国の教育ローンと奨学金の違いは何?併用もできる二つの教育資金用ローン

何かと比較されやすい「国の教育ローン」(教育一般貸付)と「奨学金」。奨学金にはいろいろ種類がありますが、メインとなるのは日本学生支援機構が取り扱うものでしょう。
実はこの2つのローン、「教育資金用」ということ以外はまったくの別モノ。融資の方法から借り入れ上限額、返済に至るまで、大きな違いがあります。

今回は国の教育ローンと奨学金について、「どっちを選べばいいの?」「併用は可能なの?そのメリットは?」といった疑問にお答えしていきます!

★「国の教育ローンって銀行とどう違うの?」「奨学金って何?」という方は、『国の教育ローンについて』『奨学金とは』のページを先に読んでみてください。



国の教育ローンと奨学金の違い

まずは、ふたつのローンの特徴と違いを把握していきましょう!

①2つのローンの違いのまとめ

国の教育ローン 奨学金(日本学生支援機構)
金利 1.81%
(2016年12月現在)
1%前後
※成績優秀者の場合0%
取り扱う組織 日本政策金融公庫 日本学生支援機構
学生一人あたりの限度額 350万円 月3万円~21万円(法科大学院)
×在学年数
返済義務を負う債務者 20歳以上の原則保護者 学生本人
申し込み期間 随時 現在通学している学校が指定する期間
例外的に臨時採用もあり
貸付タイプ 一括貸付 月々分割貸付
返済開始時期 借り入れの翌月または翌々月
ただし在学期間中は利息のみの返済可
卒業後、場合によって猶予も可
返済期間 15年以内
(交通遺児、母子・父子家庭、世帯年収200万円以下の場合18年)
借り入れ金額により変動
詳細日本学生支援機構公式HP「返還期間」
主な利用先 対象は1年分の教育資金 月々の生活費や学費など、継続的に必要な資金

これだけを挙げてみても、ふたつのローンがまったく別モノということがわかりますね。

②最も大きな違いは「誰が返済するか」という点

学生自身が学校卒業後に返済を行う奨学金と違い、国の教育ローンの返済を行うのは主に保護者。ここがふたつのローンの最も大きな違いでしょう。
返済の責任を負うのは契約者ですが、国の教育ローンを契約できるのは20歳以上の安定した収入のある方のみとなっています。

③借り入れ金額は圧倒的に奨学金の方が大きい

350万円より大きなお金が必要であれば、奨学金を選択しましょう。(海外進学の場合は450万円)
第二種奨学金で借りられる金額は、以下のようになります。(第一種奨学金については日本学生支援機構公式HPをご覧ください。)

★第二種奨学金の学校別借入可能額

大学生、短大生
高等専門学校(4年、5年のみ)
専修学校
月30,000円
月50,000円
月80,000円
月100,000円
月120,000円
大学生
(私立大学の医・歯学家庭)
月30,000円
月50,000円
月80,000円
月100,000円
月120,000円
月160,000円
大学生
(私立大学の薬・獣医学家庭)
月30,000円
月50,000円
月80,000円
月100,000円
月120,000円
月140,000円
大学院生 月50,000円
月80,000円
月100,000円
月130,000円
月150,000円
大学院生
(法学)
月50,000円
月80,000円
月100,000円
月130,000円
月150,000円
月190,000円
月220,000円

通う学校の種類ごとに、指定された金額をそれぞれ選択可能です。ちなみに月10万円を4年間借り続けると、借り入れ総額は480万となるわけですね。ここに所定の利息が追加されます。

ただし、借り入れ金額が大きいというのはそれだけ返済が大変だということ。返済のことを考えて、必要最低限だけ借り入れを行うようにしましょう。
日本学生支援機構公式HP:奨学金貸与・変換シミュレーションも利用してみてくださいね。

④卒業後に本格的に返済をはじめたいなら、奨学金を選ぼう

借り入れの翌月または翌々月から返済が始まる国の教育ローンと違い、奨学金は学校卒業後に返済が始まります。学生のままでは十分な支払い能力がないからですね。
また、利息を取られる第二種奨学金であっても在学中は利息が発生しないのも嬉しいところです。

国の教育ローンにも、「学校在籍期間は利息のみの支払いで良い」という制度がありますが……。
やはり利息は少ないに越したことはないため、この点では奨学金の方が優れていると言えるでしょう。

ちなみに、100万円を国の教育ローンで借りたとき、1ヶ月あたりに発生する利息額は約1487円です。これを4年間支払い続けるとなると、合計額は71376円。支払うのと支払わないのでは、大きな違いがありますよね。

⑤一時的な借り入れなら教育ローン、継続的な借り入れなら奨学金がおすすめ!

結論を言うと……。
入学金など一時的にお金が必要なのであれば国の教育ローン、学費や一人暮らしの費用など継続的にお金が必要なのであれば奨学金を利用してください。

「一度にすべてのお金を貸し出す」「月々決められたお金を貸し出す」という貸与方法の違いからも、二つのローンが想定する使い道がまったく違うことがわかります。

「教育のために必要な資金を貸す」という点では共通している二つのローンですが、実は混同できないまったくの別物なんですね。

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国の教育ローンと奨学金は併用可能!そのメリットは?

国の教育ローンと奨学金はまったく別のもの。だから、2つのローンを一緒に使うこともできるんです。
でも、それってどんな意味があるんでしょうか?

①期限までに入学金が必要なときに役に立つ!

2016年12月時点では、国の教育ローンより奨学金の方が低金利。そのため、同じ金額を借りるのであれば奨学金を利用した方が良いのですが……。

特に私立大学に入学する場合、合格~入学までにとても大きなお金が必要です。
例えば、青山学院大学文学部の場合だと入学金+施設整備料だけでも30万円以上

奨学金には入学時特別増額制度もありますが、これは4月分の奨学金に上乗せされる形で支給されます。そのため、入学金の支払期限には間に合いません

このとき、国の教育ローンに事前に申し込んでおけばちょうど良いタイミングで融資を受けられるんですね。

②ブラック状態でなければ、それぞれの審査にさほど問題はない

いわゆる「ブラック状態」と呼ばれる人でなければ、国の教育ローン・奨学金の審査ともに大きな問題はありません。ですが、どちらかと言うと奨学金の方が審査に通過しやすいようです。
ブラック状態とは、主にクレジットカードや各種ローン、携帯電話の料金を3ヶ月以上滞納した人や、自己破産など債務整理の経歴がある人のことを言います。

★それぞれの審査基準については『国の教育ローンの審査』『奨学金の審査』で詳しく解説しています。

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国の教育ローンと日本学生支援機構以外の、教育資金借り入れ方法について

教育費を提供してくれる組織は、国の教育ローンと日本学生支援機構以外にも存在します!

①銀行など金融機関の教育ローン

あなたが普段利用している銀行やJA、信用金庫といった各種金融機関も教育ローンを取り扱っています。
基本的に国の教育ローンより金利は高いのですが、一部優遇条件を満たすことで国の教育ローンより低金利になる金融機関も。
普段からJAや信用金庫を利用しているのなら、一度チェックしてみる価値アリです!

ちなみに、所得上限制限がないという点以外に、大まかな使い道について国の教育ローンとの違いはありません。
各社の教育ローン比較については『国の教育ローンについて:国と民間の教育ローン比較』を参考にしてみてください。

②大学独自の奨学金制度

主に成績優秀者を対象として、大学から給付金や学費免除を受けられることがあります。
返済の義務があるものやないもの、一度きりのものや継続的なものと、大学や奨学金制度によって詳細は様々。
充実度の差はあれ、ほぼすべての大学で独自の奨学金制度は行われているので、まずは進学する学校の公式HPを見てみましょう。

例:慶應義塾大学の学内奨学金制度の一部(返済義務のないもの)

奨学金名 対象 支給予定金額(年額) 採用予定人数
慶應義塾大学給費奨学金 学部
(私費外国人留学生可)
50万円 310名程度
慶應義塾大学大学院奨学金 大学院
(私費外国人留学生可)
50・60万円
(研究科による)
220名程度
修学支援奨学金 学部・大学院
(私費外国人留学生可)
学費の範囲内 100名程度
慶應義塾維持会奨学金 学部 50・80万円
(学部による)
120名程度
創立150年記念奨学金 海外学習支援(年3回) 学部 10・20・30万円 65名程度
東日本大震災被災塾生特別奨学金 学部・大学院 学費の範囲内

<一部の大学校なら、授業料免除どころか給料が出ることも>

「防衛大学校」「防衛医科大学校」「海上保安大学校」「気象大学校」「航空保安大学校」といった、入学時点で国家公務員とみなされる一部の国立大学校に入れば、授業料が掛からない上に給与を受け取ることができます。

加えて卒業後の進路が保証されていることもあり、人気の高いこれらの大学校。

入学するのは大変ですが、経済的な理由で進学を諦める前に検討してみるのもアリでしょう。

③都道府県や市町村の奨学金制度

都道府県や各市町村も、奨学金を取り扱っていることがあります。こちらも大学独自のものと同じく、その性質はバラバラ。
ただし、東京都や新宿区のように、高校生や高等専門学校生のみを融資の対象としていることも多いので必ず申し込み条件を確認しておきましょう。

④新聞奨学生

各新聞社が行っている新聞奨学生の制度。新聞社の業務を行う代わりに学費を負担してもらう制度のことで、払ってもらったお金について返済の義務はないのですが……。
実際は拘束時間がかなり長く、学問と両立することが困難になることも多いようです。よく検討した上で申し込みを行いましょう。

⑤一時的な借り入れなら銀行カードローンや多目的ローンも

入学金や施設設備費、教科書代など、一時的にお金が必要なら、各種銀行カードローン多目的ローンの利用もアリでしょう。
三井住友銀行の場合、銀行カードローン金利は4.0%~14.5%、多目的ローン金利は5.975%(無担保)。
いずれも国の教育ローンより高金利ですが、すぐに返済可能であれば大きな違いは生まれません。

★各種借り入れ方法の比較(三井住友銀行の場合)

金利 借り入れまでに必要な時間 利用用途
教育ローン(無担保) 3.475% 数日間 教育関連費のみ
多目的ローン(無担保) 5.975% 数日間 自由
(使い道を証明する書類必須)
カードローン 4.0%~14.5%
※初回は14.5%が多い
最短1時間 自由

まとめ

国の教育ローンは入学費や教科書代など一時的な出費に、奨学金は学費や一人暮らしの費用など、継続的な出費に利用しよう!

★とくに私立大学の入学時など、一度に多くのお金が必要な時にはふたつのローンの併用もあり

似ているようでまったく別モノな二つのローン。お金が必要な場面に合ったものを選択しましょう!





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