【民法・借家法から見る】賃貸更新料を払わないとどうなる?まずは契約書をチェック!


「賃貸マンションの契約更新料が、重くてツラい……。
ネットでは支払い義務が無いとも読んだけれど、それって本当なの?」

結論から言うと、「契約書にそう書いてあるのなら」更新料の支払い義務から逃れることはほぼ不可能
これは民法における「契約自由の原則」に基づくもので、一度双方の合意のもとに契約を結んだら無かったことにはできないんですね。
とは言え、更新料を支払わないでいると即立ち退きを求められるか、と言うとそういうわけでも無いようです。

今回は取り沙汰されやすい「賃貸契約更新料の支払い義務」について、各法の観点から詳しくまとめました。
読み終えていただければ、あなたが置かれている状況とこれから取るべき行動が分かりますよ。

契約更新料に法的根拠は無いって聞いたけど……?


賃貸契約の更新料について、しばしば聞かれるのが「法的根拠が無い」という話。
確かに借地借家法をはじめとする各法には、更新料に関する記載は一切存在しませんが……。

民法の根底には「契約自由の原則」の考え方があります。
これは簡単に言うと、「遂行能力のある個人間で結ぶ契約の内容には口出ししませんよ」というもの。(公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とするものを除く:民法90条)

賃貸契約の更新料には法的根拠こそ無いものの、公の秩序を乱す・善良の風俗に反するとまでは言えません。(最高裁判例あり:リンク先国民生活センター判例PDF)
そうなると、結局効力を持つのは契約内容、つまり契約書の記載事項となってくるわけですね。

さて、ここで私も前回更新を行った際の契約書を開いてみました。


▲実際の賃貸借契約書の一部

「更新料」制度を定めている物件では、上のように更新条件(家賃の1ヶ月分を納入など)が明記されています。

この契約書は、契約書を結ぶ際にあなたがしっかり確認したことを前提としています。その証拠として、あなたと不動産会社(あるいは管理会社、大家さんなど)の判やサインを見ることができるでしょう。
実査に賃貸契約の際にも、いずれかのタイミングで内容の読み合わせなどを行ったのではないでしょうか。

契約は双方の同意によって成立します。
契約書に更新料に関する記載があるのなら、物件を出て行かない限り、支払い義務から逃れることはできないと見て良いでしょう。
これを無いことにするのは、約束を破ることと同じです。

★仮に契約書へ記載が無い場合、お金を支払う義務はありません。
ただし更新料を求める物件において、こんなに大事な項目を契約書から漏らすとは考えにくいです。
もしも記載がなかった場合には、それを根拠に支払いを行わないことを不動産会社などへ直接伝えて構いません。

金額が常識の範囲を超え、あまりに高額な場合は契約が無効となる場合もあります。
該当する可能性がある場合には、各法律相談などをご利用の上、専門家の意見を聞くことをおすすめします。

★実際には家賃に加え、保険料(任意)なども一緒に請求されることが多いです。
具体例については「更新料が払えないときには」のページをご覧ください。

更新料を支払わないとどうなるの?


さて、それで気になるのは「更新料を支払わないとどうなるか」という点ですが……。少なくとも私の契約書には、何の記載もありませんでした
家賃に関しては「遅延損害金を払わないといけない」「延滞したら入室禁止措置を取る」といった具体的な対抗例まで書いてあるのに、ちょっと不自然な気もします。
おそらくこれは以下の「借家借地法」を踏まえてのことでしょう。

第26条 建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の1年前から6月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。

(借家借地法より)

ここで分かることは、「結局更新料なんて支払わずとも、契約期間の更新はできる」ということ。家賃とは違い、更新料を支払わないという理由だけで家を追い出すことは、法律上できないわけですね。

それなら何故、前の項目では「更新料を支払わないといけない」という結論に至ったかと言うと……。
これがやや面倒なところで、「更新料は<更新料を支払う>という契約をしたから支払い義務が生まれた」から。もちろん更新料に関する契約事項が無ければ、更新料なしで契約を改めることができます。
(借家借地法第二十六条に従い自動的に契約が更新されることを、法定更新と言います)

ここまで言うと、「支払わないでも追い出されないなら、支払わない方が良いに決まってる!」と思われがちですが……。

更新料について明確な取り決めのある契約を反故にした場合、つまり更新料なしで今の物件に住み続けた場合、あなたは民法上の「債務不履行」という状況に陥ります。
するとどうなるかと言うと、民事裁判で訴えられると100%負けます

たった数万~十数万円で裁判なんて……と思われるかもしれませんが、60万円以下の金銭トラブルで利用される「小額訴訟」はたった1日で終了し費用も安いなど、比較的利用しやすいもの。
要するに「更新料を支払わなくても住み続けることはできるが、訴えられる可能性があるので素直に支払ったほうが良い」というわけですね。

★その他、貸し手と借り手の間の「信頼関係が破壊」された場合、賃貸契約の強制解除が可能とされています。
更新料を支払わないという理由だけでここまで至る可能性は低いものの、あらかじめご承知おきください。
ちなみに民事訴訟を起こされても、前科が付くことはありません。

★強制解約とまでは行かずとも、大家さんらからの心象が悪くなることで次回の更新を渋られたり、家賃を引き上げられたりといった可能性は十二分にあります。
結局のところ、契約書の内容を反故にすることはリスクが高く、決しておすすめはできません

まとめ

★更新料の法的根拠以前の問題となるのが「双方の合意のもと、契約を結んだかどうか」という点。
あなたが更新料の支払いに合意しているのなら(契約を結んでいるのなら)支払い義務から逃れることはほぼ不可能
(更新料が法外な金額の場合や、契約書に記載の無い場合などを除く)
★借地借家法により、更新料は支払わずとも賃貸契約を結び続けることが可能。つまり更新料を支払わないという理由だけでは部屋を退去させられることは無い
ただし大家さんとの「信頼関係が破壊」された場合はその限りでない上、いつ訴えられてもおかしくないというリスクは付きまとう。結局のところ、契約書に書いてあるのならそれに従うのが道理であり最善

何かと問題になりやすい、賃貸物件の更新料。
結局、すべての証拠となるのは「契約書」です。もしも今回更新料のために苦い思いをしたのなら、今後契約を結ぶ際にはしっかり内容を確認するよう心がけられると良いですね。

★更新料を用意できない場合の方法については、以下のページをご覧ください。

CHECK更新料が支払えないとき:貸主や不動産屋との賃料交渉・一時的なカードローン利用まで




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