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口座買取・譲渡で問われる罪とは

【口座買取・譲渡】で問われるのはどんな罪?闇金関連やよくある事例・自首の是非も
「何とかしてお金を手に入れたい。
到底マトモな業者から借りられないような自分でも、口座を売ってお金を作れるって聞いたけれど……?」

あなたの預金口座を数万円で買い取ってくれる業者は、検索を掛ければすぐに見つかります。そして口座を売ること自体は決して難しいことではないでしょう。
が、結論から言うとこの行為は「犯罪収益移転防止法」(正しくは「犯罪による収益の移転防止に関する法律」)、場合によっては「詐欺罪」に問われ、口座を売って手に入れた金額の10倍以上の罰金を請求されることもまったく珍しいことではありません。(前科も付きます)
「バレなきゃ問題ない」のは事実でこそありますが、売却した口座が犯罪に使われ、数百万円単位のお金が頻繁に動けば本当にすぐ、銀行に目を付けられてしまいます。その後、銀行から警察に連絡が向かうことはまったく不自然ではないでしょう。

今回は何らかの事情で「口座買取」を検討されている・あるいはすでに売却してしまったというあなたのために、考えられるリスクやこれから取るべき行動をまとめました。
読み終えていただければ今できる範囲で、危ない橋を避けることができるかと思います。



口座を売却したくらいで罪に問われるって本当?

ネットで少し検索するだけで、いくらでも見つかる「口座買取」業者。「即日入金」がうたわれていることも珍しくなく、手軽な資金調達方法であることには間違いないのですが……。
この記事をご覧いただいていると言うことは、何となくでも「マズいことなんじゃないか」といった不安があるのでしょう。そこでまずは、法令に基づく口座売却のリスクを解説していきます。

①結論から言うと「本当」、起訴されると罰金刑が課せられることが多い

口座を売ればその日に数万円のお金が入る。たったこれだけの手続きで、罪に問われるとは信じがたいところがあるかもしれませんが……。
結論から言うと口座売却・譲渡は100%の確率で、「犯罪収益移転防止法違反」となります。

第二十八条
他人になりすまして特定事業者(銀行など)との間における預貯金契約に係る役務の提供を受けること又はこれを第三者にさせることを目的として、当該預貯金契約に係る預貯金通帳、預貯金の引出用のカード、預貯金の引出し又は振込みに必要な情報その他特定事業者との間における預貯金契約に係る役務の提供を受けるために必要なものとして政令で定めるもの(以下この条において「預貯金通帳等」という。)を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者も、同様とする。

2 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同項と同様とする。通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同様とする
3 業として前二項の罪に当たる行為をした者は、三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

(「犯罪による収益の移転防止に関する法律」より・一部中略)

以上の内容を簡単にまとめなおすとこんなかんじですね。

  • 銀行口座やキャッシュカード等を他人から受け取った者は「1年以下の懲役」または「100万円以下の罰金」、またはその両方を課される
  • 正当な理由なく(あるいは金融取引として等)口座を譲り渡した者も同罪
  • 業として(=反復的・継続的に)上記の内容を行った場合、「3年以下の懲役」または「500万円以下の罰金」またはその両方が課される
  • というわけで、他人の口座を買うことはもちろん、売ることもほぼ問答無用で犯罪行為となってしまうわけです。

    これだけでも十分大きな問題なのですが……。
    仮にあなたが「口座を売却(譲渡)する目的で」新しく口座を作成した場合には、犯罪収益移転防止法に加え詐欺罪が適用されることになります。

    銀行口座を開設する際には、必ず何らかの同意事項の確認を求められます。その中には必ず「譲渡の禁止」が盛り込まれていることでしょう。
    これに反して口座開設の契約を結ぶことは、銀行を欺く行為と言って差し支えありません。

    第246条

    1. 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
    2. 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

    (刑法246条)

    詐欺の罪はご覧の通り、「犯罪収益移転防止法違反」よりだいぶ重いですね。

    実際のところ、「犯罪収益移転防止法違反」にしても「詐欺罪」にしても、初犯かつ明確な犯罪の意志がないのなら、条文に書いてある通りの罰が課せられることはほぼありませんが……。
    (起訴されても「犯罪収益移転防止法違反」なら数十万円以下の罰金、詐欺罪適用なら執行猶予が付くことが多い)

    前科が付くことで今後の就職が難しくなったり、後述の「口座凍結」で生活に重大な支障が発生することはまったくもって珍しくありません。

    口座売却のリターンは、決してリスクに見合うものではありません
    人生に関わる危険にさらされたくないのなら、お金に困っていても、口座売却に手を出すのはやめましょう

    刑事罰に問われるという点で言えば、クレジットカードの現金化などに比べてもよほど危険と言えますね。

    ★ちなみに「犯罪と知らなかった」という理由で無罪放免となることはありません。極端な例ですが、殺人を罪と知らずに人を殺して「知らなかったから仕方ない」で済むことは無いでしょう。
    とは言え明確な悪意が無ければ幾分か刑は軽くなりやすいですし、被害が出なければ不起訴(≒無罪放免)で済むこともそこそこあります。

    ★売却した口座が悪用された場合、あなたの名義が「振り込め詐欺に使われた口座の持ち主」として全金融機関に共有され、今後あらゆる預金口座を利用することが難しくなる可能性があります。
    場合によってはこのデメリットは刑罰に比べても重いものとなります。詳しくは以下の項目をご覧ください。

    CHECKいわゆる「口座凍結リスト」に載ってしまったのなら、現状復旧は困難

    ②口座売買やそれに関連するよくある事例

    先述の通り、「口座を譲渡すればそれだけで犯罪に問われる」のは事実。ですが人間だれしも、自分に一致する(あるいはそれに近い)例を挙げてもらわないと、置かれた状況についてピンと来にくいものです。
    そこで、口座売買・譲渡に関するよくあるケースをいくつか挙げてみました。

    (1)「うちは事情があって口座を作れない人に口座をレンタルするため、買取事業を行っている。相手の身元も分かっているので安全」と言われた
    (2)売却ではなく「口座を担保にした融資」なので安心と言われた
    (3)かかわりを持っているヤミ金業者に「返済ができないなら口座の提供でチャラにしてやる」と言われた
    (4)つい口座を譲渡してしまった後で暗証番号を聞かれてヤバいと思った。これを断ったところ、それならお前の口座譲渡を警察に通報すると言われた
    (5)お金の管理に心配のある家族に使ってない口座を貸してほしいと言われ、これに応じたら普段使っている、別の銀行の口座が使えなくなってしまった

    残念ながら、どの例であっても安全とはいきません

    (1)に関して、確かに口座の使われ方によっては「警察や銀行にバレない」可能性こそあるかもしれませんが……。
    そもそも「口座を作れない人」がどういった前歴のある人かと考えると、そのリスクが分かるでしょう。振り込め詐欺などに使われた口座とその名義人はその後あらゆる口座を作れなくなってしまいますが、単なる被害者が他人名義の口座を積極的に必要とするとは思えませんよね。

    当然、業者は口座が犯罪に使われ、あなたが罪に問われたとしても何の責任も負ってはくれません。手を出すのはやめましょう。

    (2)の「口座を担保にした融資」に関しては、一見すると「譲渡」でないため許されるよう思えますが……。
    犯罪収益移転防止法には「預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者」という記載が見られます。一般的に担保には「提供する」(あるいは設定するなど)の語が用いられることから、担保設定も譲渡と同じく完全アウトと言って差し支えないでしょう。質入れに関しても同様です。
    (質入れに関しては銀行の許可があれば、特別に認められることもありますが)

    (3)に関してはあえて説明するまでも無いかと思います。

    (4)の脅迫はたまに聞かれるところではありますが、そもそも口座の譲渡を求めるような業者が、大手を振って警察に出向けるとは思えません。よって都合のよい顧客を逃がさないためのブラフ、つまりハッタリです。口座が詐欺に使われ、罪が重くなる前に銀行と警察に相談したほうが良いでしょう。闇金問題の解決であれば、弁護士や司法書士といった専門家への依頼も視野に入ってきそうです。

    (5)に関しては、家族間で口座を共有すること自体は珍しくないことから、あなたが起訴されることは無いかと思います。(口座を誰かに譲渡した家族には「犯罪収益移転防止法違反」が適用されますが)
    ただ、仮にあなたの口座が犯罪組織に渡っていた場合、あなたの口座が長期にわたって凍結されてしまう可能性は高いでしょう。

    ここまでの内容をまとめると、

  • 口座を譲渡する(担保設定含む)ことは事情や理由に関係なく100%違法
  • 口座の譲渡のために新しく口座を作れば、さらに重い「詐欺罪」に問われる
  • となります。

    口座売却に手を出してしまったらどうすればいい?

    ここからは「犯罪だなんて知らなくて、口座売却に手を出してしまった……」といった場合に考えられる対処法について解説していきます。

    ①被害者がいなければ罪は軽くなるので、迅速に銀行に相談するのがベスト

    あなたが口座を売却・譲渡してしまって間もないのなら、とにかくその口座を提供していた銀行(や信用金庫、その他預金サービスを取り扱う金融機関)に迅速に電話連絡、口座の利用停止を施してもらってください。理由は簡単で、これ以上罪が重くなるのを防げるからです。

    幸いにも売却した口座が振り込め詐欺などに使われず、被害者がいなければ、それだけ事件の重要性も低くなります。
    おそらく利用停止を施した後は銀行に警察への相談を勧められると思われますが、被害者がおらず、悪質性も認められないのであれば、不起訴(≒無罪放免)となる可能性も低くないでしょう。

    ②銀行から処分が下った状況なら、自首した方が逆に安心できるかも

    一方、問題になってくるのは「口座売却後、銀行側から利用停止処分を受けたり、直接連絡が入っていた」という場合。
    このとき、あなたの口座は十中八九振り込め詐欺などに悪用されており、その口座利用状況を不審に思った銀行が何らかの行動に出た形となります。

    となるとどこかに詐欺被害者がいるわけですから、あなたがそれに加担したと考えられても不思議ではないでしょう。

    この場合は残念ながら、「犯罪収益移転防止法違反」または「詐欺罪」で刑事事件として起訴されてしまう可能性が高くなります。
    銀行に情報が割れている時点で、いつ警察が事情聴取に来てもおかしくありません

    ……こういった事例の場合、自首すれば罪が軽くなる可能性はそれなりに高いです。

    第42条

    1. 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる
    2. 告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。

    (刑法42条)

    自分の作った口座が犯罪に使われていることを知って黙認した人よりも、自分から警察に名乗り出た人の方が軽い罰で済むのは想像に難くないでしょう。
    ビクビクして暮らすよりは、近くの交番などに自首して決着をつけてしまった方が逆に安心できるかと思います。

    ちなみに「犯罪収益移転防止法違反」の場合、初犯かつ反省が認められれば、罰金額は20万~30万円前後となることが多いようですね。
    また、執行猶予の付いた懲役刑となった場合、執行猶予期間を満了すれば前科は付きません。(罰金だと前科が付きます)

    CHECK【罰金が払えない】労役を避けたいなら検察官への相談を!分割払いの可能性は?

    ★口座の利用停止(凍結)をいつ解除するかは金融機関の判断によります。
    ただし実際のところ、半永久的に利用不可となることは珍しくない模様。残念ながら、これに関しては今のところどうしようもありません。
    真っ当な理由があるのなら、直接金融機関に相談されることをおすすめします。

    <時効に掛かるのは「犯罪収益移転防止法違反」なら3年、詐欺罪なら7年後>

    死刑に相当する罪を除き、刑罰には公訴時効が設けられています。

    時効が完成するのは、「犯罪収益移転防止法違反」なら3年、詐欺罪が適用された場合なら7年後。
    時効のカウントが始まるのは「犯罪が終わったとき」=この場合は口座を売却した場合ですから、すでに口座を売却して上記の年数が経っているのであれば、刑事罰に問われる心配は不要でしょう。

    気になるのは「まだ時効成立には至らないが、警察から連絡が来るきざしもない」という場合ですが……。
    これに関して「こうするべき」という答えを出すことはできません。時効の成立を狙える可能性はもちろんありますが、その一方で時効成立前にしょっ引かれ、「自首しておけばよかった」と思いいたる可能性も否めないからです。
    ただ、いつ警察か来るか分からずに怯えて暮らすくらいなら、自首した方が精神衛生上よいのは確かでしょう。

    ③いわゆる「口座凍結リスト」に載ってしまったのなら、現状復旧は困難

    ローンやクレジットカード契約に関する「ブラックリスト」(正しくは個人信用情報機関に悪い情報が記録されること)は有名なところですが……。
    実は「口座開設」にも、これと似た制度が存在します。これは一般的に「口座凍結リスト」と呼ばれるようですね。

    「口座凍結リスト」の記載対象となるのは主に詐欺などの犯罪に用いられ、凍結処分を食らった口座、そしてその名義人
    そしてこれに載ってしまうと、日本国内のあらゆる金融機関で預金口座を作れなくなってしまう可能性が高いです。前後して、すでに開設済みの口座も凍結されてしまうことでしょう。

    これらのデメリットは、「ローン等の契約ができなくなる」程度では済みません。場合によっては給与受取すらできなくなるわけですから、職場の信用を失ったり、転職・就職が困難となることも珍しくないでしょう。実際、これは社会問題に発展しています。

    参考産経ニュース「振り込め詐欺の口座被害者、救済法が裏目に 別口座も凍結 生活に支障<就職できぬ><年金入らない>…」

    さらに、この「口座凍結リスト」掲載を取りやめてもらったり、すでに凍結された口座を再び使えるようにする明確な方法は、今のところ存在しない模様。

    この「口座凍結リスト」は警察庁が提供しているため、根拠をもって警察に異議申し立てを行うなどすれば何とかなる可能性がゼロというわけではありませんが……。
    あなたが犯罪被害者であるならまだしも、口座売却を行い詐欺に加担したとなれば弁護士ですらもお手上げ、と言わざるを得ないのが現状です。

    この状態に陥ってしまった場合、考えられる対処法としては「事情を話して給与は手渡しで受け取る」「外国の金融機関の口座を作る」「金融機関に頼み込む」(大手よりは地元の小規模機関の方が融通が利く?)くらいでしょうか……。

    単なる罰金よりも、こちらのペナルティの方がよほど尾を引くものとなってしまいそうです。

    まとめ

    ★預金口座やキャッシュカードの譲渡・売却・担保設定等は「犯罪収益移転防止法」に接し問答無用で100%犯罪
    また、売却目的で口座を作った場合には金融機関に対する「詐欺罪」が適用され、罪はさらに重くなる
    ★すでに口座を売却してしまったなら、被害者の出ていないうちに金融機関に連絡、利用を止めてもらうのがベスト
    銀行側が何らかの行動をとっている状況なら、いつ警察が聴取に来てもおかしくない。「犯罪収益移転防止法」の時効成立は3年と短いためこれを狙えないわけでは無いが、自首して決着をつけてしまった方が精神衛生上よいのは確か
    ★刑罰よりさらに尾を引きやすいのがいわゆる「口座凍結リスト」の問題。給与受取ができないなど生活に重大な支障を及ぼすが、今のところ明確な対処法は無いというのが現実

    たった数万円のために、一生レベルのリスクを負うのはどう考えても割に合いません。
    仮にすでに口座売却に手を出してしまったのなら、現在の状況に合った正しい方法で、できる限り罪が軽くなるよう行動をとりたいところです。

    CHECK【罰金が払えない】労役を避けたいなら検察官への相談を!分割払いの可能性は?

    

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