病院で掛かる費用が融資の対象となる「医療ローン」(メディカルローン)。
保険の対象となる支出は原則3割負担であり、高額になれば「高額療養費制度」である程度賄うことができますが……。
ワキやVIO、全身などの美容脱毛にかかる費用、矯正やホワイトニングなどの審美歯科、美容整形など健康保険適用外の診療には、どうしてもお金がかかりますよね。
そういった時に使えるのが、メディカルローンです。
この医療ローン、エステサロンや病院で取り扱っていることも多いのですが……。
審査に自信のある方であれば、銀行のローンを利用することでより低金利に借りられる可能性があります。
今回は医療ローン・美容ローン・デンタルローンを検討している方のために、さまざまなローン商品を紹介していきます。
★以下で紹介するローンはいずれも、担保・保証人不要となります。
★ 2019年7月現在の金利、情報です。表記がない金利については、変動金利になります。
目次
医療ローン(デンタルローン・美容ローン)の種類と使い方
実は医療ローンは、病院・クリニック、サロンで勧められるもの以外にも多数存在します。
あなたが選択できる医療ローンには、一体どんなものがあるのでしょうか?
①基本的に借り入れ先は「信販会社」「銀行」の二択
保険が適用されない医療関連費用を何とかして支払いたい、と考えた場合、大きな候補となる医療ローン(メディカルローン)。
歯科関連費用専用の「デンタルローン」など、さらに細分化された商品も増えてきました。
美容外科(脱毛・美容整形関連)・審美歯科など高額な医療費が発生しやすい診察科目を設置している病院は、必ずと言っていいほど医療ローンを取り扱っています。
ですが、実は病院窓口で申し込みのできる医療ローンのほとんどが、信販会社=クレジットカード会社が提供するローン商品。つまり、病院はあなたとクレジットカードの橋渡しをしているに過ぎないわけですね。
そして、この信販会社が取り扱うローン商品は銀行のものと比べると高金利なものが多く、勧められるままに契約を結んでしまうと知らないうちに損をしてしまうかも……。
そんな事態を防ぐためには、ローンに関する正しい知識を身に着けなければなりません。
★信販会社系医療ローンと、銀行系医療ローンの比較(40万円を借り、2年間で返済する場合)
オリコ「多目的ローン」※1 金利13.2% | 457,296円 |
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千葉銀行「医療ローン」 金利5.2% | 422,014円 |
差額 | 35,282円 |
ただし、比較的金利の高い信販会社のローンは銀行のものに比べると審査に通過しやすいため、アルバイトの方や審査に自信のない方はこちらを利用するのも良いでしょう。
※1 オリコに医療専門ローンは存在しないため、多目的ローンを利用します。この場合、上限金利は13.8%となります。
②医療ローンを取り扱っている病院を利用しているのなら、まずは資料を請求してみよう
医療ローンを検討している方は、まず病院の窓口にて医療ローンに関する資料を請求してみましょう。
病院が取り扱っているローンを把握しないことには、よりベターなローンを探すこともできません。
「できるだけおトクに医療ローンを利用したい!」という方は、まずはじめに資料請求を行ってみましょう。
インターネットで医療ローンについて検索してみると、プロミス、アコムやその他消費者金融や銀行のカードローンを勧めるサイトが多く見受けられますが……。
一般的なカードローンの金利は信販会社系の医療ローン金利を大きく上回る(最大18%)ため、医療費捻出のためには向きません。
明日にでもお金が必要、という場合や10万円以下の少額借り入れを希望する場合を除き候補にはなり得ないと言えるでしょう。
★10万円以下の借り入れを希望する方であれば、レイクALSAの「180日間無利息キャッシングサービス」を利用することで利息を抑えることができます。
クレジットカードの分割払い手数料はカードローンほどではないものの、銀行系の医療ローン・多目的ローンに比べると金利は2倍以上になるケースも。(三井住友VISAカードの場合、金利12%~14.75%)
1年間程度(12回払い以下)で完済できるのであればさほど気になりませんが、それ以上の返済期間が必要であれば低金利ローンを探した方が良さそうです。
ちなみに、クレジットカードのキャッシング機能は消費者金融系カードローンと同等の金利となるため、分割払い以上におすすめできません。
医療ローンの審査はさほど厳しくはない:毎月安定した収入があれば通過可能
前述のように、医療ローンは病院やサロンではなく信販会社、つまりクレジットカード会社が提供しています。医療ローンを利用するためには審査に通過しなければなりません。
この審査に通過できるのは、一体どのような方なのでしょうか?
①医療ローンの審査は主にクレジットカード会社(信販会社)が行う
医療ローンの審査を行うのは、主に信販会社(クレジットカード会社)。
スルガ銀行など銀行系の医療ローンであっても、実際に審査を行うのは「ダイレクトワン株式会社」などの信販系企業となります。
オリコの医療ローンなど、多くの信販会社系ローンは専業主婦を含む自身に収入のない方の申し込みを認めていません。(=必ず審査落ち)
専業主婦や学生の方は、必ず申し込み条件を確認してください。
②クレジットカードや携帯電話料金の延滞履歴が残っていると審査落ちに
比較的金利の高い医療ローンであれば、収入が高くなくても利用することができますが……。
残念ながらこれまでのクレジットカード・携帯電話料金の支払い履歴に問題が見つかった場合、審査通過はほぼ不可能となります。
あなたの審査を行うクレジットカード会社は、あなたが今まで利用した金融機関の支払い履歴を確認することができます。
「クレジットカード・各種ローン・携帯電話」の支払いについて以下のことに当てはまった方は、審査落ちとなってしまう可能性が高いでしょう。
残念ながら、この記録は2年あるいは5年間消えることがありません。
中小消費者金融のカードローンであれば上記に当てはまる方も利用できる可能性がありますが、金利は18%と高くおすすめはできません。
心配のある方は、自身の支払い履歴、つまり個人信用情報を確認してみると良いでしょう。
医療費全般に利用できる「医療ローン」「多目的ローン」は銀行系を選ぶとベター
まずは、すべての医療費に利用できる「医療ローン」「多目的ローン」(フリーローン)について解説していきます。
★歯科関連費用を借り入れたい方は「デンタルローン」の項目をご覧ください。
銀行系ローンの魅力は何といってもその低金利。
ここでは金利10%を超えることの多い信販会社の医療ローン・多目的ローンに対し、金利6%未満の銀行ローンのみをピックアップしてみました。
①全国から申し込みのできるメガバンク系多目的ローン
全国的な知名度を誇る以下の3つの銀行は、6%未満の低金利で融資を行っています。
基本的に融資の対象は最低でも年200万円以上の安定した収入のある方となり、残念ながらパート・アルバイトの方が審査に通過することは困難です。
金利 | 5.975% | 申し込み可能額 | 10万円~300万円 |
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利用条件 |
金利 | 5.875%(変動) | 申し込み可能額 | 10万円~300万円 |
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利用条件 |
②限られた地域から申し込みの可能な地方銀行の医療ローン
医療ローンを取り扱っている地方銀行はさほど多くありません。そんな貴重な銀行の中から、とくに金利の低いものを探してみました。こちらも安定した収入のある方が審査通過の対象となります。
メガバンク系よりも条件の良いローンが多いですが、居住地域制限を満たしていない方が審査に通ることはできません。必ず利用条件をよく確認した上で、申し込みを行ってくださいね。
金利 | 3.5% | 申し込み可能額 | 10万円~300万円 |
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利用条件 | ★金利3.0%の「がん先進医療費プラン」あり |
金利 | 3.0% | 申し込み可能額 | 1万円~300万円 |
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利用条件 |
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金利 | 4.5% | 申し込み可能額 | 10万円~500万円 |
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利用条件 |
金利 | 5.0%~5.2% | 申し込み可能額 | 10万円~500万円 |
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利用条件 |
金利 | 3.875% | 申し込み可能額 | 10万円~1000万円 |
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利用条件 |
残念ながら、医療に特化したローンや低金利多目的ローンを取り扱っているのはほとんどが関東圏の地方銀行のようですね。
その他、ごく一部の信用金庫なども低金利ローンを取り扱っていることがあるため、お近くの金融機関について調べてみるのも良いでしょう。
その他、「金利と審査難易度・審査基準から見る多目的ローン一覧」のページも参考にしてみてくださいね。
★銀行が提供する医療ローンが必ずしも低金利、というわけではありません。
歯科関連費用に使える「デンタルローン」は低金利商品多数!
インプラント、歯列矯正のための費用など、歯科関連費用にのみ利用できる「デンタルローン」には、上で挙げた銀行ローンよりもさらに低金利な商品も。
保険適用外の治療を希望する方のために、ぴったりのデンタルローンをまとめました。
★この項目で紹介するローンは、いずれも歯科医院の加盟登録が必要です。
すでに非加盟の歯科医院で治療を受けることが決まっている方は、銀行の医療ローン・多目的ローンをご利用ください。
①注目は36回払いまで無金利の「スマイルライン・デンタルクレジット」
デンタルローンを希望する方にとって最も利用しやすいのが、「スマイルライン・デンタルクレジット」システム。
なんと36回払い(3年)までなら一切無金利・手数料無料となります。
金利 | 0%(36回払いまで) 3%(42回以上) | 申し込み可能額 | 3万円~500万円 |
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利用条件 |
スマイルライン・デンタルクレジットに加盟している、という理由で歯科を選ぶ方は多いため、加盟するだけで病院の宣伝になるんですね。(おまけにこの金利は病院の経費で落ちるとのこと)
今のところ加盟歯科の一覧機能は存在しないようですが、「地域名 スマイルライン・デンタルクレジット」で検索を掛けることで、ある程度の情報を得ることができます。
残念ながら地方には普及が進んでいないようですが、都市部にお住まいの方はぜひとも歯科選びのヒントに使ってみてくださいね。
②ジャックスの「デントキュア」は4.5%の低金利
信販会社系の医療ローンにおいて、例外的にメガバンクの多目的ローンに匹敵する低金利(6%未満)で融資を行っている「ジャックス」。
デンタルローンの場合にはさらに金利は下がり、メガバンクを下回る年4.5%となります。
金利 | 4.5% | 申し込み可能額 | 最大500万円 |
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利用条件 |
「スマイルライン・デンタルクレジット」に比べると多くの歯科医院が加盟しているため、身近な病院で利用しやすいのもポイントです。
……とは言え加盟医院は東京都で43件。加盟医院0件の都道府県も存在するため、都市部にお住まいの方でなければ利用しづらいかもしれません。
その他、千葉銀行もデンタルローンを取り扱っていますが、上で紹介した医療ローンとの違いはありません。
美容外科やエステサロンでは多様なローンを選択できることも多い
最後に、需要の高まっている美容外科やエステサロンでのローンについて解説していきます!
美容外科・エステサロンは、高額な施術がほぼ前提となることもありローン商品が非常に充実しているのが特徴。
以下は湘南美容外科の公式HPのスクリーンショットの一部ですが、なんと5社のメディカルローンを選択できるんですね。
ただし、いずれも未成年の方が契約を結ぶことはできません。
まずは資料を受け取った上で金利の低い信販会社(ジャックスなど)に申し込み、審査に落ちてしまったら別の会社を狙ってみると良いでしょう。
★金利が低いローンほど、審査は厳しい傾向にあります。
提携信販会社のローン金利に納得いかなかった場合には、もちろん銀行系医療ローン・多目的ローンの利用も可能ですよ。
★最近増えている「月額制の美容脱毛コース」は実質、信販会社のメディカルローンとなることも多いです。
10%以上の金利が掛かることも多いため、必ず事前にプランを確認してください。
まとめ
- 病院で紹介される医療ローンは高金利なものも多い。金利10%以上のローンを勧められた場合には、銀行での借入も検討しよう
- 「スマイルライン・デンタルクレジット」に加盟している歯医者を選べば、3年間無利息でローンを利用できる!
- 気軽に利用しやすいクレジットカードの分割払いは、短期間で支払いができる場合にのみ利用しよう
わずかな手間をかけるだけで、低金利に利用できる医療ローン(メディカルローン)。
保険適用外の施術を希望する会社員・公務員の方は、ぜひとも検討してみてくださいね。
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