【学生必見】年金支払いを免除・猶予される4つの条件と未納時のデメリット

「20歳を前に年金関連の書類が届いたけれど、まだ学生だし支払いなんてこなせない!」
「生活が不安定で、年金を支払っていられない……。」

そんなあなたのために、国民年金には「免除」「猶予」といった制度が設けられています。
その適用条件を満たしきちんと申請すれば、将来的にある程度の年金を受け取り可能
もちろんきちんと毎月年金を納めている方に比べるとその金額は減ってしまいますが、「未納」のせいで差し押さえ処分を受けるよりはよっぽどマシに決まっていますよね。

今回は年金の「免除」「猶予」制度とその適用条件と、「未納」時のデメリットを詳しくまとめました。
読み終えていただければ、この後あなたがどのように年金制度と向き合っていけばよいか分かりますよ。

年金を支払わなくてもいいのはどんな人?年金の免除・猶予制度について

前提として、国民年金(または厚生年金)に加入するのは国民の義務……というより20歳になると半自動的に加入することになります。

日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の方で、厚生年金保険に加入していない方は、すべて国民年金の第1号または第3号被保険者となります。

(日本年金機構公式HPより)

20歳の誕生日が近づくと自治体から年金加入案内が届くため、通常であればこの案内に沿って加入手続きを行えばよいのですが……。
現在のあなたの生活状況などによっては、保険料の「免除」や「猶予」が認められることも。
まずはその条件を紹介していきます!

①免除・猶予を受けられるのは「学生」「失業者」「DV被害者」「低所得者」

国民年金保険料の免除・猶予を受けられるのは、以下に該当する方に限られます。

★国民年金保険料の免除・猶予を受けられる方

区分 概要他
学生(納付特例期間)
「学生納付特例制度」
猶予
  • 各種学校在学中(留年含む)は原則支払い義務なし
  • 本人の収入によっては猶予を受けられないことも
DV被害者
「特例免除」
一部免除~全額免除
  • 本人の収入によっては免除を受けられないことも
失業者
「失業による特例免除」
猶予~全額免除
  • 世帯収入、その他審査内容により「猶予」か「免除」か、免除の場合は何割程度が免除されるか決定
所得が高くない場合 猶予~全額免除
※生活保護受給者は上記にかかわらず、一律で「全額免除」となります。
※いずれも納付期間後、10年間の「追納」が可能

これに該当しない場合には、国民の義務として年金を支払っていく必要があります。
が、意外と「一部免除」の基準はさほど厳しくなく、年収200万円程度であっても4分の1免除を受けられる可能性がありますよ。(ただしその分、将来もらえる年金は減ります。詳しくは後述)

CHECK「所得」を理由として年金保険料の免除・猶予を受ける条件

各猶予・免除申請方法については、以下の日本年金機構公式HPをご覧になるか、お近くの市区町村窓口などへお問い合わせください。
ちなみに猶予や免除の審査結果が出るまでには、数か月程度の時間が掛かります。

CHECK日本年金機構公式HP「学生納付特例制度」
CHECK日本年金機構公式HP「配偶者からの暴力を受けた方の国民年金保険料の特例免除について」
CHECK日本年金機構公式HP「保険料を納めることが、経済的に難しいとき」
CHECK失業保険(雇用保険の失業手当)について

②免除・猶予制度の概要・違いと将来もらえる年金額について

年金を支払えない、という場合に利用できる免除・猶予制度の概要と、将来への影響は以下のように
なります。

★免除・猶予制度の概要

概要 将来への影響
全額免除 年金保険料を支払わなくて良い 保険料を全額納付した場合の年金額の「2分の1」が支給
4分の3免除 年金保険料の支払いが4分の1になる 保険料を全額納付した場合の年金額の「5分の8」が支給
半額免除 年金保険料の支払いが2分の1になる 保険料を全額納付した場合の年金額の「3分の2」が支給
4分の1免除 年金保険料の支払いが4分の3になる 保険料を全額納付した場合の年金額の「8分の7」が支給
猶予 年金保険料を支払わなくて良い 老齢基礎年金の支給額は増えない
(=猶予期間が長いほど、将来もらえる金額が減る)

一見すると「全額免除」と「猶予」は似ていますが、将来への影響の面で大きく異なります。
「免除」は「実際の支払額以上を<支払ったことになる>制度」と思っていただくと良いでしょう。

★一見すると、「猶予」も「未納」も<現在保険料を支払わず、将来影響が出る」という点で大して変わらないようですが……。
将来的に年金を受け取るためには「10年間の受給資格期間(保険者期間)」が必要で、この資格期間には「免除されていた期間」「猶予されていた期間」も含まれます。
そして何より免除・猶予は年金保険料を支払わなくて済む、堂々とした理由になるもの。
面倒な手続きを踏んででも、「未納」より「猶予」を選ぶべきだと言えます。

CHECK年金「未納」のデメリット:年金を支払わないとどうなるの?

「所得」を理由として年金保険料の免除・猶予を受ける条件

上の項目でも触れた通り、「所得が低い」という理由で年金保険料の免除・猶予を受けることは可能ですが……。
その基準は「扶養している家族が何人いるか」「社会保険料控除を受けられるか」といったいくつかのポイントによって変わります。
ここでは「所得」を理由に免除・猶予を受けるための条件について、その概要をまとめました。

<そもそも「所得」って?収入とは別物なので注意>

この項目でたくさん出てくるのが「所得」という言葉。
一般には似たような意味で使われていますが、厳密に言うと「収入」とは別のものとなります。

会社やお客さんなどから頂いたお金を、1年分合計したものが一般に年間収入(年収)と呼ばれます。
これに対して所得とは、お仕事の形に合わせて以下のように計算することができます。
・給与所得者の場合……年収ー給与所得控除
・個人事業主の場合……年収ー必要経費

「給与所得控除」の算出方法は以下の通り。(平成29年版)

年収(源泉徴収票の支払金額)
180万円以下
収入の40%
もしくは65万円(高い方を採用)
年収180万円超過~360万円 収入の30%+18万円

これに沿って計算すると、年収200万円の場合、給与所得控除額は78万円。
200万円-78万円というわけで、年収200万円の場合の所得は「122万円」となります。

あなたの「所得」をチェックしたところで、これをもとに保険料の免除・猶予基準を見てみましょう。

★国民年金保険料の免除・猶予を受けられる所得基準

適用条件
全額免除 前年度所得≦(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
4分の3免除 前年度所得≦78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
半額免除 前年度所得≦118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
4分の1免除 前年度所得≦158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
納付猶予制度 前年度所得≦(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

「扶養家族がおらず、年収200万円=所得122万円」という場合には、申請・届出次第で4分の1免除が受けられるわけですね。

ちなみに、あなたが世帯主で扶養する家族がいる場合の「扶養親族等控除額」は以下のようになります。
15歳以下の扶養家族はカウントされませんのでお気を付けください。

★扶養親族等控除額

一人当たりの控除額
16歳以上の扶養家族 38万円
19歳~22歳の扶養家族 63万円
70歳以上の扶養家族 本人または配偶者の直系かつ同居中 58万円
本人または配偶者の直系ではなく、同居中 48万円

その他、「社会保険料控除額」は扶養家族などに代わって保険料を支払った金額のことを言います。

CHECK国税庁公式HP「社会保険料控除」

★「猶予や免除を受けられそうで、その制度を利用したい」という場合には、市区町村の国民年金担当窓口へ申請書を提出する必要があります。

ご覧の通り、「免除」や「猶予」の基準を計算するのは面倒です。
よく分からない、という場合には年金事務所などで相談を行い(電話もOK)、代わりに計算してもらうのが良いでしょう。そのまま、条件に合った猶予・免除の制度を紹介してもらえるかもしれません。

「(お住いの市区町村) 年金相談」などで検索を掛ければ、すぐに相談窓口が分かるかと思います。決してすべてを自分自身で計算する必要はありません

★免除・猶予の有効期間は1年間です。翌年も免除・猶予を希望する場合には、再び申請が必要となります。

★「過去(最長で2年1ヶ月前まで)にさかのぼった免除・猶予申請」も可能です。

CHECK日本年金機構公式HP「国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間」

年金「未納」のデメリット:年金を支払わないとどうなるの?

年金の免除や猶予を受けるためには、少なからず手間が掛かります。
この手間を惜しんで保険料を支払わずにいると、後になってひどく後悔しかねないので絶対にやめましょう。

まず、「未納」自体についてのデメリットは以下のようになります。

障害や死亡といった不慮の事態が発生すると、障害基礎年金遺族基礎年金が受けられない場合があります。
老齢基礎年金を、将来的に受けられない場合があります。

日本年金機構公式HPより)

一つ目の項目については扶養している家族がいる場合、特に重要ですね。
二つ目の項目に記載してある「老齢基礎年金」とはいわゆる「将来もらえる年金」のことで、「年金を10年間支払う、もしくは免除・猶予される」ことで一応受給資格は満たせるものの、未払い・免除・猶予期間が長いほど受給できる金額は少なくなります

詳細猶予を受けた後は「追納」した方がいい?

とは言え、これくらいのデメリットであれば「たんす貯金の方が安心できる」という一言だけでも言いくるめられてしまいそうなのですが……。

若い人、とくに年金に対する不信感を持っている人にとって最も大きなデメリットは、「差し押さえの危険がある」ことでしょう。
こちらが、日本年金機構による2017年12月の公式発表となります。

日本年金機構では、国民年金第1号被保険者の皆さまに国民年金制度及び保険料の納付義務についてご理解いただくとともに、年金権の確保につなげるため、様々な収納対策に取り組んでいます。
本年度においては、控除後所得額 300 万円以上かつ未納月数 13 月以上の方(控除後 所得 350 万円以上である場合は、未納月数 7 月以上の方)を対象に強制徴収を実施しており、国民年金保険料を支払う能力をお持ちでありながら、たび重なる督励にもかかわらず、保険料を納付する意思がない方に対し、財産調査や差押えを集中して取り組むものです。

日本年金機構公式HP「「国民年金保険料強制徴収集中取組月間」の実施について」(PDF)より引用)

というわけで、ある程度の所得があるにもかかわらず請求を無視し続けた場合には問答無用で差し押さえが実施される可能性があります。

差し押さえが行われると、預金や生命保険、ときには今後の給与などの財産が強制的に没収されます。
特に給与が差し押さえられてしまうと勤務先にもあなたが「年金の滞納で差し押さえ処分が下った」ことが知られてしまい、社会的信用を失うことにもなりかねません。

このとき没収される金額は、滞納中の保険料額に9%程度(平成30年分)の延滞金を乗じたもの。つまり最初から素直に支払っておけば必要なかったはずの延滞金まで取られてしまうわけですね。

日本年金機構によると、実際に差し押さえに至った数は平成29年の4月~9月だけで4,300件にも上るとのこと。
今は所得が300万円未満でも、今後所得が増えるに従いさかのぼって保険料を請求される可能性もあります
どうしても支払えないのなら猶予・免除の相談を、そうでないのなら折り合いをつけて毎月少しずつでも年金を支払っていくのが、若い世代の義務となるでしょう。

CHECK差し押さえについて

★すでに多額の請求が発生している場合、窓口へ相談に出向くことにより分割払いなどを認めてもらえることがあります。

猶予・免除を受けた後は「追納」した方がいい?

特に学生さんが「猶予」制度を利用する上で気になりやすいのが、「後々<追納>した方が良いのか?」という点。
追納とは見てのとおり「追って納付する」、つまり生活に余裕が出てきてから過去に免除・猶予された保険料を支払うことを言います。
延滞ではないので延滞金は発生しません。(ただし3年以上前の年金になると、経過期間に応じた加算額が上乗せされるため当時の金額より1ヶ月あたりの金額はやや高くなります)
また、未納ではなく「保険料免除・猶予」を受けていた場合には10年分の追納が可能です。

日本年金機構は積極的に「追納」を勧めていますが……。
正直なところ、このあたりは個人の判断に任せられるかと思います。
「所得税や住民税が軽減される」「将来もらえる年金が増える」ことを念頭に置いて判断すると良いでしょう。

▲日本年金機構公式HPより

ちなみに「追納したほうがおトクなのか、そうでないのか」といった疑問に答えを出すことはできません。というのも、年金支給額は少子高齢化に基づき今後も引き下げられていくと考えられる上、「何年年金をもらえるか=何歳まで生きるか」が現時点では決して分からないからですね。

とりあえず今の基準で考えると、全期間・満額年金を支払い続けてきた場合の老齢基礎年金支給額は「月64,941円」となる模様。
このうち4年間の猶予を受けていた場合、給付額は「月60,071円」程度になるようですね。思ったよりは差が出るかと思います。

CHECK日本年金機構公式HP「年金の受け取り(老齢年金)」

4年分の年金保険料を60万円とすると、単純計算で123ヶ月、つまり10年と少し年金をもらえば(受給開始を65歳としたとき、75歳くらいまで生きれば)元を取れる計算になります。
ここに所得税・住民税の控除などを踏まえた上、追納計画を立てると良いでしょう。

ちなみに追納方法については年金事務所での手続きが必要になるようですね。

年金事務所で申し込みを行っていただき、厚生労働大臣の承認を受けたうえで、納付書をお渡しします。
お渡しした納付書でお支払いしていただきます(口座振替ならびにクレジット納付はできません)。

日本年金機構公式HPより)

まとめ

★年金保険料の免除・猶予対象となるのは「学生」「DV被害者」「失業者」「低所得者」
低所得者の条件は意外と厳しくないため、相談次第で4分の1免除を受けられることは多そう
★年金を支払わないと将来の支給額が減ってしまう。そして若いうちであっても差し押さえ処分により社会的信頼を失ってしまう危険性も……。
年金を支払いたくない、という場合でも諦めて支払いをこなした方が結局は無難
★免除・猶予された場合、保険料納付義務はないが「追納」しておけば将来もらえる年金を満額に近づけることができる

少子高齢化により不信感が抱かれやすい年金制度ではありますが、とりあえず「支払いをこなしておけば差し押さえの憂き目を見ることもありません。
どうしても支払いが難しい理由があるのなら、お近くの年金窓口へ相談してみることをおすすめします。



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