
★ヤフー出店者・freee会員・USS会員専用ローンの場合、返済期間は12ヶ月となっております。
商品数は多いですが、契約の流れや借り入れ・返済方法に違いはありません。
さて、事業資金を借り入れる方法がいくつかある中、あえてジャパンネット銀行のビジネスローンを選ぶ理由として挙げられるのはやはりその「手軽さ」でしょう。
銀行や信金、日本政策金融公庫などの「いわゆる事業融資」とは異なり、このローンは担保も保証人も、来店手続きすら必要としません。
また一度契約を結んでおけば、限度額の範囲内でいつでも追加借入が可能ですので、急な出費が発生しやすい事業者にとっては打ってつけと言えます。
ただしその一方で一括貸付型の事業融資に比べると金利は高い傾向にあるため、継続的に大きなお金を借りることはおすすめしかねます。
(日本政策金融公庫の事業性融資の金利は、無担保のものでも2%前後)
こういったビジネスローンは、あくまでも「一時的な借入」にのみ利用するのが得策でしょう。
★ちなみに金利13.8%の場合、1ヶ月あたりの利息は「借入額の1.15%前後」となります。
(借入額100万円であれば、毎月11,500円前後の利息発生)
★限度額の適用条件についてジャパンネット銀行へ問い合わせを行いましたが、明確な回答は得られませんでした。
とは言え特に「借入限度額は所得の××%まで」といった制限は設けられていないとのことです。
★よく見ると「USS会員」専用ローンより、一般個人事業主または法人を対象にしたローンの方が上限金利が低く設定されています。
契約後、初めての借入では上限金利が適用される場合が多いです。
あなたがUSSオートオークションの会員であっても、必要額が500万円以下であれば、より低い金利で借りられる可能性の高い一般申込者を対象としたローンへ申し込んだ方が良さそうです。
②他社類似ローンとジャパンネット銀行の比較
ジャパンネット銀行「ビジネスローン」のメリットは、「無担保・無保証人・来店不要」かつ「限度額の範囲内で何度でも借りられる」こと。
……ではありますが、実際のところ同じ特徴を持つビジネスローンは少なくありません。
そういうわけで、ここではよく似た長所を持つ各種ビジネスローンを並べてみました。
<無担保・当座貸越型ビジネスローンの簡易比較>
(全国から申し込めるもののみ)
事業者向けローン商品
金利 | 4.8% ~13.8% |
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限度額 | 10万円 ~500万円 |
備考 |
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金利 | 1.45% ~8.2% |
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限度額 | ~3000万円 |
備考 |
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金利 | 6.0% 10.0% 14.0% |
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限度額 | 10万円 ~500万円 |
備考 |
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金利 | 6.5% ~14.5% |
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限度額 | 50万円 ~500万円 |
備考 |
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金利 | 非公開 |
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限度額 | 100万円 ~1億円 |
備考 |
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金利 | 15% |
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限度額 | 1万円 ~100万円 |
備考 |
金利 | 3.0% ~18.0% |
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限度額 | 1万円 ~500万円 |
備考 |
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金利 | 6.3% ~17.8% |
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限度額 | ~300万円 |
備考 |
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金利 | 12.0% ~18.0% |
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限度額 | 1万円 ~300万円 |
備考 |
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金利 | 6.0% ~17.8% |
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限度額 | ~500万円 |
備考 |
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金利 | 5.0% ~18.0% |
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限度額 | 1万円 ~1000万円 |
備考 |
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事業目的にも使える一般ローン商品(法人名義で契約不可)
金利 | 3.0% ~9.5% |
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限度額 | 100万円 ~800万円 ※一部提携CD/ATMでのご利用は10,000円からとなります ※ご利用限度額50万円超、または他社を含めた借り入れ金額が100万円超の場合は源泉徴収票など収入を証明するものが必要です |
備考 |
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金利 | 6.47% 8.47% |
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限度額 | 200万円 300万円 |
備考 |
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「何度でも借りられる」銀行系のビジネスローンは、今のところあまり一般的ではありません。そんな中、ジャパンネット銀行のビジネスローンは「りそな銀行」「東京スター銀行」に比べてもわずかに低金利ですね。
金利重視(特にヤフオクまたはヤフーショッピング出品目的の場合)であれば、申込先はジャパンネット銀行に決めてしまっても良いかと思います。
……ただし気になるのは、「契約・返済のためにはジャパンネット銀行の口座開設が必要」という点。
もちろん既に同行のビジネスアカウント(事業者向け口座)を普段から使っているのなら何の問題も無いのですが、そうでないなら口座別のお金の管理が少しややこしくなるかもしれません。
このあたりが気になるようであれば指定口座の開設なく利用できる、信販会社や消費者金融会社系のビジネスローン利用を検討してみても良いでしょう。融資スピードも各銀行に比べれば格段に速いです(最短即日~)。
また「所得」を高く申告しているのであれば、低金利で借りられる一般向けローン(アイフルファーストプレミアムカードローン等)への申込を検討するのも良いでしょう。
- 保証人、担保、来店なしで借りられる
- 限度額の範囲内で何度でも借りられる
- 一括貸付型の事業融資に比べると高金利ながら、手軽に借りられるビジネスローンの中では低金利な方
- その代わりジャパンネット銀行のビジネスアカウントを使った返済必須、かつ融資に時間も掛かる
となります。
ローンの利便性と金利は比例することが多い(便利なローンほど高金利)のですが……。
「一括貸付型の事業融資に比べ高金利かつ便利」「消費者金融系ビジネスローンに比べると低金利な代わりに不便」といった点を考えると、ジャパンネット銀行のビジネスローンはその典型例と言って良いでしょう。
ジャパンネット銀行の審査は厳しい?唯一の申し込み体験談
一般的な事業性融資と消費者金融系ビジネスローンの中間地点にあたるような「ジャパンネット銀行ビジネスローン」。
そうなると気になるのはやはり「審査難易度がどちら寄りなのか」という点でしょう。
そこで今回同ローンの利用者を募ったところ、一名の方から詳しい体験談を頂戴することができました。
「申込が事実であると証明する、ジャパンネット銀行から届いたメールのスクリーンショット」と併せてご覧ください。
審査結果 | |
---|---|
否決(審査落ち) | |
申込時期 | 申込先商品 |
2018年10月頃 | ビジネスローン(個人事業主向け) |
年齢 | 保険証 |
30代 | 国民健康保険 |
事業内容 | 銀行取引の停止処分履歴 |
IT事業 兼 物販 | なし |
年商 | 所得 |
1000万円程度 | 450万円程度 |
営業年数 | 居住年数 |
1年 | 35年 |
社員数 | 家族構成 |
2名 | 単身、親と同居 |
他社借入 | 申込確認電話など |
なし | なし |
審査結果が出るまでに掛かった時間 | |
30分程度 | |
借入目的 | |
物販の商品仕入れ時の一時金としてキャッシュでの借り入れを検討していたため。 | |
申込先にジャパンネット銀行を選んだ理由 | |
銀行口座を既に保有しておりましたので、その運びで申込先に選びました。 | |
提出した書類 | |
運転免許証とマイナンバーカードの通知書。(※後者は不要なはず) | |
信用情報問題 | |
「2年」以内に、携帯電話料金の支払いを「1ヶ月」以上延滞した | |
審査についての感想 | |
特に審査上の不安事項はありませんでしたので、審査に落ちた時に逆に何が原因だったのだろうと考えたくらいです。 ただ、ひょっとしたら審査に厳しい企業なのかもしれないとも思いました。 審査の早さは驚きました。 審査基準はいまいちよく分かりませんが、とある会社で審査に落ちても別の会社では審査に受かるということもございますので、 | |
備考 | |
その後楽天銀行で融資の申込みを行い、限度額は50万円で融資が受けられました。 |
普通このローンの審査には1週間程度が必要とのことですから、30分で審査落ちメールが届いた、ということは機械審査の段階で「否決」という結果が出てしまったのでしょう。
年商・所得は十分ですから、審査落ちの理由を考えるとやはり「営業年数の短さ(1年)」「携帯電話の延滞履歴」が有力でしょうか。
1件のみの情報で断言することはできませんが、少なくともこのジャパンネット銀行ビジネスローンの審査、決して甘くはないようですね……。
とは言え1社のローンの審査に落ちることにさほどのデメリットはありませんから、「とりあえず申し込んでみる」ことは決して悪手ではありません。
★ただし「短期間のうちに立て続けに金融機関へ申し込みを行う」と、6ヶ月の間だけ審査通過が難しくなる場合があります(申し込みブラック)。
申し込みは1社ずつ、最低限の数のみ行いましょう。
ジャパンネット銀行に聞いた!契約の流れと必要日数、必要書類
ここからは「ジャパンネット銀行」への申込を決めたあなたのため、借入までの流れや必要書類等について簡単に説明させて頂きます。
①「ビジネスアカウント」が無いと、申し込み~契約には1ヶ月を要するとのこと…
「ビジネスローン」を利用する上で大事なメリットとなるのがその「契約の手軽さ」。
……ですが、手軽であることと「スピーディかどうか」はまた別問題です。
というわけで、実際に「ビジネスローン」の契約までに必要な時間を問い合わせてみました。
そこからお口座開設の手続きが入りまして、実行(融資)までには1ヶ月ほど見て頂ければと思います。
(2019年8月問い合わせ分)
なかなか時間が掛かりますね……。消費者金融系ビジネスローンが申し込み当日の融資に対応していることを考えると、融資スピードの差異はかなり大きいです。
すでに「ビジネスアカウント」をお持ちであればいくらか早い段階で借入が可能だとは思いますが、多くの方は審査に通過したとしても、借入までにはプラス3週間ほどが必要と考えて差し支えないでしょう。
★「ビジネスアカウント」はジャパンネット銀行の、「法人または個人事業主向け普通預金口座」を指します。
個人向けの「ジャパンネット銀行普通預金口座」とは異なるものであり、すでに個人用口座を持っていても新しく「ビジネスアカウント」口座の開設が必要となりますのであらかじめご承知おきください。
★法人が申し込みを行う場合、原則として代表者の連帯保証が必要となり書面郵送手続きの日数がかかるため、審査時間は個人事業主より長引きやすいです。ご承知おきください。
②おおまかな申し込み~借入の流れ
「ジャパンネット銀行ビジネスローン」契約の流れは以下の通り。
各種「ジャパンネット銀行ビジネスローン」
おおまかな契約の流れ
(この時点では口座不要)
必要書類の提出
(~1週間程度)
(簡易書留)
(ここまで1ヶ月程度)
一応フローチャートにはしてみましたが、やるべきこと(書類提出、ビジネスアカウントの開設申込など)があればその都度メール等で案内が入るかと思います。
手続き完了までに時間は掛かりますが、来店なしで必要な事業資金を借りられるようになるのは確かなメリットと言って差し支えないでしょう。
ちなみにこのローン、いわゆる「ローンカード」は発行されず、インターネット会員サービスと「ビジネスアカウント」を通した「銀行振込」(正しくは振替)のみを使って借入手続きを行うこととなります。
(振替=ジャパンネット銀行内でのお金の移動ですから、メンテナンス時間を除きいつでもお金の受け取りは可能です)
③ジャパンネット銀行ビジネスローン、契約までに必要な書類
「ジャパンネット銀行ビジネスローン」の契約、そして「ビジネスアカウント」作成のために必要な書類は以下の通りです。
一般個人事業主 | 限度額300万円以下 | 必要書類なし | 限度額300万円超 | 以下のいずれか一点
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一般法人 | 全申込者 |
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Yahoo出店者 freee会員 USS会員 | 個人事業主 | 原則不要 | 法人 | 代表者の連帯保証に関する同意書 |
全個人事業主 |
※本人確認書類の住所と現住所に相違がある場合、公共料金領収書などによる住所証明が必要です。 |
---|---|
全法人 |
他 ※登記上の住所と法人の現住所に相違がある場合、公共料金領収書などによる住所証明が必要です。 |
「ビジネスローン」の必要書類は「スマートフォンなどで書類を撮影+メールに添付して提出」できるのに対し、「ビジネスアカウント」必要書類は郵送で提出することとなります。
必要書類の数を見ても、「ビジネスローン」契約手続き以上に「ビジネスアカウント」作成のための手続きが面倒なものとなりそうですね……。
「ビジネスアカウント」開設のための詳しい手続き内容や必要書類、書類の送付先等については以下の公式HPをご覧ください。
とは言えこの過程について考えるのは、審査通過を確認した後でも良さそうです。
CHECKジャパンネット銀行公式HP「口座開設に必要な書類(営業性個人のお客さま)」
CHECKジャパンネット銀行公式HP「口座開設に必要な書類(法人のお客さま)」
④毎月の返済額は「最終借入時の借入残高」に応じて決定
審査に通過し、面倒な「ビジネスアカウント」の作成も済んだら、同口座用キャッシュカード等の受け取りと同時に自由な借入が可能となります。
先述の通りビジネスローンの借入方法は「インターネットサービスを通した振込」に限られるため、このキャッシュカードを借入自体に用いることはできませんが……。
「振込で受け取ったお金をATMから引き出す」ことは可能ですので、現金が必要な場合であってもご安心ください。
CHECKジャパンネット銀行公式HP「入出金・ATM」
CHECKジャパンネット銀行公式HP「ビジネスローンの借り方」
また借入の後に必須となるのが「返済」ですが……。
こちらは「月に一度、<最後に借入を行ったときの借入残高>に応じた定額を、ジャパンネット銀行ビジネスアカウントから自動引き落とし」という形でこなしていくこととなります。
(=返済が進んで借入額が減っても、追加借入を行わない限り毎月の引き落とし額は変わらない)
「ジャパンネット銀行ビジネスローン」における毎月の返済額は以下の通り。商品ごとに違いが設けられていますので、ご検討中のものをお選びください(クリック/タップで開きます)。
★ジャパンネット銀行ビジネスローンは元利方式、つまり「返済額の中から勝手に利息が徴収される」タイプの商品となります。
返済額の分だけ借入が減る…というわけではありませんので、あらかじめご承知おきください。
ちなみに金利13.8%の場合、1ヶ月あたりの金利は「借入残高の1.15%」前後となります。
例:通常個人事業主向けビジネスローンで100万円を借入、1ヶ月あたりの利息を11,500円としたとき、5万円返済時の借入残高は
50,000-11,500=38,500円のみ減る
CHECKジャパンネット銀行公式HP「ビジネスローンの返し方」
まとめ
- ジャパンネット銀行「ビジネスローン」のメリットは、「無担保・無保証人・来店なし」かつ「限度額の範囲内で何度でも借りられる」という手軽さ・利便性。
- 同じメリットを持つローンの中では比較的低金利な一方、「面倒な口座開設が必要」「融資に時間が掛かりやすい」というデメリットも。銀行などの一般的な事業性融資と消費者金融系ビジネスローンのちょうど中間のような立ち位置となるか
- 「営業1年、軽微な信用情報問題あり」という属性での審査落ち報告あり。審査は甘いとは言えない模様ながら、ダメもとで申し込むことにさほどのデメリットは無い
- 「ビジネスアカウント」を持っていない場合、借入可能になるまでには1ヶ月ほどの時間と郵送による書類提出が必要になるため注意したい
契約手続き…というより「ビジネスアカウント」の作成が面倒なジャパンネット銀行ではありますが、一旦環境を整えれば他社よりもおトクに借りられるのは嬉しいところ。
今すぐお金を調達したい…といった場面には向きませんが、「今後の臨時出費のための対策を整えておきたい」という場合には打ってつけの申込先と言えるでしょう。
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