1分で分かる!おまとめローン5つのデメリットと注意点:損をしないおまとめの条件とは

1分で分かる!おまとめローン5つのデメリットと注意点:損をしないおまとめの条件とは

「いつの間にか膨らんでしまった借金を一本化したい。
このまま近くの銀行のカードローンに申し込んでしまってもいいかな?」

そうお考えの方はちょっと待って!
複数の借金をまとめるための「おまとめローン」…ではありますが、いい加減に申込先を選ぶと、

  • 貸付条件がかえって悪化する
  • 長い目で見た支払額が大幅に増加する

といった問題が発生しかねません。

そこで今回は、「おまとめローン」の利用に伴うデメリットや申込先を選ぶ上での注意点を、客観的視点からまとめました。
読み進めて頂ければ、今のあなたが取るべき行動が分かります。

そもそも「おまとめローン」って?

おまとめローンとは、「複数の会社から借りているローン等を、1つの会社にまとめる」ためのローンを言います。

例:プロミス、アコム、アイフルから各300万円借りているところを、
「プロミスおまとめローン」で一本化
→今後はプロミス1社に返済を続けていく

借入先が減れば、借入額が変わらずとも毎月の返済負担を軽減できます。

基本的におまとめローンは、「借入先を減らすことで、毎月の返済額や返済の手間を減らすため」に使われるということですね。

目次

1分でチェック!おまとめローンの利用に伴う5つのデメリットと注意点

それでは早速、「おまとめローン」の利用に伴う5つのデメリット・注意点について見てみましょう。

1分でチェック!おまとめローンの利用に伴う注意点・デメリット
  1. 「毎月の返済負担を軽減する」ことで支払い期間が延び、結果的に今より多くの利息を支払うことになりうる
  2. 申込先選びに失敗すると、かえって金利が上がる
  3. 現在契約中のローンは、原則として解約することになる
  4. 単純に、多額の債務を抱えての「おまとめ」審査通過は簡単ではない
  5. 確実に借金を断ちたいなら「債務整理」を選んだ方が効果的

借入先を減らすために使われる「おまとめローン」…ではありますが、ご覧の通りデメリットや注意点は多いです。

それでは各ポイントについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

「返済負担を減らす」ことは「支払総額が増える」ことに繋がる…実際の差はどれくらい?

まずは仮に、あなたが現在年利12%のローンを利用していると仮定しましょう。

このローンでは1年に借入額の12%の、つまり1月あたり1%前後の利息が発生する形となります。
借入額が100万円なら、毎月1万円程度の利息を取られる、ということですね。

「おまとめローン」において、第一の目的とされやすいのが「毎月の返済負担の軽減」ですが……。
毎月の返済負担が減ると、当然それだけ借入残高も減りづらくなります。

となると、

  • 返済額が安いせいで借入額が減らない
    「毎月1%」の利息が発生する期間が長引く

…というわけで、結果的に長い期間を掛け、多額の利息を支払う羽目となってしまうわけですね。

そしてこの「返済期間」は、支払総額を考える上で金利よりも重要となります。

以下に実例を挙げましょう。

合計100万円を借りている場合の返済例

支払い総額
(元金+利息)
金利18%で借り
月4万円を返済
1,263,033円
(32回/2年8ヶ月)
金利12%で借り
月2万円を返済
1,393,186円
(70回/5年10ヶ月)
差額高金利&短期清算の方が
合計130,153円低負担

このように、「低金利でだらだら返済する」よりも「高金利でも短期間で支払いを済ませる」方が、トータルの負担を抑えられることは珍しくありません。

もちろん無理をして高額な支払いを続け、生活に支障をきたしたり、延滞を起こしたりするよりは、支払総額が増えること覚悟で「おまとめローン」を選んだ方が良いのですが…。

おまとめローンに限らず、「借金を清算するまでの期間は短いほど良い」ことは覚えておきたいところです。

ちなみに「毎月の返済額が安すぎるせいで、借入期間が延びる」問題は、特に「銀行カードローン」でよく見られます。
銀行カードローンを利用する上で、追加返済はほぼ必須だと言えるでしょう。

250万円借入時の比較

金利5.99%の住信SBIネット銀行で、毎月自動引き落としのみで返済
(月2.5万円→2万円…→2千円)
3,787,960円
(317回/26年5ヶ月)
金利15%のアコムで、月自動引き落としのみで返済(一律7.5万円)3,254,456円
(44回/3年6ヶ月)
差額金利が約9%高いアコムの方が、結果的に50万円以上低負担

現在の契約条件や申込先によっては「おまとめ」のせいで金利が上がる可能性も

特にあなたが、

  • 安定収入を得ている正規雇用者である
  • 1つの銀行等と、大口契約を結んでいる
  • 既存のローンを選ぶ際、金利の低さを重視した

という場合、現在の借入条件がそこらのおまとめローンより優秀である可能性があります。

この場合は「おまとめ」により、金利が上がってしまうことも十分に考えられることでしょう。

…とは言え上に挙げた例をご覧になってもわかる通り、支払総額を抑えるために重要なのは「金利」よりも「返済期間」

また、金利が低くても延滞を発生させてしまったり、生活に支障が出ていたりするようでは本末転倒です。

仮に金利が上がってしまうとしても、「おまとめ」にそれ以上のメリットを感じられたなら、契約条件の悪化を覚悟した上での「おまとめ」も選択肢に入ることでしょう。

金利の上昇を覚悟で「おまとめ」を検討すべき状況の例
  • 毎月の返済が苦しく、少しでも返済負担を減らしたい
  • 回数分割払い型のローンに乗り換え、確実に毎月の借入残高を減らしたい

現在契約中のカードローンは「おまとめ」後、解約を求められることも多い

おまとめ先に「おまとめ専用ローン」(または一部のカードローン・フリーローン)を選ぶ場合…。

「おまとめ」を成功させた後、既存のカードローンについては解約を求められることが多いです。

アコム「おまとめローン」窓口への問い合わせより

ということで「おまとめ」後、今のローンは使えなくなると考えておくのが無難でしょう。

用途自由なカードローン・フリーローンを使って「おまとめ」を行う場合、他社の解約を求められることは(一部例外除き)ありませんが…。

そもそも空いた枠を使い再びお金を借りてしまえば、結果的に借金が増える形となり「おまとめ」の意味がありません。

仮に既存借入先の解約を求められなくとも、「これ以上借金を増やさない」ため、解約などの手段を取りたいところではあります。

「おまとめ」可能な目安は、正規雇用者でも「年収の2分の1」程度までか

実のところ、「おまとめローン」の審査通過率は、一般カードローンに比べかなり低いです。
これは「多重債務者に対し、はじめから大きなお金を貸し付ける」金融機関側のリスクを考えるとある意味当然ですね。

そしてこれまで寄せられた審査結果アンケート等を見る限り、おまとめローンの審査に通過されているのは、

  • 借入件数3件以下
  • 借入総額が年収の2分の1前後以下
    ┗非正規雇用者等の場合、より制限は厳しくなる

といった状況の方。

借入件数が4件以上、あるいは借入総額が年収の半分を超過しているという場合、現実問題として「おまとめ」は難しいと言わざるを得ません。

もちろんあなたの属性や金融機関の方針等により、上記に当てはまらないケースも存在しないわけではありませんが…。

「誰でもおまとめの審査に通るわけではない」ということは意識しておきたいところです。

ちなみに債務整理は無審査で実行できます。
「どのおまとめローンの審査にも通過できないが、これ以上返済を続けることもできない」という場合には、こちらの方法を検討するのも良いでしょう。

おすすめの「おまとめ」先は、回数分割払い型の「フリーローン」「おまとめ専用ローン」

ここからは「おまとめローン」のリスクやデメリットを踏まえた上で、それでも「おまとめ」を実行したいというあなたのため、具体的な申込先候補についてお話しさせていただきましょう。

①回数分割払い型のローンを選べば借金断ち&確実な債務軽減に繋がる

さて、「おまとめ」先として使えるローンには、主に

  • おまとめ専用ローン
  • フリーローン
  • カードローン

の3種類が存在しますが…。

このうち「無難」な申込先としておすすめしたいのは、「おまとめ専用ローン」「フリーローン」の2つ。

というのもこの2つのローンは、カードローンと違い

  • リボ払いではなく、回数分割払い方式
    (=決まった回数で、確実に債務をゼロにできる)
  • 追加借入が不可能(=借金断ちに最適)

という特性を持つからですね。

「おまとめ専用ローン」「フリーローン」は、大手消費者金融会社の他、地方銀行や信用金庫に多く取り扱いが見られます。

まずはお近くの金融機関の情報をチェックしてみると良いでしょう。

主な回数分割払い型の、おまとめに使えるローン

りそな銀行フリーローン・上限金利14.0%
・りそな銀行の口座開設必須
横浜銀行フリーローン・上限金利14.6%
・横浜銀行の口座開設必須
指定エリアからのみ申込可
・専業主婦OK
福岡銀行おまとめローン・上限金利12.8%
・福岡銀行の口座開設必須
・実質的に指定エリアからのみ申込可
その他多くの地銀、信金など・上限金利は14.5%程度が多い
・口座開設必須であることが多い
アイフル
「おまとめMAX」
「かりかえMAX」
・上限金利17.5%
・融資まで2営業日~
(来店契約時)
・銀行ローンやショッピングリボもおまとめOK
プロミス
「おまとめローン」
・上限金利17.8%
・即日融資OK(来店契約時)
貸金業者からの借入※1のみおまとめ可
アコム
「貸金業法に基づく借換え専用ローン」
・上限金利18.0%
・即日融資OK
貸金業者からの借入※1のみおまとめ可
・無人または有人店舗への来店必須
※1 主に消費者金融、またはクレジットカードキャッシング枠を使った借入
※りそな銀行以外の都市銀行やゆうちょ銀行に、おまとめに使える回数分割払い型商品の取り扱いなし

ちなみに「おまとめ専用ローン」と「フリーローン」の違いは、一般に「おまとめにしか使えないか、その他の用途にも使えるか」のみとなります。

返済期間(60回払い等)は申込み~契約の過程で、希望に応じ設定できます。

②金利最重視なら、カードローンの方が優秀なことも多いが…。

さて、あなたが「おまとめ」先を金利重視で選びたいと思っているのなら…。
上に挙げたような回数分割払い型のローンではなく、低金利カードローンを選んだ方が良いかもしれません。

…が、上にも挙げた通りカードローンは毎月の返済負担が軽く、返済を自動引き落としに任せるとなかなか借入が減りません。

特に銀行カードローンは借入残高が減ると、その分だけ引き落とし額も減るという、借入を長引かせるための仕組みを採用していることが多いです。

そのため自主的な追加返済の重要性は、非常に高いと言えるでしょう。

要は「計画的な返済ができる方向けの、ハイリスク・ハイリターンなおまとめ方法」というわけですね。

おまとめに使える低金利カードローン

住信SBIネット銀行カードローン「プレミアムコース」上限金利7.99%
(プレミアムコース)
・上限金利14.79%
(スタンダードコース)
年収の2分の1程度までの高限度額に定評あり
・ネット銀行ながら自営業者への高額融資確認
住信SBIネット銀行の口座必須
アイフル「ファーストプレミアムカードローン」上限金利9.5%
融資金額100万円~800万円
※一部提携CD/ATMでのご利用は10,000円からとなります
※ご利用限度額50万円超、または他社を含めた借り入れ金額が100万円超の場合は源泉徴収票など収入を証明するものが必要です

・郵送物の回避可
・最短25分で融資
※お申込の状況によってはご希望にそえない場合がございます。
※WEB申込なら最短25分融資も可能です。
・総量規制の対象なので、「他の貸金業者からの借り入れと合わせて」年収の3分の1超の借入不可
┗基本的には銀行やショッピングリボのおまとめ向け
・任意の口座で返済可
ソニー銀行カードローン・上限金利13.8%
┗ただし限度額に対する金利優遇幅◎
ソニー銀行の口座必須
みずほ銀行カードローン・上限金利14.0%
・おまとめ目的の方でもそうでない方でも、年収100万円台での通過例が多い
みずほ銀行の口座必須
口座を持っている地銀などのフリーローン、カードローン・上限金利は14.5%程度が多い
┗ただし金利優遇を受けられた報告は多い
・金融機関によってはフリーローンより大幅低金利に

確実に借金を減らしていきたいなら「債務整理」を選んだ方が良い場面も

ここまでは「おまとめローン」の利用を前提にお話を進めさせていただきましたが…。

もしもあなたが、

  • まとめローンの審査に通過できない
  • もっと確実に、今の借金を減らしたい

とお考えならば、債務整理を検討した方が良いかもしれません。

債務整理にはいくつか種類がありますが、カードローンやリボ払い関連でよく用いられるのは「任意整理」という方法。

こちらは「司法書士等の専門家に依頼し、現在の借入先と交渉してもらい、確実な返済を約束する代わりに今後の金利を0%にしてもらう」ような手続きを言います。
つまり任意整理を行った後は、お金を返済すれば返済した分だけ借入が減るわけですね。

気になるのは専門家への依頼料ですが、(もちろん債務状況にもよるものの)安いところで借入先1件あたり7万円程度~。
「今後節約できる利息」に比べると、ずっと安く済むことが一般的です。

とは言え、本来の契約を反故にするということで、最低5年間(一般にそれ以上)のブラック入りは避けられない形となりますが…。

「ブラック入り」というデメリットよりも、

  • 確実に借金を減らしていける
  • 支払総額を節約できる

というメリットに魅力を感じるのなら、まずはお近くの司法書士事務所などを探してみると良いでしょう。

140万円超を借りている会社に対し任意整理を行う場合には、司法書士ではなく弁護士に依頼を行う必要があります。
一般に、弁護士への報酬は司法書士より高くなります。

あなたの状況によっては、より重い債務整理手段である「個人再生」「自己破産」などを提案される可能性があります。

FAQ:リボ払いのおまとめを行う場合、元のクレジットカードは使えなくなりますか?

一般に、クレジットカードそのものの解約までは求められないことが多いです。
(少なくともキャッシング枠については解除をお願いした方がよいかもしれませんが)

ただし、クレジットカードの途上与信(契約後の定期検査)により…。
おまとめによる他社借入の増加を理由とし、カードの利用を停止される可能性までは否めません。

FAQ:一緒に住んでいる家族に知られず(郵送物なしで)おまとめできますか?

あたりを選べば、郵送物なしでのおまとめ・契約が可能です。

1FAQ:おまとめローンの審査にも、在籍確認(勤務先確認)は必要ですか?

一般には金融機関の判断で実施される形となりますが、

といった方法を使えば回避も可能でしょう。

おまとめローンのデメリットと注意点についてのまとめ

おまとめローンのデメリット・注意点
(1)「毎月の返済負担を軽減する」ことで支払い期間が延び、結果的に今より多くの利息を支払うことになりうる
(2)申込先選びに失敗すると、かえって金利が上がる
(3)現在契約中のローンは、原則として解約することになる
(4)単純に、多額の債務を抱えての「おまとめ」審査通過は簡単ではない
(5)確実に借金を断ちたいなら「債務整理」を選んだ方が効果的
おまとめローン選びのポイント
▶基本的には「フリーローン」「おまとめ専用ローン」といった回数分割払い型ローンの選択推奨
┗一定期間で確実に債務を減らせる&追加借入不可で借金断ちに最適なため
▶「カードローン」はフリーローン等より金利が低いことも多いが、計画的な追加返済の重要性が非常に高いためハイリスクか

返済がかえって長引く理由にもなりやすく、メリット・デメリットともに大きい「おまとめローン」。

…ではありますが、

  • 現在の返済を続けていくことは難しい
  • 確実に借金が減っていく形を取りたい

という場合には、各デメリットを踏まえた上で、「おまとめローン」(または債務整理)への申込を検討すべきだと言えるでしょう。

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